紀藤 康行(カレッジ)

㈱カレッジ代表| 人材開発・組織開発やってます|立教大学大学院経営学専攻リーダーシップ…

紀藤 康行(カレッジ)

㈱カレッジ代表| 人材開発・組織開発やってます|立教大学大学院経営学専攻リーダーシップ開発コース修了|Gallupストレングスコーチ・キャリコン他…|ウルトラマラソン好き(263km完走)| メルマガ3500号連続配信中→www.courage-sapuri.jp/

マガジン

  • 強み論文ノック

    「強み」に関する研究論文についてまとめていきます。「強みってそもそもなに?」「強みって幸福度やエンゲージメントと、どのように関係しているのか?」など、学術的なエビデンスや背景理論について、論文をわかりやすく紹介していきます。強みコーチ(ストレングス・ファインダー認定コーチ)など、強みを通じた人材開発・組織開発にご興味がある方にお薦めです。

  • 強み関連論文ノック

    強み論文の背景にある、概念や論文、先行研究についてまとめていきます。 (ワーク・エンゲージメント、目標設定理論など)

  • 沖縄日誌

    東京ー沖縄の二拠点生活や、沖縄の歴史の話、沖縄のおすすめスポットなどについて書いていきます。特に、二拠点生活や沖縄に興味がある方にお薦めのマガジンです。

  • はじめての方の「論文の読み方・探し方」おすそ分け勉強会

    組織行動系の論文を探し方・読み方について全3回で解説したマガジンです。興味はあるけれど、何から始めればよいかわからない、という社会人・学生の方にオススメの内容です

  • おすすめの一冊

    面白かった本、勉強になった本などをレビューしています。

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人生で大切なことは全部、263kmマラソンで学んだ

「100kmマラソンに出ました」というとすごいね!と言われるのに、「263kmマラソンに出ました」というと「へえ」で終わるのはなぜなのか? 距離が長いのもあるでしょうが、多分何が起こるのかよくわからないからではないでしょうか。 でも、意外にも走っているのは普通の中年が多いです。変人かもしれませんが、普通の人。 私も例に漏れずにそう。8年前、持病の悪化がきっかけでランニングを始めたくらいで、陸上部でもなんでもありません。中学校のハンドボール部では、背番号が14人中14番で

    • 好奇心・希望・感謝etc…「強み」を鍛えると、ほんとうに人生満足度は高まるか? ー実験の結果わかったことー

      こんにちは、紀藤です。強み論文100本ノック、ついに今日で100本目となりました・・・!振り返ると、その道すがらで思うことはありました。ただ、そのことに触れるとめちゃくちゃ長くなりそうなのでそのお話については後日改めて。 ということで今日も、強み論文のご紹介をさせていただければと思います。 本日ご紹介の論文は「人生満足度と相関が高い強みをトレーニングすると、ほんとうに人生満足度は上がるのか?」のランダム化比較実験の研究となります。 結論からすると、予測通り「人生満足度が上

      • 医学生の強みと幸福の関係 ー3年間の縦断研究でわかったことー

        こんにちは。紀藤です。さて本日も強みに関する論文をご紹介させていただきます。本日ご紹介の論文は「医学生の強みと幸福の関係を3年にわたって調査をした研究」となっています。 医療従事者は、感情労働が多く、バーンアウトなどが起こりやすい職業として知られています。その中で「強みを適用することは、時間が経つに連れて、幸福感・エンゲージメントにもプラスの影響をもたらすのか?(そしてそれはバーンアウトなどを抑制する対処になるのか)」という疑問について向き合った内容となっています。 結論

        • 「ボランティアの強み」と仕事満足度・幸福度の関連の統合モデル ーイスラエル300名への調査ー

          こんにちは。紀藤です。さて強み論文100本ノックも、いよいよあと3本・・・!では、今日も早速論文の紹介をさせていただきます。本日の論文は「ボランティアの強み」なるテーマです。 3つのボランティアグループに対して、「強みの支持」と「強みの展開」が、仕事や人生の満足度、そして幸福感にどのように影響するのかを調べた研究となっています。 特徴は、1つのグループではなく、年齢や性別の異なる3つのボランティアグループ(青少年、中年、成人社会人女性)への調査を行うことで、より「ボランテ

