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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
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#自分

嘘つき(詩)

嘘つき(詩)

自分を守るために嘘をついて
嘘をつくのが当たり前になって
嘘をついたことを悔やんで苦しむなんて
私はなんて無駄なことをしてきたのだろう
もしも世の中が嘘だけだったなら
嘘をついても苦しまないで済んだのに
本当の言葉がいつも私の邪魔をする

人生(詩)

人生(詩)

人生って、ずっと戦いだと思ってた。まわりは敵ばかりで、自分の中にも敵がいた。だからいつも疲れ果てていた。もちろん、一人で世間と戦ったって勝てるわけないっていう諦めもあるにはあった。

だけど自分だけは敵にしちゃいけないよ。世の中で味方になってくれるのは自分しかいないんだから。だから、自分を大切にしなきゃいけない。人生で一番大事のはそれだけって言っても過言じゃない。

この歳になって、やっとそれに気

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心配事(詩)

心配事(詩)

世界のことを心配して
日本のことを心配して
会社のことを心配して
家族のことを心配して
いろいろなことを心配して
病気になって
やっと
自分のことを心配するようになった

ホンモノ迷子(詩)

ホンモノ迷子(詩)

鏡の自分に向かって「ニセモノ」と呟く
鏡に映る私がニセモノなのか
鏡を見る私がニセモノなのか
私にはそれがわからない
それが辛くて
それが悲しくて
私はたまらず目を閉じる
そして私は祈る
目を開けたとき
ホンモノの私がそこにいますようにと

舞台役者(詩)

舞台役者(詩)

綺羅びやかな照明のない一人舞台で
スポットライトの作る影の存在感にひるみながらも
台本のない人生を僕は演じている

幕が開くことも知らされず
ただ舞台に投げ出され
僕は倒れた体を持ち上げる

客席は隙間だらけで
数少ないお客すらも
入れ替わり立ち替わりを繰り返す

僕は必死に自分を演じる
自分のことをもっと知ってもらいたい
それだけが僕の存在意義なのだ

最後は舞台の上で倒れる
幕が閉まるがアンコ

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無機物(詩)

無機物(詩)

国のない国に生まれ
家のない家に育ち
夢のない夢を見て
夜のない夜を過ごし
生命のない生命を生き
終わりのない終わりを迎え
自分のない自分を演じ終える

人生ゲーム(詩)

人生ゲーム(詩)

体中がムズムズすると思ったら
突然細胞分裂が始まった
僕の体の一部が二つに割れて
もう一人の僕が組み立てられていく
一瞬頭が真っ白になり
気がつくと僕は僕の隣に立っていた
クローン人間を作るのは
倫理的にいけないことになっていたはずだが
自分の意志とは関係なく
もう一人の僕が出来てしまったのだから
僕が責任を負わなくてはならないとしたら
それは道徳的に問題のはずだ
とにかく僕が二人存在してはいけな

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知らない橋を渡ると(詩)

知らない橋を渡ると(詩)

知らない橋を渡ると
知らない町が現れて
知らない人の群れたちが
知らない言葉で話してる
知らない川を見てみると
知らない魚が泳いでて
知らない空を見上げると
知らない鳥が飛んでいく
知らない道のその先に
知らない家が建っていて
知らないドアを開けたなら
知らない部屋が並んでて
知らないベッドが置いてあり
知らない私はそこで眠りにつく

比べてみても(詩)

比べてみても(詩)

金持ちと比べてみても
明日から金持ちになれるわけでもない

美男美女と比べてみても
鏡を覗けばいつもの自分しかいない

オリンピック選手と比べてみても
足が急に早くなるわけがない

比べてみてもしょうがないのに
比べてしまうのはなぜ?

人にはそれぞれ良い悪いがあり
自分にも良い悪いがある

なりたい自分が他人の生き写しなんてつまらないじゃないか
自分にしかなれない自分を目指してみれば
きっと人と

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自分って(詩)

自分って(詩)

私には自分を表現できるものが言葉しかない
でも語彙力が足りないから自分をすべて表現できていない
今は自分のすべてを言葉で表現するなんてできないと思っている
たぶん私は自分を表現する言葉を探し続けたまま人生を閉じるのだろう

脱運命論(詩)

脱運命論(詩)

僕は死ぬために生まれた
しかし、いつ死ぬのかはわからない

僕は元々運命論を信じていたが
ここに宣言する 「脱運命論」を

台本どおりの人生は歩まない
アドリブだらけの人生を生きる
それが「脱運命論」だ

死ぬ時期については台本どおりになるかもしれないが
人生の過程は自分で決める
それが「脱運命論」だ

運命に対して抵抗する
運命のせいにしない人生を生きる
それが「脱運命論」だ

自分の人生は自分

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(改訂)正義(詩)

(改訂)正義(詩)

正義

見え透いた正義に振り回されて、僕が僕から遠ざけられていく。
間違っているのはすべて僕のほうで、世の中のすべてが僕を追い詰めていく。

世の中を変えられないのなら自分が変わるしかない。
それはわかっているけれど、
本当の自分を捨てて、偽物の自分を作り上げるのか。
偽物の世の中に溶けて、自らの正義を捨て去るのか。
時代の中で迷子になって、居場所のない世界を彷徨っている。

向かっているのは出口

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影を変える(詩)

影を変える(詩)

自分の影のへばりついた道を歩き
僕はどこへ向かっているのだろう

自分の影のへばりついた壁の前に立ち
僕は何を躊躇っているのだろう

影のない人はいないよって
君は慰めてくれるけど
僕はどうしても自分の影が好きになれない
僕の影はあまりにも僕に似ているから
きっと僕は自分の影から逃げたいのだろう

自分の影から逃れて
僕はどこへ向かうつもりなのだろう

影から逃げることはできないよって
君は諌めて

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ピエロ(詩)

ピエロ(詩)

赤い水玉模様の三角帽子と、パジャマのような衣装を身につけ、
手と足にはそれぞれ黄色の手袋と靴を履き、
顔には赤鼻を付け、まゆ毛は山のように丸く、口紅も口の両端をやや持ち上げて、笑顔を作る。

鏡で見ても完璧なピエロ。

ただ、舞台には私だけ。
観客も誰一人いない。
笑ってくれる人は誰もいない。
私は孤独なピエロ。

楽屋に戻り、もう一度鏡を見る。
笑っている自分が見えた。
でも、これは作り笑い。

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