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読書

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2020年8月の記事一覧

『アニバーサリー』窪美澄著を読んで考える未来のこと

この著者の作品は数冊読んだことがあるが、今回の長編は考えさせられることが多かった。

物語は東日本大震災の頃に子を産む主人公真菜と、お節介なマタニティスイミングの先生晶子を中心に描かれる。美人料理研究家の母を持つ真菜は灯りのついた家で自分を待ってくれるお母さんがいる家庭に生まれたかった。母の活躍と比例して増える夫婦喧嘩から逃れるように援助交際を重ねる。カメラマンになって、雇い主に恋し捨てられた後に

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セネカの『生の短さについて』を読んでドラム式洗濯機を買いました。

セネカの『生の短さについて』を読んでドラム式洗濯機を買いました。

ごきげんママ♡は大体1日8時間くらい寝ると快調に過ごせます。1日の3分の1ですね!人生90年としたら30年も寝ることになると思うともったいない気もしますが。

その起きている貴重な時間のうち、毎日39分を節約できると家電量販店で大きく宣伝されていたのが今や市民権を得てきたドラム式洗濯機。

少し前から気になっていたのですが縦型洗濯機が元気に動いているのでなかなか踏み切れませんでした。でも長い梅雨の

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100円で買える楽しみ

100円で買える楽しみ

毎週水曜日はピアノのレッスンの日。ハノンとツェルニーとショパンのワルツを今習っています。特に楽しいのが意外なことにツェルニーです。基礎練習でありながら曲としても成立している。子どもの頃は訳もわからず棒読みのように弾いていましたが、今の先生に教わると奥深い上によく練習?するので結構進むのです。ハノンは役に立つし大切ですが残念ながら単調、ショパンは難しすぎて気が遠くなります。この曲がうっとりするように

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『勝間式超ロジカル家事』

『勝間式超ロジカル家事』

いつもと違うお盆休み、家事とは切り離せない生活が続いています。家事ってどこまで指すのでしょうか?例えば玄関の靴を揃えるのとか、お手洗いのトイレットペーパーを切らさないようにするとか、洗面所をきれいに保つとか、一人一人がちょっと気をつけるだけでその場でそのとき済むことも溜まると家事という名前がついたりします。そして生きている限り付き纏う厄介なものです。

そこで恐ろしく頭の回転が早くてしかもとっても

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『読書の技法』(佐藤優著)のトリビア

『読書の技法』(佐藤優著)のトリビア

noteの中には読書が趣味の人が大勢いらっしゃると思いますが、月平均300冊読むとはそれだけでも驚きではないでしょうか。この超人的な読書法、気にならないはずもなくさっそく読んでみました。

なんと献本月100冊ほど全ページ目を通し、新刊70から80冊。そして古本は120冊から130冊を全部読まれるそうです。そのうちの熟読は4,5冊で、あとは速読。どんな本が栄えある熟読に選ばれるのか気になるところで

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村上ラヂオ2『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』を読んでnoteの目標が定まった。

村上ラヂオ2『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』を読んでnoteの目標が定まった。

のっけから大胆な発言ではありますが、ごきげんママ♡はこの本を読んで、私が書きたかったのはこんな文章だ!と思いました。村上春樹さんのファンの方にはもちろん、そうでない方にも不遜な発言をすることにお詫びしたいと思います。でも、言論の自由、ということでお許しください。

村上春樹さんの小説といえば『ノルウェーの森』。歳がバレるのであまり書きたくないですが二十歳過ぎの頃に出されました。赤と緑の上下巻の名著

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田辺聖子さんの『残花亭日暦』を読んでまた人生の楽しみが増えた

田辺聖子さんの『残花亭日暦』を読んでまた人生の楽しみが増えた

しばらく手にしていなかった田辺聖子さんの、日記形式のエッセイを読みだすと止まりませんでした。どなたかが「小説やエッセイを読むのは消費でビジネス書を読むことは投資だ!」と書かれているのを見てなんともったいないことよ、と思ったのを思い出しました。魂のこもった著作に触れることはどれほど人生を豊かにしてくれることでしょう。軽く異議を申し立てたい気分です。

この日記は2001年6月に始まり翌年2月まで、仲

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