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          11本

        記事

          「ジョブ・クラフティング & 強み活用 & 欠点修正」を混ぜた介入アプローチは成果に繋がるするのか? ールーマニア80名への研究ー

          こんにちは。紀藤です。本日も強みに関する論文をご紹介いたします。今回ご紹介の論文は「ジョブ・クラフティング & 強み活用 & 欠点修正の混合アプローチによる影響を、無作為比較試験で調べてみた」という内容です。 「強み活用のアプローチ」が、人生満足度やワーク・エンゲージメントへの成果にどのような影響を与えるのか?という研究は王道の印象がありますが、このような「3つの介入の混合」+「ランダム化比較実験」という組み合わせはあまり見たことがなく、興味深い内容でした。 1分でわかる

          「ジョブ・クラフティング & 強み活用 & 欠点修正」を混ぜた介入アプローチは成果に繋がるするのか? ールーマニア80名への研究ー

          「強みのみ」VS「強み+弱み」どちらのアプローチがより人生満足度を高めるのか?

          こんにちは。紀藤です。本日も強みに関する論文をご紹介いたします。今日の論文は「強みのみ or 強みと弱みどちらも、どちらのほうが人生満足度が高まるのか?」について探求をした応用ポジティブ心理学における、比較的初期の研究です。 前にご紹介した2018年の南アフリカの論文でも、同じように「強み」「弱み(欠点)」のどちらがより特定の成果指標に対してインパクトがあるのかを調べたものがありましたが、そのルーツとなるような論文とも思えます。 結論からすると、「強みのみ」「強みと弱み」

          「強みのみ」VS「強み+弱み」どちらのアプローチがより人生満足度を高めるのか?

          長野マラソンに参加してきました。

          (なんでこんなことやってるんだろうか) 35km地点から毎度のこと、頭によぎる独り言。 全身のエネルギーが枯渇しているのか、脚が重い、脚が攣りそう、全身だるい、喉が渇く、息が上がる・・・。かといって歩くという選択肢も選べない。 大人になって、普通の社会生活で体験しないような”肉体的なつらさを凝縮した時間”を味わえるのが、フルマラソンです。なんでこんなことやってるんだろう?と、よく周りに聞かれますが、大丈夫、本人も同じくそう思ってます。 一方、大人になって、普通では味わえ

          長野マラソンに参加してきました。

          おすすめの一冊『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』

          コーチングなど「聴くこと」についての書籍は、これまで何冊も読んできました。ゆえに今回の本を手に取ったときも、正直そんなに期待せずにいました。まあ、他の本でも書かれていることが、違う形で書かれているんだろうな…と。 しかし実際に読んでみると、その本の洗練された内容に、手を止めることができませんでした。こんなにも「聴くこと」を定義し、何故必要なのかを明確に説明し、その手順やステップを構造的に示した本に初めて出会った気がして、感動をしてしまいました。 結論、超オススメさせていた

          おすすめの一冊『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』

          仕事・学び・人間関係・恋愛etc...それぞれの生活の場面で使う「強み」は違っているのか?を調べた論文

          こんにちは、紀藤です。さて本日も強みの論文のご紹介です。今日の論文は、「生活の様々な場面で発揮される強みは、違っているのか?」という疑問について探求をした論文となっています。 同じ人を見ても「仕事」で発揮される強み、「家庭」で発揮される強み、「余暇」で発揮される強みは、それぞれ違っているような感じは、誰しもが多少あるかと思います。(仕事では「分析的な思考」を強みとして使うけれど、家庭では「愛情」を使っています、みたいな感じ) そうした生活の場面ごとに発揮される強みを、20

          仕事・学び・人間関係・恋愛etc...それぞれの生活の場面で使う「強み」は違っているのか?を調べた論文

          「強みに基づくコーチング」は、エンゲージメントと仕事のパフォーマンスを高めるのか? ースペインの比較試験からわかったことー

          こんにちは。紀藤です。本日も強みに関する論文をご紹介いたします。 今回の論文は久しぶりの(!)個人的ヒットでございます。内容は「強みに基づいたコーチングの成果について、非ランダム化比較試験で検証した研究」というものです。 「強みに基づいたコーチングって、本当に効果あるの?」という疑問について、約60名の参加者を介入群と待機群にわけて、仕事のパフォーマンスやワーク・エンゲージメントが介入によってどのような影響を受けたかを調査するという調査設計で、シンプルですが説得力がある論文

