マガジンのカバー画像

思想家の休日

1,384
運営しているクリエイター

#闊歩

言葉

言葉

かさばった心の後ろ姿、忘我にまどろむ宇宙の進路、ハイエナたちの傷を撫でる雨の畜生、遊覧船を食べてしまったシロナガスクジラ、凡庸な焦土を歩くアンバランスな少女、人体模型が覗く天体望遠鏡、実感すらもなく、突然崩壊する家族、天変地異を食べて大きくなる神と、雪原を歩くヘラジカの群れ、リンクする苦悩から解き放たれ、可能世界へと旅立っていく不自然な二人、提携形態を恨む執拗な老人や、接合される動機付けに苦しむ少

もっとみる
エゴ

エゴ

闇を引き裂く大きな爪たる私の衝動、世界は、ここにあると、うるさく付きまとうカラス、掃き溜めを泳ぐ猿や、ティーンネイジャーの終わり、カトプレパスがうごめく砂漠の街、輪廻転生を折り曲げて作ったモニュメント、アスファルトに張り付く動機、隣接する憂鬱を化合物で混ぜて、作られた錠剤が降る夜、毎日の責任なんて、簡単に消費して、運命的な出会いに昇天して、濫りに与えられたエゴにより、損なわれていく愛や、すり替えら

もっとみる
祝福

祝福

絶対的なものほど、不潔であるし、あらゆる論理は、権化のようなものを抱えては、自らが携えた罪に苦しむ。感情の濁流で溺れている君を、模倣する神、粛清の雨や、君の悠遠、あらがう普遍性や、窮屈な過去、枯渇するだけの資源や、安易な刺激により、妨げられる意図、集約される秘密な、蓄積される痛みや猜疑心、疑心暗鬼や、曖昧な切除、度重なる祝福や、複製される悲しみの再現性、誓約書を引き裂いて、悲観するだけの観点を観測

もっとみる
荒廃

荒廃

憎しみばかりを吸い込んだ枷を引き摺る老人、衰亡した都市やら帝国やらの残骸、溶けた衣服やら、混濁する意識、擦り寄る過程や、利己的な切除を繰り返す医師たちの奴隷たる国家の存亡がセオリーになった小説の角を曲がり、眼前に広がる意味に組み込まれた一貫性もない、井蛙な連中のリビドーがフランチャイズ化され、過信ばかりを溜め込む古びた進化論者が、またまた新たな枷を意思なんかに嵌め込んでは、途端に混濁しては、現れる

もっとみる
縋る

縋る

すがる君たちの枷を外し、すり替えられた価値や、偽物の希望を打ち砕くためのハンマーを用いて、ユニークに変革させるための勇気を持ち、疑うべきではなく、すべては、叶うものであり、敵わぬものなどないのであり、人ひとりが保つ力というものは、凄まじく強力なものであり、ひとりひとりに、宇宙とは、存在するのである、と、矮星がカタルシスに至るまでに訪れる、星と星との距離を埋めるための、暗黒物質とは、単なる愛であるこ

もっとみる
加速

加速

私たちは、孤独なんかではなく、すべてとひとつであることを、決して忘れてはいけなくて、ただひたすらに、敷衍していくしあわせのようなものが、愛を次々に波及させ、たび重なる波は、君を押し上げたり、引き込んだり、揺らいだり、うごめいたりしながら、和んたり、嗜んだりしながら、確かめる行為で、誰かを足したり引いたりしている恋人たちのとなりでは、諦めるではなく、受け入れて進むしかなく、と、語りかける凡庸な哲学者

もっとみる
光景

光景

自らが産まれた途端に、宇宙とは、生まれたのであり、自己が押し広げられ、拡がり続け、あたかも、そこにあるかのように、観測される宇宙、その外側なんてものは、認識できないのだから、そこには、何があるわけでも、何がないわけでもなく、認識されない限りは、そこに有無はなく、ただ、ひたすらに、感知されたい、と、願うような、強烈な、承認欲求のようなものを吐き出す、巨大な力が、今にシナリオを築き、今に意味を与え続け

