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全ては愛から💖

最近、起きるのが辛い。
春になったけど、冬と同様に布団から出たくない。

ずっと、目が覚めなければいいのに、と思ってしまうこともある。

会社員として働き出して15年が経つ。
仕事はマンネリ気味に感じている。
来る日も、来る日も、同じようなことを繰り返しているような気がする。

多忙ということもなく、定時で帰ることも少なくない。
それが、逆に刺激が足りないと感じるのかもしれない。

朝起きて、また昨日と同じように会社に行き、一日を過ごすのだ、と想像すると、起き上がる気持ちになれないのだった。


布団の中でゴロゴロしているうちに、今日の予定を思い出した。
夕方から学生時代の友達と飲みに行く約束をしていたのだった。
途端に、気分が上がる。
体を起こし、洗面所に向かった。

楽しいことがあれば、すぐに起きあがることができる。
自分は単純だな、と思った。


結婚はせず、恋人もいない。
平日は毎日仕事。土日は趣味にしている映画鑑賞。
映画を観ても、感想を書いたり、SNSに発信したりすることもなく、ただ、観るだけだった。

どうして映画を観るのだろう。
もしかすると、他にやることが思いつかない、というだけではなないだろうか。
自問自答して、それ以外に答えが見つからなかった。

オレは、なんで生きているんだろう。。

そんな気分になるときもある。
特に、日曜日の夕方、映画を観終わって家に帰ったときに、そう感じることが多い。

何も目的を持たず、ただただ、周りに流されて生きているような。



仕事が終わって、待ち合わせ場所に向かった。
ユウは先に着いていた。
体にフィットした明るめのネイビーのスーツを着ていた。

3年ぶりだったが、会った瞬間、なつかしさは失われ、若かったころの感覚に戻った。
いつでも、10代の感覚に戻ることができる。
これが、親友というものなのかもな、と思った。

待ち合わせ場所から歩いてすぐの居酒屋に入った。

焼き鳥を食べながらお互いのことを話す。
前に会った頃から、5年が経っていた。
5年前、ユウは結婚していた。
今は5歳になる子どもがいる。

自分は、5年前と特段変わりのない毎日を送っている。

話す内容は、仕事のグチになった。
上司が自分の苦労を理解してくれない、クライアントはワガママを言ってくる。
自分は、その間に挟まって、気苦労ばかりで楽しいことなんてない。
みんな自分本位すぎる。
どうして、もっと、周りの人のことを考えて行動できないのだろうか。

なんて話をした。最近、いつも感じていることだった。

ユウは、ビールと枝豆を口に運びながら静かに聞いていた。
一通り話し終えたとき、静かに言った。

「どんな行動にも、理由がある。必然的に起こっている。ただ、それだけなんだ。」

ねぎらってくれたり、励ましてくれたりするわけでない。
でも、その言葉が、心に響いた。

少し間を置いてから、質問した。

「じゃあ、オレがここでグチるのも、突き出しが枝豆だったことも、二杯目はビールをやめてハイボールを頼むのも、理由があって、必然だ、ということか。」

「そう、全部、理由があって、そうせざるを得なかった。」

ふん。
分かるような、分からないような。
でも、それが分かると、自分の中で何かが変わるような気がした。
久々に酒を飲んだからか、妙な興奮を覚えた。

ユウは、何かを言いかけて、やめたように見えた。
もしかしたら、それは、自分で見つけなければならないものなのかもしれない。
穏やかで、まっすぐな瞳が自分に向けられている。

頼もしいな。今日会えてよかった。

そう感じた。


二人とも翌日も朝から仕事なので、早めに切り上げて解散することになった。
次に会うのは2年後か、3年後か。それとも、もっと先か。
決まっていないが、いつだっていい。
会いたくなったときに連絡を取る。
そういう関係が、心地良かった。

別れ際に、ユウが一言、こう言った。
「迷ったときは、気持ちがワクワクする方を選ぶといいよ」


一人で改札を通り、ホームに向かうエスカレーターに乗った。エスカレーターの手すりに手を置いた瞬間、ハッとした。

手すりに手を置くことにも、理由があった。

そう感じたのだ。

酔っている体を少しでも安定させようと、手すりに手を置いた。
ただそれだけの行為だが、理由があったから、そうしたんだ。

エスカレーターを降りて、歩を進める。
一歩、一歩に、理由があることが分かる。
家に帰るために、電車のホームに向かうために、足を動かしているんだ。

理由がある。

ホームで少し待っていると電車が到着した。
車内は込み合っていた。

電車の中で、ドアにもたれて立っていた。
電車の揺れが急に大きくなり、乗客たちが進行方向に向かって右側に波打った。そのとき、自分の傍に立っていた女性が、近くの男性に、小さく、すみません、と言った。
足を踏んでしまったようだ。

