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治療家のための文化人類学~患者の希望と医学の衝突~

医師が行う医療に比べて、

我々治療家が提供する医療は
エビデンスレベルが低いものもあります。

エビデンスに基づいた
施術方針を立案しても、
時には患者がそれを拒んで
有効性の低い施術を希望することがあります。

特に「骨盤矯正」は
その最たる例といえます。

患者の希望を優先することと、
科学的な正しさを基準にすること。

この双方を両立するには
どうすればいいでしょうか?


目次から先を
ぜひ最後までご覧ください。





根拠に基づく医療

EBMという言葉を
聞いたことがある方は多いと思います。

「evidence based medicine」
”エビデンスに基づく医療”を
意味する言葉です。

エビデンスとは、
「根拠」のことを指し、

その医療受けることによる
「効果」と「安全性」を
一定に保障するために、

量的な研究結果を踏まえて
有効性が高い根拠がある医療を
選択するという考え方です。


EBMは1991年に提唱された考え方で、
カナダ・マクマスター大学の
ゴードン・ガイアットが提唱しました。

日本には1990年代なかばに導入され、
1997年に改正された医療法に
「インフォームドコンセント」が
明記される流れを生みました。






患者の語りに基づく医療

このEBMとは別に、
NBMという言葉があります。


治療家業界において
EBMは聞いたことがあっても、
NBMについては
聞きなじみがない方が多い
と思います。

NBMとは、

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