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「何度も読み返したい」

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何度も読み返したいみなさんのnoteをまとめています。
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#エッセイ

それでは二人組を作ってください

それでは二人組を作ってください

先に言っておく。缶ビール片手に書いている。
お酒に弱いほうではないけれど、保つべき理性は保てるタイプだけど、え〜理性なんて保たなくてよくな〜〜い????となってしまうタイプだ。だからこれはいつか消すかもしれない消さないかもしれない分からない。ほろ酔い女の戯言として流してほしい。

🕊

来年を目処に結婚を考えている恋人から、「ちょっと真面目な話があるんだけど」と持ちかけられた。姿勢を正す。

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女子高生の私が同級生と学生結婚した話

女子高生の私が同級生と学生結婚した話

数学や英語、古典といった勉強が大嫌いな私にとって、副教科は学校生活において最高の気分転換だった。

そもそも副教科のほとんどは美術で占められていた為、3年生にしてようやく始まった家庭科の授業はクラス中が楽しみにしていた。
家庭科の先生は笑顔のかわいい温和な女性で、私は彼女のことをすぐ好きになった。

家庭科室に集められた私たちに先生は言った。

「今からみなさんには結婚をしてもらいます」

皆が口

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あふれるほどの愛なんてあるかバカ

noteのアプリを開くと、左下に赤い通知の丸が光る。タップすると「◯◯さんがフォローしました」と表示される。
この人、こないだもフォローしてきてなかったか。フォロバ狙いの人か。

ああ、こっちの通知も。
この人上から順番にスキ押したんだろうな。

そういうの、その人のアカウントを見るとだいたいわかる。
釣り餌の、「スキ」。私のテキストに動かされたわけじゃない。そういうノイズが、赤い丸になって画

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女の物書きの「切り売り」問題について

女の物書きの「切り売り」問題について

8月某日

もの書きの友人が同業者の女からのつまんない嫉妬と悪口と足の引っ張り合いに巻き込まれてダメージを負ったというので代々木上原のFireKingCafeでお茶をする。
私は同業者の友達もほとんどいないし、愛想も付き合いも性格も良くしようと一ミリも思っていないので、そういうもの書き同士の嫉妬とか、善意を模したクソみたいなアドバイスに振り回されることが一切ないので楽だ。はっきり言って、さして好き

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未完の天才になるな

未完の天才になるな

私の仕事は作家のエージェント。この仕事をしていることをいうと、相手の反応はだいたい3パターンに別れる。

1つは、「なんかよくわからないですね」という反応。これは仕事の内容が一般的ではないからしょうがない。2つ目には、敵意か賞賛を向けてくるパターン。何かと残念ながら悪い意味で話題の的になりやすい業界なので、「さあてどんなもんか確かめてやりましょうか」という腹づもりで探りを入れにくる人もいる。俺はこ

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19歳の女ともだち

19歳の女ともだち

 大学に入って映画サークルで仲良くなった女の子。学部はちがくて、ミニスカートにレギンスを履いてる子で、ショートカットのシースルーバングで、私とちがってハキハキと話す子で、実は映画の話はそんなにしたことはなくて、彼女の好きな人は、同じサークルの1個上のはるま先輩(仮名)だった。

 はるま先輩ともうひとり人気のかっこいい先輩がいて、同じ学部の女の子と4人でいっしょに池袋に出かけたときの話を私はえんえ

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キナリ杯をはじめようと思った、ほんとうのこと

キナリ杯をはじめようと思った、ほんとうのこと

とりとめもないことを、とりとめもなく一度で書きます。

性格が悪かったり、とつぜん話が変わったり、よくわからなかったりする、ひとり言です。

でも、ぜんぶほんとうの話です。

おもしろい文章は、才能と自尊心キナリ杯で募ったのは「おもしろい文章」です。人が集まり、夢中になり、いい対話が巻き起こる文章です。わたしはそれを仕事にする道を選びました。

だけど、おもしろい文章なんて書かなくてもいいんです。

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【短編】ヨハンとアデルの朝

【短編】ヨハンとアデルの朝

早朝の広場で青果店の店主が腰を抜かしたとき、ヨハンとアデルはまだ目を覚ましていなかった。

青果店の店主は自分の店に向かっている途中だった。広場を横切って、アパートがひんやりと湿った影を落とす細い道を抜け、大通りを渡ったところに彼の店はあった。軒先に染みだらけの赤い幌が張ってある、街でいちばん古い青果店だった。その老人は、広場の中心を示す大きな楓の木に向かい合う形で、長椅子に浅く腰掛け、黒いステッ

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【エッセイ】世界史の女教師と文化祭のライブ

【エッセイ】世界史の女教師と文化祭のライブ

最も、記憶に残っている教師は、
高校時代の世界史の女教師だった
ヒステリックかつ、威圧的で、冷たく、
投げやり、常にイライラしていた。
当然、生徒からは嫌われている教師だった。
彼女はある日、授業中に、何の脈絡もなく、

「人間は死ぬために生きてます」

と突然に言い始めて…クラス中が、
しーん、と引いてしまった。
僕は(何を急に言い出したんだ!この教師は!)
って面白くなっちゃって、

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ねぇ、きみの嘘なんてだいたいお見通しなんだよ

ねぇ、きみの嘘なんてだいたいお見通しなんだよ

無駄なセックスをした朝は、コーラが飲みたくなる。
自嘲気味に話すと、「え、なんで」と笑われた。
本当につまらない男だな。そう思った。

今、私はいわゆる二股をしている。二人の男、どちらと恋仲になるか天秤にかけているのだ。

一人は、メーカーで働く優しい男。
もう一人は、テレビ業界で働く面白い男。

前者を「あんしんくん」、後者を「おもしろくん」とニックネームをつけるようになっていた。

神様はきっ

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読みたいことを書いた結果は自分へのエールだった

読みたいことを書いた結果は自分へのエールだった

もう2年前のことになるが、文章を書けるようになりたくて、ライティング講座を受けはじめた。

2017年8月から4か月間は、毎週2000字程度、少し休んで、2018年の3月から6か月間は毎週5000字程度を課題として提出していた。
乏しいボキャブラリーも薄い記憶も雑巾絞りにして、毎週毎週何かをひねり出しては、課題提出に勤しんでいた。

5000字の文章を書くコースは、先生が認めた記事には、受講生が感

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これを読めば即ベテラン!?脱地雷作家のための「NG小説あるある大全集」!

作家なら誰もが経験する(したくないが)「駄作」の制作!
これらは、後から見返すと分かることがある

これは「若さゆえの、みんながやらかす過ち」
だったんだな……と。

そんな「ネット小説のNGあるある」を大辞典的にまとめてみました!
初心者作家は「先人はこれをやってコケてきたんだな」と参考に
ベテラン作家は「こんな時代もあったね(遠い目)」という風に
読み専は「あるわー」という風に、気軽に見てくれ

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スタジアムから聞こえてきた『Creep』に立ち尽くして泣いた夏の話

スタジアムから聞こえてきた『Creep』に立ち尽くして泣いた夏の話

2003年だった。わたしはまだ20代半ばで、仕事は適当、恋愛だけ一生懸命で、新卒で就職した会社をやめてフリーターをしたり派遣社員としてぶらぶらしていた頃だった。

夏だった。当時の恋人と、その友人カップルと車をあいのりして、幕張の夏フェスへ向かった。男同士は同じバンドのドラマーとベーシストとして長い付き合いがあったが、その恋人であるわたしともうひとりの彼女はほぼ初対面で、お互い少しの緊張とともに車

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