マガジンのカバー画像

【完全版】治療家のための文化人類学

11
「治療家のための文化人類学」を全編セットでお得に読むことができます。 文化人類学とは、歴史や文化、社会背景を前提として“人類”について学ぶ学問です。 このうち「医療人類学」は…
「治療家のための文化人類学」を全編セットでお得に読むことができます。
¥1,000
運営しているクリエイター

#骨盤矯正

治療家のための文化人類学~身体経験~

治療家のための文化人類学~身体経験~

今回は文化人類学において「身体経験」と呼ばれる、「身体、行動、文化の関係性」についてお伝えします。

後半では「骨盤矯正」を持つ文化圏との身体経験についてもお話しいたします。

人体の多様性身体の生物学的多様性

人種の違い、民族による違い、
身長体重、免疫力など

生物はその環境や個体差に適応し
生存していけるように
姿形・機能を変えていきます。

例えば、
日本人の食生活では
1日の塩分摂取量

もっとみる
治療家のための文化人類学~ヤマイと疾病と病気の違い~

治療家のための文化人類学~ヤマイと疾病と病気の違い~

文化人類学では「疾病」「病(やまい)」「病気」という3つに病気の概念を区別します。

この区別がついていると、
治療家として臨床の見え方が少し変化します。

それぞれの違いは「医療従事者としてのたしなみ」だと考えて、ぜひ覚えておいてください。

疾病「疾病(disease)」とは、

もっとみる
治療家のための文化人類学~医療の文化的体系と仕組み〜

治療家のための文化人類学~医療の文化的体系と仕組み〜



「文化とは一体何でしょうか?」と質問されたとして、
どのように答えますでしょうか?

「音楽」「アニメ」「芸能」「書籍」など
創作物をイメージされると思いますが、

人類という
大きな枠組みでとらえた時の「文化」は
一般にイメージされるものとは異なります。

この記事では、
「文化」という大きな枠組みのなかで
医療がどんな社会的な背景の中で
体系立てられているかをみていきます。

最後に、

もっとみる
治療家のための文化人類学〜プラグマティズム〜

治療家のための文化人類学〜プラグマティズム〜

治療家のための文化人類学を執筆しています、
花田隼人(@hokkaido_wakate)です。

今回は、
実利主義とも呼ばれる哲学
「プラグマティズム」を解説します。

施術や治療における理論と
どう向き合っていくかを考える
ヒントになり得る哲学です。

お時間を取っていただき
ぜひ最後までお読みください。

理に適っていないものごと患者の苦痛を
和らげようとするなかで、

その手段は必ずしも

もっとみる
治療家のための文化人類学~患者の希望と医学の衝突~

治療家のための文化人類学~患者の希望と医学の衝突~

医師が行う医療に比べて、

我々治療家が提供する医療は
エビデンスレベルが低いものもあります。

エビデンスに基づいた
施術方針を立案しても、
時には患者がそれを拒んで
有効性の低い施術を希望することがあります。

特に「骨盤矯正」は
その最たる例といえます。

患者の希望を優先することと、
科学的な正しさを基準にすること。

この双方を両立するには
どうすればいいでしょうか?

目次から先を

もっとみる
治療家のための文化人類学~文化依存症候群~

治療家のための文化人類学~文化依存症候群~



病気は全世界で
均一に起こりうるものもあれば、

地域によって
発生しやすい病気が
異なるものもあります。

食習慣から起こる生活習慣病や、
寄宿する生物の生息地によって差が出る
感染症の地域差がその代表例です。

このような「地域差」は、

感染症や内科疾患のような
”身体的な病気”に限らず、
”精神疾患”でも見られます。

地域、民族、社会背景、
そしてその「文化」の影響によって
発生する

もっとみる