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IDx | IDL magazine

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多様な背景を持つIDLメンバー(=IDLists)が、国内外のデザイントレンドや、仕事や生活するうえで日々感じているちょっとした「問い」や「気づき」を、わかりやすいストーリーとと…
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#サービスデザイン

習慣をデザインする7つのヒント:IDLのR&Dプロジェクト「Mr.Habit」 pt.1

習慣をデザインする7つのヒント:IDLのR&Dプロジェクト「Mr.Habit」 pt.1

「誰かの行動を変える」ことは、デザイナーにとって、単にイロ、モノ、カタチとして綺麗なものをつくるだけではない、他者や社会との接点をより強く持てる面白さがあると感じています。

3年ほど前、僕が所属するIDL[INFOBAHN DESIGN LAB.](以下、IDL)で実施したR&Dプロジェクト「Mr. Habit」は、「どうすれば持続的かつ自律的な行動(≒習慣)を促すことができるか?」を探る取り組

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イノベーションにおける正当性のデザインと、サービスデザインにおけるアダプション・デザイン

イノベーションにおける正当性のデザインと、サービスデザインにおけるアダプション・デザイン

また勝手なことを書きます。

ぼくたちのデザインチーム「INFOBAHN DESIGN LAB.(IDL)」では、日頃いろいろな企業・機関からご依頼を頂いて製品やサービス、そして事業そのもののデザインを支援することを生業にしています。

特にここ5年ほどは貴重なご縁に恵まれ、企業内において新規事業をつくり出す取り組み(いわゆる「企業内企業家育成プログラム」や「コーポレート・アクセラレーション・プロ

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人間中心の意味を見つめ直した一年あまり

人間中心の意味を見つめ直した一年あまり

※本文章は、2021年10月末日にHCD-Net会員向けニュースレターに寄稿したHCDコラムの転載です。

前回、コラム執筆の機会をいただいてからあっという間に1年あまりが経っていました。その間、海外のデザインカンファレンスやコミュニティイベントにいくつか参加した中で感じたことは、以前にも増して「人間性への回帰」や「従前の価値観からの転換」、そして「多様な文化理解と倫理観」といったテーマが色濃く扱

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リアルで人と会う価値について考える 「師匠」と対峙して得られる学びとは

リアルで人と会う価値について考える 「師匠」と対峙して得られる学びとは

コロナ禍により、とにかくリアルな人間同士の接触は避けるべき…といった風潮になって久しい。

「リモートで何でもできるじゃん」
「わずらわしい人付き合いから解放されてサイコー」

と声高にいう人も増え、コロナが収束した後もこのままリモートワークが定着して、働き方・生き方、そして人との会い方そのものが変わっていきそうな気配もある。

一方自分は、リモートのメリットはメリットとして享受しつつも、「人と人

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ムナーリのデザイン・アルゴリズム  みんながデザイナーになれるように

ムナーリのデザイン・アルゴリズム  みんながデザイナーになれるように

私はイタリアでデザインを学び、プロダクトデザイナーとしての経験を積み、現在はIDLでデザインエンジニアリングに取り組んでいます。イタリアのアーティストでありデザイナー、ブルーノ・ムナーリのデザインアプローチは、私がデザインプロセスを理解するための最初の足がかりのひとつであり、当時驚きをもって受け止めていました。そして、それはおよそ40年前の手法でありながら、なんと現在のデザインシーンにも応用可能で

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組織が継続的に情報を発信するために──IDx、2020年の振り返り

組織が継続的に情報を発信するために──IDx、2020年の振り返り

社会の状況が一変して、お仕事や日常生活にもいろいろな変化があった2020年。「こういうときだからこそ、デザインの可能性を発信しよう!」とスタートしたIDLのwebマガジン『IDx』でしたが、成果が上がる一方、組織としての情報発信を継続するうえで課題も見えてきました。平岡、白井のふたりの共同編集長で振り返ってみました。

社会が変容するときこそ、デザインの力が必要になる
白井:パンデミックの状況に伴

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また会えるということ

また会えるということ

今年は、思いがけずたくさんの別れを経験した。突然のステイホームがはじまり、容易に人とは会えなくなってしまったことの影響を、今になって噛み締めている。

別れは急にやってきて突然誰かがいなくなるのはショックなことだ。身近な人は当然のこと、知人の場合はあとになって聞かされることも多い。どちらにしたって、別れはいつでも突然やってきて、その一瞬から、心が動かなくなってしまう。

健康だとばかり思っていた。

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猫舌の人にたこ焼きの食べ方をエラそうに指南した結果得られたいくつかの気づき

猫舌の人にたこ焼きの食べ方をエラそうに指南した結果得られたいくつかの気づき

サービスデザインを考える人間として、
日常生活はヒントの宝庫である。
オフモードの中でつづった一編として、
ご笑覧いただけると幸いです。

熱い食べ物は、おいしいよ熱い食べ物が好きだ。
「好きな食べ物は何?」と聞かれたら、
「とにかく熱いもん」と答えるぐらい好きだ。

だから猫舌の人と一緒に食事する時、なんとも言えない表情で熱々ラーメンが冷めるのを待っている彼らを前にすると、どうにかしてあげたくな

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デザインの現在地とこれから

デザインの現在地とこれから

今回は、僕の所属するINFOBAHN DESIGN LAB. [以下、IDL]が掲げる4つの提供サービスとそれに付随する提供価値を通してデザインの現在地とこれからの展望を考えてみたいと思います。具体的にはデザインの対象を理解する上で通底する「文脈」の変化、そしてデザイン行為の「主体」の変化、この二つの変化を起点に考えてみます。

4つの提供サービスと提供価値IDLでは次の4つのサービスとそれに対応

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【転載】 「厄介な問題」に対してサービスデザインはどのように向き合うか?
ーService Design Global Conference 2019レポートー

【転載】 「厄介な問題」に対してサービスデザインはどのように向き合うか? ーService Design Global Conference 2019レポートー

所属する株式会社インフォバーンのコラムへ寄稿したものを以下に転載します。
サービスデザインが社会課題に臨む時、他のデザイン領域から何を学び、どう接続するか?サービスデザインの広がりに関して昨今のデザイントレンドも踏まえて話題提供をしています。

Service Design Global Conference 2019 今年のトピックは?
Service Design Network (SDN)が

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Post Human Center Design

Post Human Center Design

人間中心設計を基礎とするサービスデザインではありますが、良質なサービス設計をするうえで人間と機械との親和的関係性に着目することは今や不可欠のようです。2018年秋、ダブリンで開催されたService Design Global Conferenceに関して、所属する株式会社インフォバーンのコラムへ寄稿した記事を以下に転載します。

Service Design Network (SDN)が主催する

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デザインマガジン「IDx」を創刊します!

デザインマガジン「IDx」を創刊します!

はじめまして。
IDL(INFOBAHN DESIGN LAB.)所属の白井洸祐と平岡さつきです。
今日からはじまるIDLのmagazine「IDx(あいでぃーえっくす)」の共同編集長を務めます。よろしくお願いいたします。

いま、世界はめまぐるしく移り変わっています。
産業、市場の変化は日々激しく、社会そしてわたしたちの暮らしも次々とアップデートされています。また、2020年初頭、瞬く間に現代社

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