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これぞ、新時代のベートーヴェン! 高関健/シティ・フィルの「エロイカ」

これぞ、新時代のベートーヴェン! 高関健/シティ・フィルの「エロイカ」

東京オペラシティコンサートホールで、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の定期演奏会を聴いた。

R.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」作品59、第1幕および第2幕より序奏とワルツ集
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 作品35
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

指揮:高関 健
ヴァイオリン:南 紫音

前回聴いた高関健とシティ・フィルのマーラー5番は酷評してしまった

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思い出の海外オーケストラ(3)

思い出の海外オーケストラ(3)

今までの記事はこちら。

2006年24 ザールブリュッケン放送交響楽団 (スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ)

スクロヴァチェフスキもかなり実演を聴いた。
常任指揮者を務めていた読売日本交響楽団とのブルックナーやブラームス。手兵のザールブリュッケン放送交響楽団とのベートーヴェン交響曲チクルスは、6・7番以外の3夜通った。
宇野功芳はスクロヴァチェフスキの芸風を褒めつつも「箱庭的。スケールが小

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思い出の海外オーケストラ(2)

思い出の海外オーケストラ(2)

前回の続きです。前回はこちら↓

2000年16 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 (ワレリー・ゲルギエフ)

ゲルギエフは朝比奈隆の次に多く実演を聴いた指揮者。
爪楊枝のような小さな指揮棒からダイナミックな音楽が魔法のように生まれ出すのにすっかり魅了された。
しかし、ロンドン交響楽団とのマーラーやプロコフィエフ、シマノフスキの録音を聴いてから、音楽性が野性から精緻へ変化したのを感じ取り、

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生涯思い出のコンサート

生涯思い出のコンサート

私は17歳のときからコンサートに通ってます。

初めてのコンサートは何度か書いてますが、「功芳のラストリサイタル」🤣

入口からズレてました笑

さて、数えきれないくらいコンサート行きましたね。
私は高校中退して働いていたので、10代のときもそれなりに「遊ぶ金」はあったんです笑

「飲む・打つ・買う」が男の3大趣味。

酒はそんなに飲まないし、打つのも予防接種くらい😅

チケットを買う買う買う

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外山雄三の思い出

外山雄三の思い出

先ごろ亡くなった日本の偉大なマエストロ、外山雄三の思い出を書きたい。

外山雄三を生で聴いたというクラオタは案外少ないのではないか。

N響の正指揮者ながら同じポストの尾高忠明と違って定期演奏会を振らせてもらえていなかったし、クラオタの評価は必ずしも高くなかったはずだ。

指揮者より作曲家としての評価が高い。「管弦楽のためのラプソディ」はいまも頻繁に演奏される名作だ。

日本のオーケストラが海外公

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指揮棒は魔法の杖 園田隆一郎の「ドイツ・レクイエム」

指揮棒は魔法の杖 園田隆一郎の「ドイツ・レクイエム」

横浜みなとみらいホールで、日本フィル横浜定期を聴いてきた(こっちは“本物”の感想記事です😅)。

聴いたふりして書いたニセ記事がこちら😂

気を取り直して😅💦

ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45

指揮:園田隆一郎
ソプラノ:砂川涼子
バリトン:平野和
合唱:日本フィルハーモニー協会合唱団

日本フィルハーモニー協会合唱団の高齢ぶりを見て、日本の高齢化を実感しました😅💦

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思い出の海外オーケストラ (1)

思い出の海外オーケストラ (1)

私は世界の名門オーケストラをそんなには聴いていない。ベルリン、コンセルトヘボウ、シカゴといったいわゆる一流どころだ。

そのかわり、1.5流というのか、多少お手頃価格で聴ける世界のオケはいろいろ聴いてきた。
当時の鑑賞日記を振り返りながら思い出を書いてみたい。

1997年1 ベルリン放送交響楽団 (ラファエル・フリューベリック・デ・ブルゴス)

最初の海外オケ。宇野さんの影響で前橋汀子を熱心に

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“現代のマーラー”久石譲のマーラーに感じた失望

“現代のマーラー”久石譲のマーラーに感じた失望

サントリーホールで新日本フィル定期を聴いてきた。

久石譲: Adagio for 2 Harps and Strings(世界初演新作)
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

