#インナーチャイルド
【毒親連載小説#35】海外渡航前のこと 3
すでに以前の
「母とわたし」「父とわたし」
の章で書いた通り、
私の両親は
身体的虐待や精神的虐待、
子供に全くの無関心の毒親で、
親からは大学費用も
放棄されてしまっていた。
当時、大学の学費は
大学が保証人となり
ローンを組んでなんとかしのいでいた。
そんなこともあり、
当然ながら留学費用も自分で
捻出するほかなかった。
今の私ができること。
それは、少しでも
時給の高いアルバイトを
【毒親連載小説#33】海外渡航前のこと 1
このように
私が成人した頃には
生まれ育った家庭はもちろん
また、日本という国にも
なにひとつ未練などなかった。
かといってこの先、
将来どうしたらよいのかも
分からずにいた。
そんな私が祖国である韓国に
自分の居場所を見出そうと
一縷の望みを持つようなったのは
自然の流れだったのかもしれない。
その望みは、強い願望となり
それはすぐに私の目の前に
とある「チャンス」として訪れた。
大学3
【毒親連載小説 #26】気づけない父のモラハラ 1
母はストレートに
怒りをぶちまける人だったのに対し、
父は巧妙な手口で私や兄弟を洗脳し、
見えないところでコントロールする
ような人だった。
それは「皮肉や嘲笑」
という見えづらい一瞬の否定。
時折、言い放つ
緩やかな脅し文句。
そうやって、
相手の様子を見ながら
罪悪感を植え付け、
人の感情を巧妙に操り
コントロールする。
そんなある種の狡猾さを
持っていた。
私が高校ぐらいの頃から、
【毒親連載小説 #22】父とわたし 3
父が私の元に突然やってきて
「今、経済状態がよくない」。
そう一言切り出し、
あれこれとごちゃごちゃと
言いくるめられた。
そして当時、貯めていた
アルバイト代20万円を全て
持って行かれてしまった。
私はこの家で世話になっている以上、
父の要求に応じるほかなかった。
また、拒絶できる理由も
拒絶するという選択肢もなかった。
私は黙ってそのお金を
差し出すほかなかったが、
なんだか釈然とし
【毒親連載小説 #7】母とわたし⑤
また、
ひとたび夫婦喧嘩が始まり
怒声・罵声だけでは
怒りの収まらない母は、
家にあるお皿を次々と割り、
怒りをあらわにする。
お皿の割れるその不快な音に
私はずっと耳を塞ぎ続ける…。
翌朝、
粉々になったお皿の破片が
床一面に飛び散っているのを見ると、
朝から最悪な気分だった。
そんな日は決まって
母は私たちのお弁当は用意しない。
その代わりに小銭を投げつけられる。
その小銭で朝ごはん
【毒親連載小説 #12】母とわたし⑩
両親の夫婦喧嘩が
日常的に行われると同時に、
母の酒量もどんどんと増え、
完全にお酒に呑まれることが増えた。
ある時は母は完全に目が据わり、
取り憑かれたように激しく怒鳴り続け、
わけのわからないことをわめき続けていた。
そして、突然、
吐き気をもよおしたのか
倒れこむかのようにトイレに駆け込み、
トイレで呻きながら吐き続ける。
吐き続けているあいだ、
ずっと聞こえてくる母の不気味な呻き声。