下村敦史

【読書感想】下村敦史『告白の余白』

2019/05/22 読了。 下村敦史『告白の余白』 高知で農業を営む英二のもとに、放浪していた双子の兄・英一が帰ってくる。英一は、実家の農地を京都のとある女性に譲るという遺書を残して自死する。英二は、英一のふりをして京都で生活を始める。 新感覚のミステリー小説だった。伏線らしき伏線があるわけでもないけど、見方を変えるとそこら中に伏線が張ってあるという構成。京都ならではの言語感覚は、よその人間からすると新たな表現でとても楽しかった。 舞妓と芸妓、京女と東女、和菓子屋と

同姓同名 下村敦史 幻冬舎

6歳の少女が、公園のトイレで惨殺された。 犯人は16歳の少年。 少年法に基づき、実名は公表されなかった。 しかし、週刊誌がその名を世間に晒してしまう。 大山正紀 少年の名前は、瞬く間に誰もが知るものとなった。 この報道がきっかけとなり、日本中の大山正紀の人生が狂い始める。 彼らは、殺人犯と同姓同名であるというだけで、いじめに遭い、距離を置かれ、あまりにも理不尽な、偏見の目で見られるようになる。 -そして7年後、短すぎる刑期を終えた大山正紀が出所した。 時を経

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僕らのグランド・ホテル〜「総選挙ホテル」覚書

桂望実氏「総選挙ホテル」読了。 期せずして、先月の下村敦史氏「ヴィクトリアン・ホテル」に続きグランド・ホテル系小説を手に取った。GOTO願望の現れか。 「ヴィクトリアン・ホテル」が、華やかな宿泊客らが織りなす映像化不可(たぶん)な謎多きドラマなら、こちら「総選挙ホテル」は対照的に、従業員たちが主役の、コミカルで映像映えしそうなバックヤード小説だ。 サービス業経験者ならばきっと、 「うわ、きっつー! ありえない!」 と言いながらも、ワクワクしてしまうに違いない。 よくいえ

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「小説 野性時代」10月号発売!

赤川次郎の新連載スタート! 最新刊『民王 シベリアの陰謀』刊行を記念して特集【池井戸 潤「民王」の世界】を掲載。 今勢いのある小説を集めた文芸誌「小説 野性時代」10月号お見逃しなく。 ※画像をタップすると詳細ページへとびます。 ◆ニュース①【最新刊『民王 シベリアの陰謀』刊行記念】 特集 池井戸 潤「民王」の世界  刊行記念インタビューや、書評など「民王」の世界がわかる特集を掲載! ②【新連載】 〇赤川次郎「余白の迷路」 住宅街で起きたホームレス殺人事件。 赤川次郎が

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読書感想文 告白の余白

ギオンクエスト〜伝説のサイオーダイ、っていう アドベンチャーゲームのノベライズを読んだみたいだった笑笑 京都暮らしの費用はどこから捻出?って、 そればかりが気になってた。しかし、ラスト50ページの 細かいところまであれやこれやと伏線回収するさまはお見事! 英二と雅美がひっつけばいいのに、て思ったけどそれも 確率鬼低いな笑笑さすがは売れっ子作家さん、 なかなか面白かったよー https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-978434

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『同姓同名』 下村敦史

幼い少女が惨殺された。捕まったのは16歳の少年。マスコミで明らかにされたその少年の名前は大山正紀。世間の注目を集める事件の犯人と同姓同名であることで、それぞれの人生が狂わされたと感じる大山正紀たち― 有名人と同姓同名であることを理由として改名の手続きが行われたという話は聞いたことがある。 それまで何も問題がなかったのに、事件の容疑者や犯人が同姓同名で、突然巻き込まれる人もいるだろう。 自分の思うように人生が進まないときに、何かを理由にしたくて、その原因を同姓同名に求めたこ

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第2回島田賞

お久しぶりです。 投稿のたびにお久しぶりですけども。 昨日第2回島田賞を発表しました。 どぅるるるるるるる(ドラムロール) じゃんっ(ハイハット) 第2回島田賞は『ヴィクトリアン・ホテル』下村敦史さん(実業之日本社)です!!ぱちぱちぱちぱちー!!! 緻密に張り巡らされた伏線と「優しさとは」というテーマがお互いの良さを一層際立たせているのです。 とにかく読んで欲しい。あっと驚く仕掛けももちろんすごく好きなんですけど、「優しさとは」というテーマに強く心惹かれました。 思い

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「小説 野性時代」6月号発売中!

緒方恵美『再生(仮)』刊行記念特集、下村敦史の新連載ほか、窪 美澄の読切短篇など、今勢いのある小説を集めた文芸誌! 緒方恵美『再生(仮)』刊行記念特集には特別メッセージも掲載。お見逃しなく! ※画像をタップすると詳細ページへとびます。 【特別掲載】 〇下村敦史「ロスト・スピーシーズ」 希少種を発見するため集められた怪しい奴ら。 〈探すもの〉に辿りつけるのか? 新連載スタート! イラスト/おぎわら朋弥 【連作中篇】 〇青柳碧人「大正謎百景 遠野はまだ朝もやの中」 あの名

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読書記録~極限の冒険、助けを求めて~

皆さんは飛行機に乗っているだろうか? 自分が最後に乗ったのは16年位前、沖縄に行った時だろうか? 初めて飛行機に乗った時は、少しの揺れでもちょっと怖いなーと思ってしまったものだ。 さて、飛行機で事故に合う確率を調べてみた アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査では、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという結果が出ているらしい。 ちなみにある試算によれば、アメリカ国内でテロリストが毎週1機の旅客機をハイジャックして乗客を全員死亡

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「真実の檻」を読んだ

「真実の檻」  下村敦史  角川書店  を読んだ。 大学生の石黒洋平は亡くなった母の遺品を整理中、隠されていた手紙を見つける。そこから洋平は、自分の本当の父親が『赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。殺された被害者は、母の両親―つまり洋平の祖父母だった。被害者の孫で、加害者の息子。事実を受け入れられない洋平は、父が無実である可能性に一縷の望みを託し『赤嶺事件』を調べ始める―。最注目の乱歩賞作家が“司法の闇”を抉り出す!慟哭のリーガルサスペンス。 (am

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