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おすすめの本一覧

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「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。ジャンル不問。
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#歴史

著…譽田亜紀子 監修…武藤康弘 イラスト…スソ アキコ『知られざる縄文ライフ』

著…譽田亜紀子 監修…武藤康弘 イラスト…スソ アキコ『知られざる縄文ライフ』

 読者の興味を引く文章やユーモラスなイラストのおかげで、漫画のような感覚で楽しく読める本。

 我々は品物や遺跡等から「縄文時代の人たちはこういう暮らしをしていた…のかな?」と想像するしかなく、実際どうだったのかは現代人には分かりません。

 しかし、その「想像する」過程が面白いです。

 この本では、

 ●縄文人はどこからやって来たか
 ●1日のタイムスケジュール
 ●ファッション
 ●子育て

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著…いずみ朔庵『財布でひも解く江戸あんない マンガで辿る江戸時代の暮らしと遊び』

著…いずみ朔庵『財布でひも解く江戸あんない マンガで辿る江戸時代の暮らしと遊び』

 登場人物たちが江戸時代にショートステイする…という、ワクワクする設定の本。

 登場人物たちは、まず、長屋でのホームステイを開始。

 生活に必要な物を借りたり買ったりしながら、江戸時代に滞在。

 銭湯へ行ったり、歌舞伎を観に行ったり、働いたりと、「お金」のやり取りを通して江戸時代の庶民の暮らしを体験します。

 よく時代劇に「一両」や「一文」といった言葉が出てきますが、「それって今の円で換算

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監修…小灘利春、河崎春美、藤田協、中川荘治、小川宣『人間魚雷 回天 命の尊さを語りかける、南溟の海に散った若者たちの真実』

監修…小灘利春、河崎春美、藤田協、中川荘治、小川宣『人間魚雷 回天 命の尊さを語りかける、南溟の海に散った若者たちの真実』

 爆薬を積んだ魚雷に人間が乗り込んで操縦しながら、敵艦に体当たりするという、狂気の特攻兵器「回天」。

 この本では、そんな回天が開発された経緯、内部の仕組み、外観、搭乗訓練の様子、搭乗員たちの顔写真、遺書が紹介されています。

 特に、搭乗員たちの顔写真を見ると胸が締め付けられます。

 みんな凛々しい若者たち。

 戦争さえ無ければみんなどんな人生を歩んでいたのだろう…と想像しながら一人ひとり

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著…村上リコ『英国メイドの日常』

著…村上リコ『英国メイドの日常』

 イギリスの文学や映画にはよくメイドさんが登場しますが、いつも脇役扱い。

 しかし、この本ではメイドさんが主役です。

 どんな手続きを経てメイドとして就職し、どんな制服を着て、どんなタイムスケジュールで働き、どのくらい収入を得て、どんな趣味や恋愛を楽しんでいたのかが、絵画、イラスト、写真で丁寧に解説しています。

 という文を読んで初めて、わたしはイギリス人作家JKローリングさんの『ハリー・ポ

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企画・編集…昭文社編集部『なるほど地図帳 平成本』

企画・編集…昭文社編集部『なるほど地図帳 平成本』

 写真・イラスト・表・文章を通して、平成という時代を振り返ることが出来る本。

 政治、経済、災害、犯罪、スポーツ、一世を風靡した有名人、ヒット商品、エンター程度作品、そしてインターネットやソーシャルメディアによる人々の価値観の変化といった様々なことが紹介されています。

 特に、はじめに掲載されている、平成元年から平成31年4月までに日本国内で起こった出来事・流行をまとめたすごろくが面白いです!

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著…池上俊一『世界史のリテラシー 少女は、なぜフランスを救えたのか ーージャンヌ・ダルクのオルレアン解放』

著…池上俊一『世界史のリテラシー 少女は、なぜフランスを救えたのか ーージャンヌ・ダルクのオルレアン解放』

 農家の少女として生まれたジャンヌ・ダルクがどんな経緯でイギリス軍と戦い、死刑に処され、そして死後どのように名誉が回復されたのかを考察している本。

 ほとんどが文章で構成されているのですが、読者に直接語りかけるような著者の語り口のおかげで、スムーズに読み進められます。

 この本を読んでいると、彼女が国内外に与えたインパクトがいかに大きかったかが窺い知れます。

 ある者にとっては救国の乙女。

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著…上田耕造『ジャンヌ・ダルク フランスに生涯をささげた少女』

著…上田耕造『ジャンヌ・ダルク フランスに生涯をささげた少女』

 そもそもなぜ英仏百年戦争が起きたのか? といった歴史的背景や、後世の人々が描いた絵画からジャンヌ・ダルクの人物像に迫ろうという本。

 残念ながら、

 ということで、人物像が非常に謎めいています。

 男装をして、短い髪だったイメージですが、おそらくそれは映画や本といった作品の中でそう描かれているから。

 実際の彼女はどんな容姿をして、どう悩み、そしてどのように戦ったのでしょうか?