          「強みに基づくコーチング」は、エンゲージメントと仕事のパフォーマンスを高めるのか? ースペインの比較試験からわかったことー

          「強みに基づいた効果的なフィードバック」の9つのポイント

          こんにちは。紀藤です。本日も強み論文のご紹介です。ちなみに「強み論文100本ノック」と名したプロジェクトも、残すところあと8本・・・! 本業が忙しくなると、論文を読んだり、探したりする時間もなくなり、大変なこともありますが、それでもプロジェクトとして「やる!」と宣言することで、足を動かし続けることができます。 そうした強制力を元に行動した結果、読んでみると新しい視点や知識を獲得することになり、それが自分の知識の土台を強固にしてくれているように思います。最後まで、走りきりた

          「強みに基づいた効果的なフィードバック」の9つのポイント

          「強み活用✕欠点修正」の複合アプローチが最も成果が高くなる?! ー南アフリカの266人の調査結果よりー

          こんにちは。紀藤です。さて、本日も強み論文のご紹介です。今日の論文は「強み活用のアプローチ✕欠点修正のアプローチの組み合わせが、もっとも従業員にポジティブな成果を与える」という結果を示した調査です。 30秒でわかる論文のポイントポジティブ心理学のパラダイムでは、従業員の強みに焦点を当てることを示唆している。しかし、強みを強調するゆえ、強み活用と欠点修正にバランスよく焦点を当てた複合的アプローチの価値について疑問が投げかけられている。 本研究の目的は、「強み活用の組織的支援

          「強み活用✕欠点修正」の複合アプローチが最も成果が高くなる?! ー南アフリカの266人の調査結果よりー

          強みに基づくポジティブ介入は行動結果をもたらすのか? ~418の研究レビューからわかったこと~

          こんにちは、紀藤です。さて、本日もある論文をご紹介させていただきます。ご紹介の論文は「性格的強みに基づくポジティブ介入は、本当にポジティブな行動結果をもたらすのか?」というタイトルのものです。 簡単に言うと、「強みに基づくポジティブ介入」に相当すると思われる418の研究のうち、いくつの論文が信頼性や妥当性があるのか?を調査した内容となっています。 結果とすると、418の研究のうち行動結果の群間差(実験群と対照群の差)を調べたものは”29の論文、48の分析”のみだった、との

          強みに基づくポジティブ介入は行動結果をもたらすのか? ~418の研究レビューからわかったこと~

          ある論文を読んで、ソーダストリームを買った話

          最近、「ソーダストリーム」という家庭用炭酸水メーカーを買いました。家電量販店や、ハンズなどに行くとしばしば目にしていた、ちょっと気になるマシンがソレでした。 ・・・しかしこれまでは、気にはなっているものの、わざわざ近づいて手に取るまでは動機づけがされるわけでもなく、ぼんやりと「ああ、あるなあ」と見ている、そんな隣のクラスのちょっと目立つ人のような存在が私にとってのソーダストリームでした。 炭酸水好きに「ソーダストリーム」 ちなみに、使ってみると「めちゃくちゃいい!」でし

          ある論文を読んで、ソーダストリームを買った話

          おすすめの一冊『本を出したい』

          今から十数年前。20代前半の頃。「自分の夢を書く」ことをやりました。 荒唐無稽なものも多かったのですが、こから15年以上も経つと、8割くらい叶っていて、不思議なものだなあ、と感じます。 自己啓発チックで怪しく聞こえるかもしれません。しかしながら、言葉にした夢とか目標のようなものは、無意識で自分の選択を決めたり、努力の方向性を示したりして、何かの引力を発生させるものだ…そんなことをじんわり思ってしまいます。 「本を出したい」という夢そして、そんな中で「まだ叶っていない夢」が

          おすすめの一冊『本を出したい』

          ある哲学者から学んだ「前提を疑う」という生き方

          こんにちは。紀藤です。最近、強み論文のまとめに注力していることから、「日常の振り返り」的な内容を記述することが少なくなっておりました。 ただ、日々の出来事を振り返り、感じたことを書き出すというのは、実に多くの学びがあるものです。ということで、今日は最近あったお話の中で、印象的だったことについて書いてみたいと思います。 ある30代の哲学者少し前に、ある哲学者(30代)と、教養あふれる人生の先輩(60代)とお食事にいきました。どちらもそうした呼称に閉じ込めてしまうのには何とも

          ある哲学者から学んだ「前提を疑う」という生き方