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【毒親連載小説#35】海外渡航前のこと 3

すでに以前の
「母とわたし」「父とわたし」
の章で書いた通り、
私の両親は
身体的虐待や精神的虐待、
子供に全くの無関心の毒親で、
親からは大学費用も
放棄されてしまっていた。

当時、大学の学費は
大学が保証人となり
ローンを組んでなんとかしのいでいた。

そんなこともあり、
当然ながら留学費用も自分で
捻出するほかなかった。

今の私ができること。

それは、少しでも
時給の高いアルバイトを
探すことしか思いつかなかった。

私は渡りに船といった具合で
韓国語を使ったコールセンターの
アルバイトを見つけ、
すぐにそれを始めた。

当時、私が目標としていた
留学費用は100万円。

この金額は一年の学費として
適当に設定したものだったが、
とりあえずこの目標に向かって
稼ぐ必要があると思い、
必死で目の前のアルバイトに
取り組んでいた。

当時のアルバイトの時給としては
割は良かったとは思うのだが
なにせこの時は渡航わずか
留学数ヶ月前のことだったので
とてもじゃないがこの100万円に
届くはずはなかった。

すると、
私に驚くべきことが起こった。

それはアルバイト先の
とあるあしながおじさんとの
出会いだった。

(つづく)

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