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【毒親連載私小説】ほどけない糸

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#インナーチャイルド

【毒親連載小説#36】海外渡航前のこと 4

【毒親連載小説#36】海外渡航前のこと 4

その人物とは、
私のアルバイト先のコールセンターで
コンサルティングを担当していたS社長。

後からSさんから聞いた話だが、
彼はアメリカでトレーダーをしていたり
イタリアのシチリア島でマグロを釣り
築地に卸すまでの全ての工程を
ビジネスにしていたという
今こうして書いてみても
ビックリ仰天の人物だった。

私が働いていたのは
国際電話対応のコールセンターで
英語、韓国語、中国語などの
様々な言語

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【毒親連載小説#35】海外渡航前のこと 3

【毒親連載小説#35】海外渡航前のこと 3

すでに以前の
「母とわたし」「父とわたし」
の章で書いた通り、
私の両親は
身体的虐待や精神的虐待、
子供に全くの無関心の毒親で、
親からは大学費用も
放棄されてしまっていた。

当時、大学の学費は
大学が保証人となり
ローンを組んでなんとかしのいでいた。

そんなこともあり、
当然ながら留学費用も自分で
捻出するほかなかった。

今の私ができること。

それは、少しでも
時給の高いアルバイトを

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【毒親連載小説#33】海外渡航前のこと 1

【毒親連載小説#33】海外渡航前のこと 1

このように
私が成人した頃には
生まれ育った家庭はもちろん
また、日本という国にも
なにひとつ未練などなかった。

かといってこの先、
将来どうしたらよいのかも
分からずにいた。

そんな私が祖国である韓国に
自分の居場所を見出そうと
一縷の望みを持つようなったのは
自然の流れだったのかもしれない。

その望みは、強い願望となり
それはすぐに私の目の前に
とある「チャンス」として訪れた。

大学3

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【毒親連載小説 #26】気づけない父のモラハラ 1

【毒親連載小説 #26】気づけない父のモラハラ 1

母はストレートに
怒りをぶちまける人だったのに対し、
父は巧妙な手口で私や兄弟を洗脳し、
見えないところでコントロールする
ような人だった。

それは「皮肉や嘲笑」
という見えづらい一瞬の否定。

時折、言い放つ
緩やかな脅し文句。

そうやって、
相手の様子を見ながら
罪悪感を植え付け、
人の感情を巧妙に操り
コントロールする。

そんなある種の狡猾さを
持っていた。

私が高校ぐらいの頃から、

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【毒親連載小説 #23】父とわたし 4

【毒親連載小説 #23】父とわたし 4

私はこの頃、自分の進路を
親や兄弟、誰にも相談できず、
ひとり悶々と悩んでいた。

私が通っていたのは
民族学校だったので、
高校卒業後、
日本社会で就職をするのか?

それはどのような方法でするのか?

それとも、
日本の大学へ進学するのか?
いや、そもそも、私は
何をしたいのだろうか?

私はどうしたらよいのか
全くわからずにいた。

両親は学歴もなかったし、
毎日のように夫婦喧嘩ばかりして

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【毒親連載小説 #22】父とわたし 3

【毒親連載小説 #22】父とわたし 3

父が私の元に突然やってきて
「今、経済状態がよくない」。
そう一言切り出し、
あれこれとごちゃごちゃと
言いくるめられた。

そして当時、貯めていた
アルバイト代20万円を全て
持って行かれてしまった。

私はこの家で世話になっている以上、
父の要求に応じるほかなかった。

また、拒絶できる理由も
拒絶するという選択肢もなかった。

私は黙ってそのお金を
差し出すほかなかったが、
なんだか釈然とし

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【毒親連載小説 #20】父とわたし 1

【毒親連載小説 #20】父とわたし 1

あの頃の父…。

私が父との記憶をさかのぼると、
それは小学校に辿り着く。

あの頃の父の印象は、
怒りの塊だった母とは対照的で、
物静かで優しい印象だった。

そんなこともあってか、
もともと私にとって父の存在とは、
心の拠り所だった。

また、この頃、
父が営んでいた商売も
うまくいっていたようで、
私たち兄弟は私立の幼稚園に通い、
小中高と民族教育を受けさせてもらった。

幼い頃、私は母と二

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【毒親連載小説 #19】母とわたし 17

【毒親連載小説 #19】母とわたし 17

ここまで、こうしてひとつひとつの
場面を思い出しながら執筆をしていると、
私はなぜだかたびたび強い眠気に襲われ
執筆を中断することが増えてきた。

他にも色んなシーンを
書き出そうとするたびに、
ずっと閉じ続けてきた「感情の扉」が
突然バーンと開いてしまい、
当時のリアルな感覚がよみがえり、
ただわけも分からず苦しくなり
真夜中に一人、むせび泣いていた。

