マガジンのカバー画像

自分との対話

42
運営しているクリエイター

#写真

星の彼

星の彼

声をかけたのは私からだ。
彼が手にしていた写真
天の川だろうか
気づいたら声をかけていた。

「素敵な写真ですね。」

顔を上げたその人は
他にもありますよ、と
おもむろにカバンから写真を取り出す。

「星に興味がおありですか?」

「星は好きです。詳しくはないですが…写真やカメラにも興味があるんです。どんなレンズを使って撮影されるのですか?」

彼は持っていたカメラを見せてくれた。
ニコンの一眼

もっとみる
なぜか読みたくなる文章

なぜか読みたくなる文章

「いいなあ、この文章」

そういう文章に出会う。

理由は何だろうか。

文のスタイル
言葉の見せ方
行間
テンポ
リズム感
情景描写
話の展開

たとえば
私は村上春樹が好きだ。
村上春樹が書く文章が好きだ。

数ある作品の中のひとつ

「使いみちのない風景」というエッセイがある。

彼が旅先で撮った写真と記憶を言葉で紡いだエッセイだ。

僕らの中に残っている幾つかの風景、
いくつかの鮮烈な風景

もっとみる
Wonderful World

Wonderful World



ずいぶんと希薄な世の中になってしまったように感じていたが

No!密 なんて言っても
案外濃密な世界にいるんだなと気づく

坂道を後ろ向きで登ってくる姿、その気持ち
共感を覚える

ふと思い立ってこの場所へ向かった理由は
何であっただろうか

ああ きっと…

この世界を確かめるためだな
と思ったある日の午後Wonderful Worldすばらしき世界

Let's go to the mountain #2

Let's go to the mountain #2

山城跡にてしばし休憩した後、山頂を目指し進んでいく。

目印があちこちにあるので迷わず進める
この目印は何故に3色?山の信号?

案内板もありがたい!
現在地を知ることでモチベーションも上がる。

電波塔 頂上近し!

何やら秘密基地みたいでカッコイイ
実はこの電波塔、7つもある!
アンテナと鉄塔好きにはおすすめスポット
だが、電磁波とか大丈夫だろうか…と心配になる

遠くには残雪の山

絶景VI

もっとみる
Let's go to the mountain #1

Let's go to the mountain #1

去る5月4日、みどりの日
ステイホームも限度がある
このままでは体が鈍ってしまう…
すでに鈍っているが、これ以上鈍らせてはならない。

そうだ、山へ行こう!
今日はみどりの日だ。

「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」という趣旨のもと、制定された日である。

天気は快晴、雨予報なし、申し分なし

ということで我が家の近くの山
「三登山(みとやま)」トレッキングへ出発

この

もっとみる
春の撮影会

春の撮影会

先週の土曜日は天候に恵まれ、春らしく、撮影会にふさわしい陽気であった。

新聞にも案内が掲載されており、撮影会場には写真撮影を求め、朝から人が押し寄せ、夕方まで盛況であった。

撮影オーダーを出す監督と腕のいいカメラマン、次から次へ訪れる人々の写真を撮っていく。撮影会場は建物の二階にあり、私は相方と共に訪れた人々を案内し、監督のオーダーをカメラマンに伝える。階段を何度往復しただろうか。
午前中だけ

もっとみる
美しい とは

美しい とは

「美しい」とは何であろうか。
と、今更ながら語源を調べてみた。
「羊」+「大」=「美」
その昔、羊は神事の際の献物として供えられており、大きいものほど価値が高く、善いものとされていた。そこから「美」という漢字が生まれ、「美しい」の意味に用いられるようになった。

つまり、大きくて立派なものが善い、
それこそが美しい
ということだ。

が、いまいちピンとこない…

大きい羊を想像してみたが
美しい…

もっとみる
ゆめうつつ

ゆめうつつ

ゆめうつつ
夢現つ
夢と現実
夢と現実の境がはっきりしないさま 

白黒つけない 
グラデーションのような時間が 
ゆめうつつ 

米津玄師さんの新曲『ゆめうつつ』を聞き
夢と現実を行き来するような
まどろみの心地よさを感じた

そして、曲の最後
「また明日」
この一言の意味をふと考える

また明日と言えるのは
明日は必ずやってくる
という前提があるから

明日が来るのは当たり前
だけど
当たり

もっとみる
うつしえ

うつしえ

noteをはじめてから写真にふれる機会が増えた。
自分もこんな素敵な写真を撮ってみたい!と思い、スマホカメラで撮り始めた。
最近のスマホカメラは高性能であるため、特別な技術も必要なく、何より手軽に撮れるのがよい。
プロやカメラが趣味の方の写真を拝見していると、思わず羨望のため息が出てしまうこともしばしばある。
自身はまったくのド素人で、
カメラの知識もなく、機材もなく、
あるのはスマホカメラと表現

もっとみる
陰と陽と

陰と陽と

カメラを洗う
ぬるま湯の中で
泡立てたスポンジでやさしく洗う
ボタンを外して
ブラシを使って
中までゴシゴシ洗う
シャワーで流して
洗浄機の中へ入れて機械浴
消毒済んだら
いっちょう上がり!

「あと何分で上がる?」
「あと2分!」
「じゃあ、次の人、もう呼び入れていいね。」
「いいよー」

カメラを洗う?
洗えるの??
機械浴?消毒?

カメラとは写真をとるカメラであるが、
体の中、胃の中、腸の

もっとみる
空っぽ

空っぽ

予約リストにその人の名前を見つけると
もう年末だなぁと思う。

年に一回しか会わないが
インパクト大なその人とは

ズバリ年末デトックスのために病院へやって来るAさん(仮)
胃腸を空っぽにしてやって来る。

つまり胃カメラと大腸カメラをセットで受けに来る
ということである。

毎年年末に検査を受ける事がAさんにとっては恒例行事、儀式のようなものである。
普段外来にかかっているわけではないのに、先生

もっとみる
あな 穴 アナ ANA? hole!

あな 穴 アナ ANA? hole!

穴があったら入りたい?
先の見通しがたたない?
心の穴をうめたい? 

でしたらこちらの穴へどうぞ
あ、でも穴は穴でも丸見えですね
でも見通しはいいですよ
何か見えてくるかもしれないですよ
穴をうめたら穴の良さがなくなってしまいますよ

さぁ、穴の前へ行きましょう
穴の前で対話してみましょう

ほら、何か見えてくるでしょう
ほら、あなたの前は開けているでしょう
ゼロからはじめましょう

それでいい

もっとみる
「メメント・モリ」 死を想え

「メメント・モリ」 死を想え

一枚の写真がある。
真ん中に映るおばあちゃんを家族が囲む団らんの風景。
現像した時、驚いた。
無数の発光体がシャボン玉のようにちらばっていたのである。
しかし、不自然さはなく、発光体によって穏やかな雰囲気をかもしだしていた。

数日後、おばあちゃんは亡くなった。

おばあちゃんは私の祖母ではない。
当時私が受け持っていた患者さんである。
今から10年以上前、看護師としてはまだまだ新人の頃である。

もっとみる