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#小説
【猫と帽子の創作】我輩は猫である(300字)
吾輩は猫である。名前はまだない。
ずいぶん経ったが、未だに名前はない。
気分転換に、色々試してみることにした。
人間はよくオシャレをする。
最近だと、眼鏡か帽子だろう。
真似をしてみよう。
人間は、吾輩たちの真似をよくする。
こちらも真似をしてもいいだろう。
まず眼鏡。
悪くない。
悪くないが、耳が上にあるせいか、耳に眼鏡をかけられない。
ずっと上を向いていなければいけない。
【超短編戯曲】秋休みくん リターンズ(300字)
春休み「ああ、毎日まだ暑いのに、夏休みくんはどうして楽しそうなの?」
夏休み「それは、暑いからさ。」
冬休み「いいな、僕なんていつも寒い思いをしてるよ。」
夏休み「もっと季節をエンジョイしちゃいなよ、ウィンターヴァケーション。」
秋休み「休みがあるだけマシだよ。」
夏休み「君たち、そんなことで悩んでないで、もっと輝こうじゃないか。」
秋休み「どうして?」
夏休み「だって、太陽がまぶし
【超短編小説】もっと高く(300字)
男は街の権力者。
男は自分の土地に、街で一番高いビルを建てようとしていた。
金にものを言わせ、ついに街一番のビルは完成した。
満足気な男をよそに、街外れにはビルより高い山がそびえ立っていた。
男は面白くない。
さらに金にものを言わせ、その山より高いビルを建てようとした。
山より高いビルが完成したが、男はそのビルよりも高い所にある雲が気に食わなかった。
男はさらに金にものを言わせ、雲よ