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2023年7月の記事一覧

歴史小説「Two of Us」第3章J-4

歴史小説「Two of Us」第3章J-4

~細川忠興父子&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第3章 本能寺の変以後~関ヶ原合戦の果て
    (改訂版は日本語文のみ)
    The Fatal Share for "Las abandonadas"

J-4

 あなた珠子一行は、7名一列横に並んで座り、同じ方向を向いて抹茶入りの丹波の緑茶を味わう。おのおのの心に去来する想いは同じではないだろうが、ただ黙して語らず同じ遠景を見つめる。

 しば

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歴史小説「Two of Us」第3章J‐2

歴史小説「Two of Us」第3章J‐2

~細川忠興父子&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第3章 本能寺の変以後~関ヶ原合戦の果て
    (改訂版は日本語文のみ)
    The Fatal Share for "Las abandonadas"

J-2

J‐2

 次の間に控える、小笠原と齢(よわい)数えの6歳に成ったお長のもとへ、あなた珠子が、侍女清原マリアを従えて、入室して来た。

 陽が差す前の薄暗い縁側には、あなたに帯同する侍女

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歴史小説「Two of Us」第3章J-1

歴史小説「Two of Us」第3章J-1

~細川忠興父子&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第3章 本能寺の変以後~関ヶ原合戦の果て
    (改訂版は日本語文のみ)
    The Fatal Share for "Las abandonadas"

J-1

「少々、お待ちくださりませ、、、」
 あなた珠子は、一色宗右衛門を含んだ、細川家の家臣達が説明する『お隠れ』の案を、途中で遮って、声をかけた。

「私は、丹後の〈味土野〉(みとの)に

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歴史小説「Two of Us」第1章J‐5

歴史小説「Two of Us」第1章J‐5

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~

第1章 TAMAKO met TADAOKI @The Crossroads

J‐5

「ところで、、、明智殿はご機嫌うるわしゅうござりますか❔」
「はい。多分、さようでございます。
父上は、ほぼほぼ城には居しませぬゆえ。」

「この度は、何ゆえ亀山までおいでなのであるか❔」
「はい。我が町から出たがる私を扱いあぐねて、亀山に連れて来たご様子。
私も役

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「シャポシュニコワは、いつも哀しい瞳をしていた」Vol.2

「シャポシュニコワは、いつも哀しい瞳をしていた」Vol.2

~ラジオドラマ風、ボーダーレスなSTORY~
Vol.2 @SAIPAN ISLAND
#創作大賞2023 #恋愛小説部門

「Why❔ he looks in lovers mode.」
(なぜ❔彼はとっても好き好きモードだったわよ?)
クヒナさんが、同じ事を尋ねた。

「 Sure. But now…..that happened at once.」
(そうね。けど今は、、、あれから二人の仲

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歴史小説「Two of Us」第1章J‐3

歴史小説「Two of Us」第1章J‐3

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第1章 TAMAKO met TADAOKI @Crossroads

J-3

 あなた珠子の、侍女の清原(後のマリアの叔母)と二人で道に迷い、それでもこの深い竹林で京の町へ出る策を進む気丈夫さ。それ故、体力的に劣る年配を馬に乗せて自分は歩くという、慮りの心。
 
 与一郎忠興は、いかにもか弱き女性は見向きもしないのに、このように意志の強い女性は、自分でも手

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歴史小説「Two of Us」第1章J‐2

歴史小説「Two of Us」第1章J‐2

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第1章 TAMAKO met TADAOKI @The Crossroads

J‐2

「桂の街道より彼方に、峠を越えなければ、ならぬ」
忠興は、彼専任の家臣に告げた。

「若。もう一頭づつ、馬をご用意させる所存にござります」
「そうか。万事怠りなく備えよ。
 それがしは細事は無知であるが、この馬は少々、疲れを出してきておる。
途中、亀山の城代に預けても良い

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歴史小説「Two of Us」第1章J‐1

歴史小説「Two of Us」第1章J‐1

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第1章 TAMAKO met TADAOKI @ the Crossroads

J‐1

 母上が待つ〈次の間〉にあなたが戻って来ると、あなたの父上が床の間に背を向け、座敷で家臣と談笑しているのが、見えた。

 左右両側には、まだ青年期の武将嫡男達が二手に分かれて座り込んでいて、上座正面に鎮座する父、明智十兵衛光秀の端正な顏が、急にクシャクシャに崩れるのを観

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歴史小説「Two of Us」序章☆J‐1

歴史小説「Two of Us」序章☆J‐1

~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
Prologueーいにしえの記憶

J‐1

 あなた珠子が、この町に暮らし始めた時もまた、城下の人々はとり憑かれたようにお囃子に合わせて踊っていたのだろうか。
 今夜の盆祭りのように。

 もう何年も帰省してはいなかった。
 けれど、福知山音頭を人混みの中から観ていると、律儀な知将でありながら歴史の上では〈クーデターを起こした逆臣〉として扱われている明智光秀

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