ピエロ(詩)
赤い水玉模様の三角帽子と、パジャマのような衣装を身につけ、
手と足にはそれぞれ黄色の手袋と靴を履き、
顔には赤鼻を付け、まゆ毛は山のように丸く、口紅も口の両端をやや持ち上げて、笑顔を作る。
鏡で見ても完璧なピエロ。
ただ、舞台には私だけ。
観客も誰一人いない。
笑ってくれる人は誰もいない。
私は孤独なピエロ。
楽屋に戻り、もう一度鏡を見る。
笑っている自分が見えた。
でも、これは作り笑い。
本当に笑ってくれる人は一人もいない。
私は孤独なピエロ。
一人淋しく鏡に向かって、笑顔を作るだけ。
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