眼鏡をかけた、中年の男性は、不服そうな表情で女性をチラッと見て、舌打ちをした。

その男性の仕草を見ながら、また、感じた。

理由があるんだ。

その男性の仕草や表情は、ただこの瞬間だけでなく、彼の人生全てを通した理由があって、現れているんだ。
彼は、これまでの人生で得た経験や、今の気分から、このタイミングでは、その表情をすることが決まっていた。
それ以外のことは、できない。
必然だった。

男性の感情や気分が自分の中に流れ込んでくるような感覚だった。
彼は、そうすることしかできなかったんだ。
彼に他の選択肢はなかった。

傍で見た自分が、そんなことぐらい許してあげればいいのに、と考えたところで、それはできないことなのだ。
彼の人生が、そうさせないのだ。


そして、そのような思考をしている自分のことを考えた。

自分も、今、このようなことを考えることしかできない。他の選択肢は無いのだ。今、ここでこうしていることには、完全に理由がある。

全ての行動には、理由がある。必然。

それしかできないようになっている。


家の最寄り駅に到着し、歩いて家に向かった。
その間も自分の行動を分析してみた。
思考も分析した。

どの行動にも、どの思考にも、理由があった。

そして気付いた。

自分が恋人を作らないことも、転職せず仕事を続けていることも、休みの日に映画を観に行くことも、全部、自分の中に理由があった。

それは、自分が過ごしている快適な環境から出ることを恐れている、という理由。

人と深く関わって傷つくことや、面倒になることを避け、新しい環境に挑戦する勇気を持たず、それでいて、何もしない自分は認めたくなく、何かをし続けようとする。

全部、自分の中に理由がある。
生まれてから、今までに積み重なってきた経験によって、それしかできないようになっている。

プログラミングされている。だから、理由があり、全て必然だ。

こういうことだったんだ。


上司や客も同じで、今までに積み重なってきた経験で、それしかできないようにプログラミングされて、行動している。

ただ、それだけなんだ。


思考をよく観察すると、その出所がある気がした。
言語になる前の、何らかの感覚が訪れて、その後、言語化し、行動している。
この、何らかの感覚は何だろう。


結局、そのとおりにしか動けない。

全ての行動には理由があり、また、全部決まっている。

つまり、全ては自分次第。


もう、逃げない方がいいな。
人のせいや環境のせいにして、自分では何もしていない生き方をしていた気がした。
今まで、自分に起こったことが自分の行動を決定させていて、自分の意思では動いているのではない。

そんな生き方は終わりにしよう。

では、どうするのが良いのか?


ユウの別れ際の言葉を思い出した。

「迷ったときは、気持ちがワクワクする方を選ぶといいよ」

さあ、オレは何にワクワクするのだろう。
そこに向かって進んでみよう。

夜空を見上げて、そう思った。

ブブブッ。
スマホが震えた。
見ると、ユウからのショートメッセージだった。

「すべては愛からだよ 」


いやいやいや、まだそこまで分かんねーよ。
…でも、いつか、そう思えたらいいかもな。

もう一度、夜空を見上げた。

いつもより星が多く見える気がした。



自分で決めていると思っていることが、実は、自分では決めているのではない。
今までの経験が体や脳に刻み込まれて、それが次の思考や行動を決めているだけ。

だから、全ての行動一つひとつに、理由があって、そうしないわけにはいかないようになっている。

人の人生は、詰まるところそういうものなのかもしれません。

でも、それ自体は悪いものでもないと思っています。
なぜなら、そこには、いつも、愛があるから。

他者への愛の表現として、優しくすることもあるし、怒ることもあります。
社会への愛の表現として、憤ることもあるし、悲しむこともあります。
自分への愛の表現として、人を攻撃することもあります。

見方を変えると、どんな行動も、その大本には「大切にしたい何か」があって、人は皆、それを守るために動いています。

それが時には、他者への批判になることもあるかもしれません。

許しにくいことであるかもしれないけど、「その人は、大切にしたい何かのために、そうするしかなかった」ということなんです。

だから、そこには、愛があるんです。

表現が未熟かもしれない。表現が間違えているかもしれない。

子どもが、親に構ってほしくて、わざと悪戯をすることもあります。
それと同じようなもので、「根本的な目的」があるんです。

そう考えると、宇宙は、愛に満ちている。

なんて、考える人間がいてもいいでしょ?😁

フィクションです😊


最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨✨✨

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