記事一覧
#26 ブログ移設します
読者の皆さま、まずは突然の発表申し訳ございません。これまでnoteを書いてきましたが、このたびWordPressの使い方を学ぶ機会があったので、noteからWordPressに引越ししようと思います。(それに伴って、近くこのnoteは削除するかもしれません)
思えば「今年のうちに300本記事を投稿する」とかなんとか最初は目標を掲げていましたが、書けなかったなあということで、心機一転を図ります!こ
#24 いつも「時間がない」あなたに(私に…?)
直近のnote投稿がいつだったかなと確認したところ、8月8日とのことだった。かなり久しぶりにはなってしまった。毎日(とまではいかないにしてもそれに近い頻度で)更新していれば、書くテーマにも困るまい。だが、こう時間が空いてしまったときのネタとして何を持ってくるかというのは非常に悩ましい問題だ。そして実際にお久しぶりと言われる始末。。。
更新していなかった間、「時間がなかった」のかと言われれば決して
#23 GPIFの話題にモヤるわけ
GPIFの話題が出るたび投資家はマスコミを批判しがちだ。運用成果が赤字なら大きく取り上げるのに、黒字になってもそうはしない、と。事実、2016年にGPIFが年金運用で5.3兆円の損失を出したとき、マスメディアはこれを大きく取り上げた。運用益が100兆円を超えた今、このことを取り上げないマスメディアはどうかしているーーと。
これは半分正しいし、半分間違っている。
「半分正しい」というのは、投資や
#21 オリンピック賛成派の弁明(リバタリアンの場合)
つくづく私は「悪魔の代弁者」なのだと思う。与党不支持という立場表明も、日本においてリバタリアンの立場にコミットすることも、オリンピック開催賛成を表明することも、どれも少数派の立場だ。まして与党不支持にもかかわらずオリンピックの開催に賛成するとなれば、少数派の中でもさらに少数派の立場だ。それでいてこの立場を楽しんでいるフシさえあるとなれば、側から見れば単に逆張りしているだけのように見えないこともない
もっとみる#18 ブログと論文って似てるらしいね?
まあそうだと思う。学者がブログを執筆しているケースは結構多い。経済学者のブログなら例えばこちらが有名だ。Beckerはノーベル経済学賞受賞者である。そんな人が何を考えているのかを、堅苦しい論文や専門的な本を読まずに理解できるのだから素晴らしい。
ブログと論文の共通点・相違点はこちらに上手くまとまっている。それにしても合計12年の研究歴で主著・共著含めて80本以上の論文を執筆したって恐ろしいペース
#17 創作: タイトル「Stadtluft Macht Frei」
雨の降らない6月下旬の午後3時。都市の空気は充満する。まるで夏の到来を予言するように、湿気をまとった暑さで。
「都市の空気は自由にする」。そんなドイツのことわざを昔、世界史の授業で学んだ。自由を謳歌し闊歩する人々の行き交う大通り。それこそが都市の活気だ。自由は明日への活力だ。
人の行き交わない都市の大通りは、いくら道幅が広かったとしても、やはり魅力がない。それは、コンクリートとアスファルトに覆
#16 イエス・キリスト、西田幾多郎、上野千鶴子ーー「苦しみ」と「哲学」に関する論考
情熱と苦しみは本質的には同じものだ。"passion"という言葉には「情熱」と「キリストの受難」の二つの意味がある。だが、情熱が苦しみを生み出すのか、はたまた苦しみが情熱を生み出すのかーー。
西田幾多郎は、哲学の動機について「哲学の動機は「驚き」ではなくして深い人生の悲哀でなければならない」(西田(1930)「場所の自己限定としての意識作用」)と述べている。その西田は、肉親や子や妻の死や実家の没
#13 昔書いたレポートってたまに読み返したくなるよね
パソコンのメモリが重くなってしまった。こういうときはファイルを整理する。「これ何だっけ?」と思って確認のためにファイルを開く。実はこれが罠だったりする。作業が進まなくなるのだ。
大学1年のときの「現代日本政治」という講義のファイルを見つけてしまった。小汚い大教室でのざわついた夕方の講義を懐かしむ。ざっと400人近くが押し込まれていただろうか。今は見られない光景だ。リバタリアンになる前の、政治(学
#12 All Of A Sudden 2 突発性難聴になった話(続編)
大病・災害・事件・事故・大切な人の突然の死。「当たり前の日常は当たり前ではない」というのは、そういった悲劇が教えてくれる大事な教訓だ。「最後だとわかっていたなら」という詩は、10歳の息子を亡くしたアメリカ人の女性ノーマ・コーネット・マレックが綴った詩だ。9.11同時多発テロの追悼集会で朗読されて、大きな反響を呼んだ。この詩の一節をまずは引用したい。
たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれが
#11 本屋をなくしてはいけない。それはそうなのだが。
本屋をなくしてはいけない。辛い時こそ本に奮い立たせられる(入院中に本があって助かっている)。読書のストレス軽減効果は心理学的に証明されている(いやほんとそれ)。対面コミュニケーションができない今だからこそ、本を通して著者とコミュニケーションをとるべきだ(同じ病室の他の患者と話もしないしなあ)。本を読み、人と会話し、旅する中でアイデアは生まれる。人と旅が制限された今、本だけが最後の砦だ。それにもかか
もっとみる#10 All Of A Sudden - 突発性難聴になった話。
ちなみに英語で「突発性難聴」はSDやSSHLと略すことが多い。それぞれ、Sudden DeafnessまたはSudden Sensorineural Hearing Lossの頭文字から来ている(Wikipedia先生による)。
なぜこんな話をしているのかといえば、「突発性難聴」になってしまったからだ。偶然にも今年の1月に妹が突発性難聴になっていた。まさかその3か月後に我が身にそれが降りかかると
#06 Study Hack: 経済学の論文のイントロを書くには?
大学3年生と修士課程1年生に読んでほしい記事を見つけた。論文を書かずに卒業できる大学もあるとはいえ、書かずに卒業するのはもったいない。どうせ書くなら出来の良いものを書きたいはずだ。そういう人向けに参考になるのがこれだ。とはいえ、英語なので読むのが面倒だろう(おいこらw)。また、開発の文脈で書かれているページなので、もう少し一般化してある程度内容をまとめてみた。
イントロダクションに書く内容は、流
#05 本に印を入れるということ: 『ほんやのポンチョ』
本に印を入れるのは、そのときの思考を追体験するためだ。
『ほんやのポンチョ』。『えんとつ町のプペル』でも有名な西野亮廣氏の作品だ。彼の作品は賛否両論分かれるようだが、『ほんやのポンチョ』は二つの意味で素晴らしい。
文学と音楽、あるいはリズムの関係は不可分のものだ。俳句や短歌の重要な要素の一つはそのリズムだ。もう少し長くてそれが詩になっても、その韻律がリズム感を生み出している。さらに長い小説、こ