指揮:久石譲

このコンサートはとても楽しみにしていた。私は久石さんを勝手に「現代のマーラー」と呼んでいる。作曲も指揮もする人は多いが、サロネンやスクロヴァチェフスキは「作曲もする指揮者」だし、ペンデレツキやオリヴァー・ナッ

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まるでプロミスのような山田和樹の「宝玉と勺杖」

まるでプロミスのような山田和樹の「宝玉と勺杖」

サントリーホールで日本フィル定期を聴いた。

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク ト長調 K.525
J.S.バッハ(齋藤秀雄編曲):シャコンヌ
ウォルトン:戴冠式行進曲「宝玉と勺杖」
ウォルトン:交響曲第2番

指揮:山田和樹

バーミンガム市交響楽団の首席指揮者を務め、世界的に評価の高い山田和樹。
佐渡裕の次にベルリン・フィルを振る日本人は彼だろうと勝手に思っている(大野和士や沖澤

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喋るように指揮をする人 鈴木優人/東響のメンデルスゾーン

喋るように指揮をする人 鈴木優人/東響のメンデルスゾーン

サントリーホールで東響定期を聴いてきた。

メンデルスゾーン:交響曲 第5番 ニ短調 op.107 「宗教改革」
メンデルスゾーン:交響曲 第2番 変ロ長調 op.52 「讃歌」

指揮:鈴木優人
ソプラノ:中江早希
ソプラノ:澤江衣里
テノール:櫻田亮
合唱:東響コーラス

鈴木優人を聴くのは初めて。私は天邪鬼なので流行りの人はあまり聴きたいと思わない。反田恭平、藤田真央、角野隼斗、み

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指揮者の本格 小泉和裕/神奈川フィルのブラームス

指揮者の本格 小泉和裕/神奈川フィルのブラームス

横浜みなとみらいホールで神奈川フィル定期を聴いてきた。

ベートーヴェン:交響曲第8番
ブラームス:交響曲第4番

指揮:小泉和裕(特別客演指揮者)

今日の愚痴言うぞう

愚痴が苦手な方はスルーしてね😅

感想の前に…

みらとみらいホールは2回目で前回はP席を取ったが、今回はステージのサイド席。

そしたら手すりの下に何本もワイヤーが張られてるではありませんか😵

焼肉の網みたいな落下防止

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巨匠と名匠 秋山和慶/シティフィルの「法悦の詩」

巨匠と名匠 秋山和慶/シティフィルの「法悦の詩」

オペラシティでシティフィル定期を聴いてきた。

リャードフ:交響詩「キキーモラ」作品63
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
《アンコール》
シュニトケ:ア・パガニーニから抜粋

スクリャービン:交響曲第4番 作品54「法悦の詩」

指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:周防亮介

感想の前に愚痴を…

念願の初・秋山和慶!😆

これで、今年の目標だった「小泉・外山・秋山を初聴きする」を達成!🙌

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こんなエロイカが聴きたかった! カーチュン・ウォン/日本フィル

こんなエロイカが聴きたかった! カーチュン・ウォン/日本フィル

サントリーホールで日本フィルの名曲コンサートを聴いてきた。

指揮:カーチュン・ウォン[首席客演指揮者]
ギター:村治佳織

ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
【アンコール】
村治佳織:エターナル・ファンタジア

ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》変ホ長調 op.55

このコンサートに行こうと思ったのはカーチュン・ウォンのエロイカ(英雄)が聴きたかったから。

エロイカ大好きなのだが、最近はこじ

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N響はブロムシュテットの楽器 B定期のニールセン

N響はブロムシュテットの楽器 B定期のニールセン

はじめに

サントリーホールでN響B定期を聴いてきた。

グリーグ:ピアノ協奏曲
ニールセン:交響曲第3番「広がり」

ピアノ:オリ・ムストネン
ソプラノ:盛田麻央
バリトン:青山貴
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

噂には聞いていたが、今年転倒してしまったせいで足腰が一気に弱くなったのか、以前はピンと背筋が伸びて颯爽とした風貌で指揮していたブロムシュテットがソリストやコンマス(白井圭)に腕を

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