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6/2 遊べば助かるのに 




さて、どんな男がモテるだろうか?




いきなり出てきてごめん。
誠にすいません。




僕の嫌いな恋愛工学という理論の中に「Good Genes」という概念がある。

優秀な遺伝子という意味だ。

「ルックスの良さや逞しい骨格は生まれつきのもので、誠実さよりも経済力よりも、女は本能的にそういう遺伝子を残したいと思うんだぜ!
だから男達よ、美容頑張って整形して筋トレしようぜ!」

と言われているらしい。

美容も筋トレも結構なことだ。
ヤるにはいいかもしれない。

異性に優秀な遺伝子を求める、というのはその通りだと思う。

別にマッチョじゃなくても、健康な人には惹かれる。
不健康な人の子どもを生みたいとは思わないだろうし。

健康で、頑丈で、強い体。

肌のツヤは健康の証。
大酒飲みは頑丈な体の証。
徹夜しても変わらず元気な人は強さの証。


こうした体の健康はわかりやすい。

では、心の健康は何によって測られるのだろう?


その一つに、「遊び」がある。
精神科医のウィニコットが「遊びについての精神分析」を提言したように「遊び」には心の健康に大事な要素が含まれている。


大人になると遊ぶ機会が減り、遊ぶことが下手になる。
遊ぶことが、うまく出来ない子どももいる。


遊ぶことができない人は、どこか怯えている。
雑談が苦手な人は多い。
雑談の中には言葉を使った遊びも含まれる。

遊ぶ機会が、少なくなっている。




居るのはつらいよの中で「遊び」の効果効能について書かれていて、それがとてもよかった。


…遊び人って、モテるよなぁ。
よく悪い意味で使われがちだけど、普通に遊び心のある人って一緒にいて楽しいよなぁ…

そんなことを考えてキーボードを叩いていたら変な前置きになってしまった。
モテる云々は本当はどうでもいい。




「居るのはつらいよ」読書感想文③




遊びと依存


砂場で男の子が1人で遊んでいる。

後ろのベンチには、母親が優しい顔をして座って見ている。

男の子はときどき手を止めて、後ろを振り返る。

母親が手を振る。「もう少ししたら帰ろうね」

男の子は安心し、また遊びに夢中になる。


遊びは中間で起こるのだ。
主観と客観のあわい。想像と現実のあわい。子どもと母親のあわい。

遊びは自己と他者が重なるところで行われる。

それはすなわち、人は誰かに依存して、身を預けることができたときに、遊ぶことができるということを意味している。

居るのはつらいよ



子どもは安心して砂遊びに夢中になる。

気付けば日は落ちて、ようやく砂の城が完成した。

子どもが嬉しそうな顔をして、振り返る。

気付けば公園で、ひとりぼっちになっていた。

トイレにも、木の陰にも、どこを探しても母親はいない。

長い時間、公園の中を泣きながらさまよう。

僕が遊びに夢中になったから。

僕が言うことを聞かなかったから。

僕は、僕のままでいてはいけないかったのだ。






子供の心は、いとも簡単に壊れる。



身を預けたら捨てられる。
いつまた捨てられるかわからない。
捨てられない為に、策を尽くせ。
捨てられない為に、行動せよ。
「いる」だけじゃダメだ。
何かを、しなきゃ。






遊び心を持っている人を見ると、心に余裕があるように感じる。

それは、心から安心している証拠だった。
安心して、依存して、頼っている。

心の中でおかあさんが見ている。
あの時の優しい眼差しで。

「ぼくは、このままでいいんだ」

いても、いいんだ。


心の健康は、態度に、言動に現れる。

誰かの流れ弾が飛んできても、防御力が高いから
「ええ、僕はこういう人間ですが何か?」

と言えるのだ。

遊びってのは、大事だな。

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