note2815
絵と呟きの随想録
小さな社会で暮らしていた幼少期のことを紐解いて、消化しずらい感情をちょっとほぐすために描いている漫画
飛べなかったはねと 走れなかったあしで絵を描いてる 歌えなかった口と 見れなかった目でやっぱり絵を描いてる 握りかえせなかった手と 連れていけなかった星の上で …
ひえたアルミサッシが よるというくにのふちを囲う 散りつつある桜の花びらの隙間にも しみて広がる 風と揺れるくに 蛍光灯で慣れた目でその深さを測ろうとすると 深…
12種類の声が均一な音量で耳に入ってきて何一つ聞き取れない食い合わせの悪い晩餐、張りたくもない膜が厚めに張られていくのを斜め上から傍観して解散、徒歩、1500mぶんを…
うたのようなものを受け取るので、 返歌をしています 発話ではなく その合間の横たわり もしくは底流 底流、小さい音なのではなく 遠くの 滝 そのとどろく音が い…
大きなものの前で平気で笑っていた 国よりも大きなもののまえで 似ている宇宙と一緒に 目は 捉えるもののない空をおよいだ こわいといいながら平気で笑っていた 海よ…
前にもはなしたことをはなす 前にもはなしたっけと言いながら 前にも来たことのある場所だっけ 夢の中で頑張って行こうとした 知らなかった場所が 知っている場所にな…
せかいをピアノにしてあそぶ ひけないピアノを せかいにすると おなかのなかで おとがなる くびのうしろで おとがなる 自分で自分のさわれぬばしょが のびて ちぢ…
意外とたくさんあるな、と思った 遠くで 肩や胸の骨格だったものが 灰青の空に、フレームみたいに浮かんでいる 肋骨からはみ出すみたいな もしくは 全身を溶け落ちて…
こんなにも重いのだっけか 3月のくも 忘れていたよな こんなにも何もないのだっけか しびれを切らして訪れたんじゃないのか 春 少しくすりを飲んだだけなのに 情け…
折り重なって こっそり光っている 土の中に埋まっている今年の夏 忘れている(素足になりたがる) あしの裏でそれをやや遠くにさわる 蒸散、遠景が屈折率に青く霞む …
なにごとにも まぶしいときは必ず訪れるので 一瞬の過ぎ去りのじかんを、 ランプにして引き出しの中で息をさせる スイッチボックスを取り出して 暗がりの多い胸のうち…
今日は話を聞いた、痛切な 絵描きは(絵かきじゃない人がそうであるように)意外と色んな目に遭うようなのだった 神経病みはどうも生まれたときからだと気づくのはだいた…
わたしの友だちが手紙を書くので呼ばれた 彼女は、大好きな人たちに渡すための手紙を書く 彼女の視野や胸の奥がどんなふうに彼らを受け取っていたか伝えるためだ 彼らに…
(水は手渡され) しずくは冒険する 手のひらの熱を伝って 凝結する前の大気の中に拡散しては ある朝のコップ一杯に向かって 繰り返してめぐる ひとつはとある晩の橋…
同じようなところに同じようなくぼみがあって そういうのはだれもが埋まらない 埋まることがいいとも限らない、 そうでしょう 月の裏のクレーター その脇に いつだ…
わたしたちたぶんあまりにも粒立っていて それを覗き込みすぎるワルツ いつもおどっている 拾って覗き込んでくるくるまわしているうちに 回転速度は増し三半規管が酩酊…
2024年4月26日 23:45
飛べなかったはねと走れなかったあしで絵を描いてる歌えなかった口と見れなかった目でやっぱり絵を描いてる握りかえせなかった手と連れていけなかった星の上でずっと絵を描いてるにせものだけど ほんとだよこだまが今日を生かすいつか答えた問のこだま それを復唱する声が 連れていけなかった星の血を巡らせて 鈍く鼓動するきこえるかエバーグリーン おまえの腕にかけた
2024年4月16日 18:53
ひえたアルミサッシがよるというくにのふちを囲う散りつつある桜の花びらの隙間にもしみて広がる 風と揺れるくに蛍光灯で慣れた目でその深さを測ろうとすると深みからやってくる羽虫の小さいはねにつけた立派な目玉が盲ているので(手のひらでつつんで)あかり一旦消しますか(入口とびらからは商店街のにおい)
2024年4月4日 22:51
12種類の声が均一な音量で耳に入ってきて何一つ聞き取れない食い合わせの悪い晩餐、張りたくもない膜が厚めに張られていくのを斜め上から傍観して解散、徒歩、1500mぶんを吸って吐くだけのテンポで助かって夜桜、風の中からは沈丁花のにおい浮くはずだった歯は口ん中で並び順を逸し咀嚼、たどり着いた暮らしの鍵はこともなく開いて カーテンの隙間からおるごおるの音色フロム愛すべき場末の(ホテルプレリュードルナシ
2024年4月1日 18:50
うたのようなものを受け取るので、返歌をしています 発話ではなくその合間の横たわり もしくは底流底流、小さい音なのではなく 遠くの滝 そのとどろく音が いつもなぜか ここまで届くもっとも、至近の半径においてはちらつく色味で細かく飛びかう虫を(草むらに飛ぶ無数の意味たち)捉えないといけないのに私のフォーカスは遠くの滝のほうに当たっていて虫の方をうまくかは
2024年4月1日 13:48
