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2019年6月の記事一覧
『今夜もカネで解決だ』 ジェーン・スー
私は疲れていた。そんな時に本屋で買ったエッセイは失敗で読むのをやめた。図書館へきて小説の棚を巡回する。今の私には読めそうもない。本棚の間をさすらって出会ったのがこれ。ああ、ジェーン・スーさんなら。しかもこの本なら今の私にぴったり。
『今夜もカネで解決だ』なんて豪儀なタイトル。これは"マッサージ・ジャンキー" ジェーンさんのマッサージ巡り体験記。すべての体験記には時間と費用が書いてあり(30分29
『愛なき世界』 三浦しをん
道端のお花に「わぁかわいいわね」と心の中で語りかけるくらいには植物が好きだが、昔理科で習ったような気孔やメンデルの法則なんかに全然興味はない。でもそういうことまでひっくるめて植物にときめいて研究をしている人たちが集うT大松田研究室が今回の舞台。近所の美味しい古びた洋食屋さんの藤丸くんが出前のついでに、この世界に足を踏み入れる。
辞書や駅伝、文楽、林業、同人誌と、決して超メジャーではないけれど驚異
『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』 村上春樹
読んだことのあるエッセイが入っていた。大学生の頃、ananに連載されていたらしいから、何かの特集で買ったときに読んだんだろう。そんな再会もあるんだな。発行は2011年。
村上春樹のエッセイを積極的に読んだことがなかったが、Twitterで「村上春樹のつぶやき」というエッセイの一文を紹介するようなbotをフォローしていて、読んでみたいと思ったのだ。軽快だし、着眼点が私とは違って面白い。ギリシアとか
『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』 ちきりん
リノベする予定も、家を買う予定も、引っ越す予定もない。でもなぜこの本を読んだかと言えば、Twitterでちきりんさんが、「スーツケースを広げるために玄関の土足スペースを増やした」というリノベの話を書いていたからだ。まあ!なんて便利!それいい!!と思ったのだ。私は、駅はじめ、近所の道など外界を転がってきたスーツケースを家の中に上げるのに抵抗がある。
ちきりんさんが20年住むマンションをリノベする話
『読みたいことを、書けばいい。』 田中泰延
私は田中さんのことをあんまり知らない。電通で24年間コピーライターをしていたけれど辞めて文章を書いているらしい。今年4月、彼による伊藤若冲展のRetweet記事を読んで、有給をとって福島まで若冲展を見に行って、それから本人のTwitterをフォローしている。
ぷっ、と吹き出すようなゆるい例が織り込まれた文章の書き方の本。字も大きいしサクサク読めるのだが、とてつもない智恵というか熱量というか尋常な
『ちひろさん 9巻』安田弘之
私としたことが。昨年末に発売されているのを知らなかった。私が一番大切に思っている漫画なのに。まあいい。いきなり読んでいない『ちひろさん』が私の人生に現れたのだから。僥倖なことにかわりはない。
元風俗嬢で、今は海辺の街のおいしいお弁当屋さんで働くちひろさん。彼女は人に合わせたりしないし、その場しのぎのことを言ったりもしない。風変わりに見られるけれど、実はみんなちょっと羨ましくもなってしまうような人
『マーケット感覚を身につけよう』 ちきりん
マーケット感覚?どういうこと?それがあると生き残れてお金も稼げるっぽい、じゃ読んでみよう!ということで読んでみた。
「はじめに」によると"マーケット感覚"と対になるのが"論理的思考"だそう。“思考”と“感覚”は何となく逆な気がするけれど今ひとつわかんないなと思って本編へ。最初に出てきた例で引き込まれる。「ANAの競合は?」まず最初に思い浮かぶのはJAL、British Airways、LCCなん
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』西口一希
なんて鮮やかで気持ちがよくなる本。「従業員や部下に夢を見させることができる」というのは良い社長や上司の必須条件だと思う。もちろんそれが地に足がついていて実績を伴わないと意味がないのだけど。この本は「その仮説が当たって、商品がヒットしたらさぞかし楽しいだろうなーーー!」という具体的な成功事例が随所に盛り込まれていて、サラリーマン立志伝やっちゃう?みたいな気分にならないこともない。
仕事で丸投げ無茶
『カフェノナマエ』川口葉子
もしも世界からカフェがなくなったら。多分私は病む。私は昼休みにお弁当を食べて、その後カフェに行くことを日課にしている。ずっと会社の中にいるのがいやだから。ちょっとでもいい、外に出たい。毎日数百円の出費だが、メンタルの健康のための必要経費である。お昼休みでなくても、がんばった後に、やっとやってきた金曜の朝に甘いラテで自分をねぎらうこともあるし、待ち合わせまで時間をつぶしたり、家では集中できない考え事
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