もっとみる
佇む

佇む

瞳孔を舐め回す蝿の王、堕落した主観から生える毒キノコ、脳幹を走り回る拒食症の犬、胃袋という亜空間で加速していく時代的な躁鬱、渋滞した観念が白痴になって、スベスベした現代から現れる奇跡のようなもの、即座に行方をくらまし、強迫的な何かから秩序なんてものを、利己的に取り除いて、狡猾な理想が過食症になり、コントロールされている脳内の端数、犠牲的な初夏から派生していく色彩、おだやかな恋の隙間、ムヒを塗った肌

もっとみる
成功

成功

焦燥感を仰ぐ、アリスの世界の中での白ウサギとの対峙により、テナーで軽やかに歌い上げる小鳥たち、厄災を抱えた蛇たちの高尚さなどを謳う、原理主義的な主観により、いまだに過去の罪を引きずる過ちの最中、刷新され続ける瞬間の中で、事実とは、あいまいなままに、今に意味などを求めながら、さらなる過ちを引きずる世界との別れ、保持する意味や瀕する価値、引き合いに出された言葉の中で、手懐けられるだけの瞬間や理念、迎合

もっとみる
波形

波形

馬鹿が権利を主張するから、私たちは、未だに、狭い土地で暮らしているのだ、と、君たちが、権利を主張するから、どんどん暮らしは醜くなって、誰かや何かを憎むことでしか、生きた心地もしなくなって、麻痺していく精神は、誰かの血を啜りながら、なんとか生き延びて、観点すら失って、何を憎んでいるかすらも忘れて、純粋な暴力性に支配されることにより、痺れる大脳や、たび重なるエゴにより、消費されていくだけの関連性や、意

もっとみる
思いの枷

思いの枷

今思えば、今までの、苦しみも、乗り越えられるものばかりであったし、今の苦しみも、繰り返し訪れては、今に波及し、次々に襲いかかる過ちも、怠惰なサクリファイスとして、高次元に送られ、違う宇宙では、喜びに変化し、結ばれていく意識が、エクスタシーに至り、絶え間ない快楽が、今に循環し、執着する者たちの戦争の鼓動、あらゆる孤独を変換させるための余韻が昇華し、高揚する主観から生まれた動機が、あらゆる苦しみを強要

もっとみる
戯れ

戯れ

怒りにかまけて老けてしまった意識の末路にまでダイブして、シンクロニシティか何かの屍が、野原で転がる聖人の遊歩道、新しい日々なんてくるから、もっと憎しみが増す云々と、自分のジメジメとした思いまでも、世界に孕ませようなど、と、目論む間にも、行方をくらませ、空腹を癒すだけの、惰性な日々の末端、接続される愛や、配布される退屈な理念や、復唱される動機や、不吉な論理が培ってきた、ニセモノのモラルがなんだと、嘯

もっとみる
応答

応答

私は、誰よりも、何よりも静か、だ。あらゆる悲劇を投函する、ポストたる身体を揺らしながら、対比や、否定を繰り返すだけの、君たちの猜疑心や、疑心暗鬼や、あいまいな理想や、帰巣本能や、飢渇や期待感、孕んだ罪や、ランダムな約束、満ち足りない昨日や、祝福を謳う奴隷的な主観が謳う正義による犠牲、晴天を汚すための呪詛や、空腹を埋めるための戦争、あらゆる奇跡を保つための類似品、貧寒な理想や、理性すらもなくなり、こ

もっとみる
意思の切除

意思の切除

夜が近づき、身体は軽い。流動していく真実や、流出していく過去、公園でまどろむ母と子たち、現れる本質や、重度の過ち、常用されるだけの真理の質量、見えない枷、噴き上げられる言葉の浸水、機械的な汗を流す高尚な哲学者のロボット、現実味を失った、アリス症候群に罹った虫たちの暴徒、カラメルソースで描いた文字の羅列を追った先には、物理的なものが反応しない次元での、雨雲に掴まり、高遠な余地に響く、感傷的な過ちと虚

もっとみる