大きなものの前で平気で笑っていた国よりも大きなもののまえで似ている宇宙と一緒に 目は捉えるもののない空をおよいだこわいといいながら平気で笑っていた海より大きなものの下で似ている呪いとあるいた 風が明日より向こうの方に吹いていたしょっぱい味のする 明日よりもっとむこうの方に
2024年3月30日 12:40
前にもはなしたことをはなす前にもはなしたっけと言いながら前にも来たことのある場所だっけ夢の中で頑張って行こうとした知らなかった場所が知っている場所になってもまだ残っている なぞなぞこのよのなぞなぞというきのこが夢で行くばしょに生えている木立や部屋やみずうみは体の中で道になって自在に繋がっている木の根元に一つ置かれた絵が何か教えたそうにしていたのでその
2024年3月20日 19:11
せかいをピアノにしてあそぶひけないピアノを せかいにするとおなかのなかで おとがなるくびのうしろで おとがなる自分で自分のさわれぬばしょがのびて ちぢんで うたになる階段を登り おり 和音にしてはまたもどす(たたく つねる そっと押す)こないだピアノになったのは寒暖の対流のまんまんなかで雪のまう春 日差しとくもり続けて ひく手があったからわたしが ま
2024年3月7日 22:21
意外とたくさんあるな、と思った遠くで 肩や胸の骨格だったものが灰青の空に、フレームみたいに浮かんでいる肋骨からはみ出すみたいな もしくは全身を溶け落ちて地面にしみをつくるような呼気や呼吸の圧力だった 毎日のからだそれが音もなく内臓によくある鮮やかな色合いで骨の内側と外側を行ったり来たりしている彼らの思い出す軌道に沿って当時の10倍ほど緩慢に動作しているあ
2024年3月3日 16:53
こんなにも重いのだっけか3月のくも 忘れていたよなこんなにも何もないのだっけかしびれを切らして訪れたんじゃないのか 春少しくすりを飲んだだけなのに情けないな 液晶についた水滴が世界のすべてをうつしても何も動かないなんて 再生?動かないのは何なのかな こころと窓確かめる6ヶ月前 あの鮮明さは録画には残っていなかった胎動 ほこりを吸い込んで水滴は濁る生活
2024年3月3日 15:17
折り重なって こっそり光っている土の中に埋まっている今年の夏忘れている(素足になりたがる)あしの裏でそれをやや遠くにさわる蒸散、遠景が屈折率に青く霞むぬるい雨滴にさらされ黒い土の上をハネったり這ったり、小さい声で一晩中鳴きつづけるいのち土の中にはり巡る気配は知っていてだまるそんな音がそのうち地上に鳴ることも一個ずつ消えてまた静かになっていくことなんか
2024年2月28日 21:49
なにごとにもまぶしいときは必ず訪れるので一瞬の過ぎ去りのじかんを、ランプにして引き出しの中で息をさせるスイッチボックスを取り出して暗がりの多い胸のうちにだいじにつけては、消す眠らせては起こす 少し動きづらい体を歩かせるためとかどうしても見たいものを見に行くためにつけては、消す(今日も無事に息をしていたランプ)
2024年2月16日 22:40
今日は話を聞いた、痛切な絵描きは(絵かきじゃない人がそうであるように)意外と色んな目に遭うようなのだった 神経病みはどうも生まれたときからだと気づくのはだいたい20歳過ぎてから30くらいまでだ色んなものに翻弄されながら絵描きをやったり絵描きを休んだり死にたくなったり幸せになったりしながら軸になってしまった、絵筆と手をくくりつけた部品を動かして、這いずりながらちょっとずつ進むっていう生態
2024年1月16日 22:06
わたしの友だちが手紙を書くので呼ばれた彼女は、大好きな人たちに渡すための手紙を書く彼女の視野や胸の奥がどんなふうに彼らを受け取っていたか伝えるためだ彼らにはこれから訪れる彼女不在の時空間があり、その間彼女が手紙で伝えた事柄が彼らを守らなければならないだから彼女は一丁いいのを3通に渡ってしたためければならないのだったわたしは、彼女が話す彼らに付いてのエピソードや感慨または分析を聞く
2024年1月7日 20:24
(水は手渡され)しずくは冒険する 手のひらの熱を伝って凝結する前の大気の中に拡散してはある朝のコップ一杯に向かって繰り返してめぐるひとつはとある晩の橋になりひとつは誰かの虹になりひとつはれんずになって目撃すべきいくつかの瞬間に向かってしずくは冒険するまだこのくらいの時分に見上げていたおのおののかたち遊びに宿っては眠りの浅いまぶたの裏で光り長じては
2024年1月3日 06:10
同じようなところに同じようなくぼみがあってそういうのはだれもが埋まらない埋まることがいいとも限らない、そうでしょう 月の裏のクレーター その脇に いつだかうっかり着地する小さいふね乗組員はひとりだ じぶんが降り立った場所がどんなところか見当もつかないまま足跡をつけたり見当違いの場所をほじくったりして今晩はここでねむるという月は そんなところに旗を立て
2023年12月28日 21:51
わたしたちたぶんあまりにも粒立っていてそれを覗き込みすぎるワルツいつもおどっている拾って覗き込んでくるくるまわしているうちに回転速度は増し三半規管が酩酊をおこしコーヒーカップは糸巻きみたいに細くなるたぶんだから帰り道を忘れる狂っていることは わかっているけれど見えない世界の小人のこえが連日大きな音で聞こえ いろのついた模様になるそういう目や耳で生まれてきたわ