おすすめの一冊『やり抜く自分に変わる 超習慣力――悪習を断ち切り、良い習慣を身につける科学的メソッド』
こんにちは。紀藤です。今日は、『習慣』をキーワードにした一冊について、ご紹介いたします。それでは早速まいりましょう!
本書の特徴
人が「本を読む」において、いくつかの動機がある、なんて話を聞いたことがあります。リラックスしたい、刺激がほしい、感動したい、笑いたい、知りたい、学びたい、変わりたい、、、。
それらを全部的に整理することはここでは行いませんが、この本を通じて得られることを1つ挙げるならば、「習慣化の科学について網羅的に知ることができる一冊」といえそうです。
調べて驚きましたが、Amazonでは、「習慣」で検索すると、40,000件以上出てきて、さらに「超習慣術」と具体的に絞っても86件見つかりました。
超習慣術ありすぎだな・・・ということですが、それくらい習慣化というのは多くの人にとって興味があるテーマということになるのでしょう。
その中で、本書は、『GRID やり抜く』や『影響力の武器』など、学術的な根拠も示しつつ、多くの示唆を与えるベストセラー本の著者達が、「習慣化の科学について、今わかっていることをまとめた本」ということで絶賛している一冊とのことでした。
本書の紹介について、以下引用いたします。
本書の魅力的なポイント
さて、本書のポイントとして個人的に感じたことを、以下お伝えしたいと思います。
大学教授による、圧倒的エビデンスに基づいた内容
この著者は何者なんだ?と思うほど、習慣に関する歴史や、実験を、学説を、これでもか!というほど紹介をしています。よって、科学的な根拠を求める方にとっては、「知りたい」という欲求を十二分に満たしてくれます。
ゆえに、逆を言えば、「自分は、習慣化苦手なんです。何すればいいか手っ取り早く教えて」というHow toをわかりやすく知りたい人には向いていない、とも言えるかもしれません。
・そもそも習慣とは何か?
・習慣とはどのようなメカニズムで生まれるのか?
・そのためのプロセスは何が、どこまでわかっているのか?
そうした事実ベースで理解をすることで、自分の状況を分析し、実践を活用するという「読み解き&実践への落とし込み」をすることで、効果を発揮する著書とも言えるかもしれない、と思いました。
本書の目次
以下、本書の章立てと、コンテンツを引用させていただきます。
データを中心にした構造であることが、見て取れるのではないかな、と思います。
面白かった点・学びになった点
以下、本書の中で特に印象に残った点、学びになった点についてご紹介いたします。
習慣化の鍵は「摩擦を減らす」こと
まず、著者が1つだけこの著書から覚えておいてほしいとして、述べているキーワードが「摩擦」でした。 習慣化をするは「摩擦を減らす」ことです。「摩擦」とは「やりやすさ・やりづらさ」のことです。
たとえば、「水を飲む」を習慣にしたければ、あらゆるところに水のペットボトルをおいて、手に取りやすくする(=摩擦を減らす)ことで、習慣化はされやすくなります。
一方、お菓子などの間食を減らしたいのであれば、「そもそも家にお菓子をおかない」ことで手に取りづらくする(=摩擦を増やす)わけです。こうすると、間食してしまうという悪習慣を遠ざけることができます。
これを、「他者(仲間づくり)」「環境(やりやすさを設計する)」「行為(ついでに行う仕組みにする)」などで、設計をしていくことがポイントです。
なお、ある実験によると、日常の行為の中で習慣的にやっている行動は「43%」であることがわかりました(1日の中で無作為にアラームがなった瞬間にやっている行動を書き出すと、大体43%位が無意識の行動だった)。
「習慣化」が目標に駆逐された歴史
もう1つ面白かったのが、「習慣の歴史」の話でした。著者のウェンディ・ウッド氏、南カリフォルニア大学の心理学部の教授であり、学習理論にも詳しい方です。
そこでは、条件づけの実験(バーを押すと餌が出るラットの実験)や、認知心理学の歴史なども振り返りつつ、「習慣」というキーワードがどんな歴史を辿ったのかを振り返ります。
そうすると「認知心理学」という意識して行動したことに重点をおく流れから、「目標」をいうキーワードがぐっと伸びることになりました。そして、そのかわりに「習慣」という無意識行動に関する研究や注目は、鳴りを潜めた歴史があったようです。
ただ、「目標立てて行動する意志力」も大事だけど、「無意識で行っている習慣」が成果に大きな影響を与えているよね、ということで、また2000年後半頃から急激に注目され、今に至っているということがわかります。
まとめと個人的感想
「習慣の科学」ということで、骨太な一冊ですが、Amazonでの評価についていえば、そこまで高くないようでした。
理由を想像したときに、もしかすると「習慣化」について興味を持つ人のニーズとして、「習慣の科学を学術的に知りたい」よりも「何をすれば習慣化できるか教えてほしい」という思いがあったのかもしれないな、などと推察いたしました。
そういう意味では、やや濃厚すぎる(?)ということもあるのかもしれない、と本を出すということの難しさも感じた次第です。いずれにせよ、勉強になる一冊でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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