このような状態に陥り、
執筆がなかなか進

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【毒親連載小説 #18】母とわたし 16

【毒親連載小説 #18】母とわたし 16

他にもうっかり
お味噌汁をこぼした瞬間に
バチーンと平手打ちをされたり、
私が失敗すると
容赦ない体罰が待っていた。

それは痛みというムチ与えることで、
私をコントロールする方法だった。

こんな風に母は、
弱くて抵抗のできない幼い私を、
まるで虫けらや畜生かのように
扱われてきた。

密室で誰も見ていないからと
こんな仕打ちをしておきながら、
自分がやったことはまるで
何もなかったことにかき消

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【毒親連載小説 #17】母とわたし 15

【毒親連載小説 #17】母とわたし 15

また、ある日の夜のことだった。

私はその日、母とお風呂に入っていた。

私は母とお風呂に入るのが本当に嫌だった。
なぜなら母は、いつも面倒くさそうに
そして、知ってか知らずか?
わざと乱暴に私の顔にめがけて
シャワーをかけ続けることがしばしばあった。

毎回、私はこの狭い浴室で
逃げることも抵抗することもできず、
この密室で、黙って母の陰湿ないじめも
されるがままにいた。

その日は特に母の機嫌

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【毒親連載小説 #7】母とわたし⑤

【毒親連載小説 #7】母とわたし⑤

また、
ひとたび夫婦喧嘩が始まり
怒声・罵声だけでは
怒りの収まらない母は、
家にあるお皿を次々と割り、
怒りをあらわにする。

お皿の割れるその不快な音に
私はずっと耳を塞ぎ続ける…。

翌朝、
粉々になったお皿の破片が
床一面に飛び散っているのを見ると、
朝から最悪な気分だった。

そんな日は決まって
母は私たちのお弁当は用意しない。

その代わりに小銭を投げつけられる。

その小銭で朝ごはん

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【毒親連載小説 #13】母とわたし 11

【毒親連載小説 #13】母とわたし 11

私の家庭内は両親の間で色んなことが
複雑に絡み合い過ぎていて、
その状態のまま何十年も経過している。

時間が長ければ長いほど、
この問題の根っこが果たして
どこにあるのか?

両親の絡まり過ぎた糸を
私たちが必死にほどこうと
すればするほど、
より複雑に絡まる一方で、
問題の本質はどんどんと
深い闇へと葬り去られるようだった。

私の家庭は理不尽なことばかりが
ずっとまかり通っていた。

私の家

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【毒親連載小説 #12】母とわたし⑩

【毒親連載小説 #12】母とわたし⑩

両親の夫婦喧嘩が
日常的に行われると同時に、
母の酒量もどんどんと増え、
完全にお酒に呑まれることが増えた。

ある時は母は完全に目が据わり、
取り憑かれたように激しく怒鳴り続け、
わけのわからないことをわめき続けていた。

そして、突然、
吐き気をもよおしたのか
倒れこむかのようにトイレに駆け込み、
トイレで呻きながら吐き続ける。

吐き続けているあいだ、
ずっと聞こえてくる母の不気味な呻き声。

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【毒親連載小説 #8】母とわたし⑥

【毒親連載小説 #8】母とわたし⑥

私の家族円満という望みも虚しく、
両親の喧嘩は何日にも及ぶこともよくあった。

ある日の夜もまた、
あの激しい夫婦喧嘩が始まり、
父に全身で思い切り掴みかる母と、
それを振り払おうと
母の髪の毛を引っ張る父の姿があった。

ゼェゼェと荒い息を吐きながら
髪の毛を振り乱し

「殺せ!!早く殺せ!!!」

と鬼のような姿で叫び続ける母…。

「お前なんか殺す価値もない!!」

そういい返しながら、

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