見出し画像

#218 管理職は「職場のグリーンキーパー」たるべき!?

グーグルが自社の従業員の調査、分析から、発見した「効果的なチームに固有の力学」を読んで思ったことをメモ。


1、効果的なチームに固有の5つの力学

グーグルは「働く」をもっと良いものに。というコピー(?)でGoogle re:Work(リワーク)というウェブサイトで、グーグルをはじめとするさまざまな組織の働き方の先進事例、研究、アイディアを集めて公開しています。

その中から今回は「効果的なチーム」の特徴を分析した『「効果的なチームとは何か」を知る』というコンテンツをご紹介したいと思います。

リサーチチームは、グーグル社内で効果的なチームの特徴を明らかにするため、複数の統計モデルを駆使して、収集した大量のデータ項目のうち何がチームの効果性に影響を与えているのかを突き止めようとしました。

その結果、リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。

つまり、チームを構成する「人」ではなくチーム内で行われている「協力の内容」が「効果的なチーム」を形作るのに重要だ、という結果です。

効果的なチームに固有の5つの因子を順に示したものが以下となります。

画像1

特に「心理的安全性」については以下のように述べられています。

Google のリサーチチームが発見した、チームの効果性が高いチームに固有の 5 つの力学のうち、圧倒的に重要なのが心理的安全性です。リサーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。

そして、チームの心理的安全性がどの程度のレベルであるかを調べる際にチームメンバーに尋ねる7つの質問を紹介しています。

1. チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
2. チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
3. チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
4. チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
5. チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
6. チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
7. チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。

また、チームの心理的安全性を高めるために個人にできる簡単な取り組みとして、次の3点を挙げています。

1. 仕事を実行の機会ではなく学習の機会と捉える。
2. 自分が間違うということを認める。
3. 好奇心を形にし、積極的に質問する。

 
2、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

心理的安全性を確保するために、「個人にできる簡単な取り組み」が紹介されていますが、「個人」では「簡単な取り組み」であっても、「メンバー全員」でやるには「難しい取り組み」と言えます。

え?うちのチームなら簡単だよ、というチームは新しいことを試してみようよ!という提案にメンバー全員がオープンだ、ということですから、すでに心理的安全性は確保されているのでしょう。

思えば、この環境を整えるのが「管理職」の仕事の8割を占めるのではないでしょうか?

なぜなら、この環境がないと仕事のアウトプットが下がるのですから。

思いつきで恐縮ですが、これってグリーンキーパーのお仕事に似てるな、と。

そうです。ゴルフ場のメンテナンスをする、あのグリーンキーパーです

あるベテラングリーンキーパーの方のインタビューの一部を引用します。

いうまでもなくコース管理で頭を悩ますのは、雨、雪、夏の暑さなど。どうにも逆らうことができない天候だけに、常に先読みをして、どんな状況に陥っても対応できるだけの、完璧なシミュレーションがされています。ものごとが起こる前にすでに対応策ができあがっていなくてはなりません。グリーンキーパーというと芝と向き合う繊細な職人ワザも求められますが、限られた時間、人数で広大な27Hを常にベストな状態に仕上げるための知恵も欠かせません。

画像2

グリーンキーパー自身は自分が整備したゴルフ場でプレーはしません。
そこでプレーヤーが気持ちよくプレーするために全ての能力を注ぎ込むのです。

「管理職」という言葉、どうにも「管理する人」みたいなニュアンスが勘違いをさせる原因かもしれません。

VUCAの時代では「職場のグリーンキーパー」と言い換えてみてもいいかもしれない、ですね。

だって、チームのアウトプットを最大化するのが「管理職」の仕事のはずですから。



最後までお読みいただきありがとうございました。

例えが飛躍しすぎたかもしれません(すいません)が、何か参考になるところがあれば嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?