 本当

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文・絵…善養寺ススム 編…江戸人文研究会『絵でみる 江戸の女子図鑑 時代小説のお供に』

文・絵…善養寺ススム 編…江戸人文研究会『絵でみる 江戸の女子図鑑 時代小説のお供に』

 庶民、武家、大奥仕え、遊女まで、江戸時代の女性たちの暮らしやファッションについて可愛らしいイラスト付きで教えてくれる本。

 前髪のアレンジ、髪の結い方、帯の結び方、櫛や簪の差し方ひとつひとつに、江戸時代の女性たちの年齢、職業などが表れていて、興味深いです。

 今後、時代劇を観たり時代小説を読む時はそういった描写の違いにも注目したいです。

 江戸中期の女性たちは願掛けのために清水の舞台から飛

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著…内田静枝『セーラー服と女学生 100年ずっと愛された、その秘密』

著…内田静枝『セーラー服と女学生 100年ずっと愛された、その秘密』

 明治時代から現代にかけての、女学生のセーラー服姿についてまとめた本。

 写真、イラストといった資料をもとに、女学生の制服が洋装へと移り変わっていった歴史を知ることが出来ます。

 和装と洋装の中間にあたる、女袴をはいた、いわゆるハイカラさんスタイルにも憧れますが、セーラー服って素敵ですよね。

 動きやすさと可愛らしさの両方を兼ね備えている感じで。

 子どもと大人の中間にあたる少女にしか似合

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著…後藤真樹『かくれキリシタン 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅』

著…後藤真樹『かくれキリシタン 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅』

 信仰とは一体何なのだろう…? と考えるきっかけをくれる本。

 かくれキリシタンだった先祖代々の信仰を今も受け継いでいる人々の姿。

 野生の鹿が闊歩している島に今も残っている教会。

 そして「マリア観音」のすがた…。

 この本を読んでいる間は、今が2023年であることを忘れてしまいます。

 キリスト教弾圧の様子をリアルタイムで目の当たりにしているような気持ちになります。

 といった壮絶

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著…田中元子『日本のコスチュームジュエリー史 1950〜2000』

著…田中元子『日本のコスチュームジュエリー史 1950〜2000』

 わたしは「コスチュームジュエリーって何?」と興味を惹かれてこの本を手に取りました。

 著者によると、コスチュームジュエリーとは、

 のことなのだそう。

 この本にはカラー写真が幾つも掲載されており、写真を眺めているだけでも楽しいです。

 また、その解説文も読み応えがあって、ファッションの歴史をじっくり堪能出来ます。

 鼈甲や銀の簪。

 金箔を貼った帯留。

 蒔絵を施した櫛。

 人

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著…エドワード・ブルック=ヒッチング 訳…藤井留美『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』

著…エドワード・ブルック=ヒッチング 訳…藤井留美『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』

 「この世」に生きる人々の大きな関心ごとの一つは、「あの世」のこと。

 この本では、国、時代、宗教の異なる人々が「あの世」をイメージして描いた絵画・彫刻・書物等が紹介されています。

 古代エジプト、古代メソポタミア、古代インドといった古いものから、近代に至るまで。

 単に美術書として眺めたとしてもそのイマジネーションの豊かさに心を揺さぶられますし、世界史の書物として読んだとしても解説文に読み

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著…トム・ジャクソン 監訳…石浦章一 訳…大森充香『歴史を変えた100の大発見 脳 心の謎に迫った偉人たち』

著…トム・ジャクソン 監訳…石浦章一 訳…大森充香『歴史を変えた100の大発見 脳 心の謎に迫った偉人たち』

 1,400gほどの脂質とタンパク質のかたまりでしか無いのに、830億個もの神経細胞と超複雑なシステムを持つ「脳」。

 これは、この不思議な「脳」にまつわる古代から現代にかけての科学者たちのエピソード100をまとめた本です。

 ●古代エジプトの医師は、頭蓋骨骨折の患者について「患部に指を突っ込むと良い」と助言した

 ●レオナルド・ダ・ヴィンチは、生きたカエルの心臓を取り除いてもしばらくは生き

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監修…大串潤児『4つの時代をタイムトラベル ④平成の図鑑』

監修…大串潤児『4つの時代をタイムトラベル ④平成の図鑑』

 平成って、つい数年前のはずなのに、あっという間に懐かしくなりましたね。

 これは平成を振り返る子ども向けの図鑑です。

 ●バブルの崩壊。

 ●介護保険制度が始まる。

 ●阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震災害といった災害が発生。

 ●ハイブリッド車や電気自動車が普及。

 ●宇宙開発が進む。

 ●ポケベルから携帯電話へ、そしてスマホの時代へ。

 ●環境問題への意識が高まり、リ

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