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「勝手に推し本、紹介します」vol.6

この連載では、電子書籍事業部メンバーが毎日触れている幻冬舎の本の中から、独断と偏見のみで勝手に推している本を語っていきます📖
メンバーの本に関するエピソードや想いがダダ漏れしているので、あくまでご参考程度にお読みいただけると幸いです。

第6回目は、秋の夜長にピッタリなミステリー作品をピックアップ。

乱歩賞作家 下村敦史さんによる新感覚ミステリーをご紹介します。

◇ ◇ ◇

「同じ名前というだけで人生が狂っていく。」

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『同姓同名』

著者:下村敦史

今回はこの人が勝手に推し本
京都と酒を愛するアラサーちゃん 髙橋

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★この本への想い
皆さん、同姓同名の方にあったことはありますか?
なんとなくエゴサーチしたことがある人も多いのではないでしょうか?
自分と同じ名前の人間が、どこで何をしているんだろう。どんな人なんだろうと想像すると、会ってみたいような、ちょっと怖いような不思議な気持ちになりますよね。
一方で、もし同姓同名の人が世間を震撼させる犯罪者だったら、、、
昨日までは平穏だった自分の人生が一変してしまう恐ろしさを秘めているかもしれません。

今回ご紹介する『同姓同名』は、
世間を震撼させた残忍な殺人犯と同姓同名というだけで理不尽な嫌がらせや被害に遭い、人生を狂わされていく人々の物語。
一度でも自分の名前を検索したことがある人には是非とも読んでいただきたい作品です。

この本のここが好き!
1.登場人物全員、同姓同名。緻密に描かれるそれぞれの心理描写
2.言葉の強さに圧巻。SNSと人間のリアルな怖さが満載
3.乱歩賞作家からの挑戦状。何度も騙されるトリックの妙

1:同姓同名被害者であるたくさんの大山正紀が登場する本作。
作中では被害に遭っていく大山正紀さんそれぞれの心理描写が登場します。
事件報道を機に平穏な日常が一変していくのですが、周りの手のひらの返し方がとにかく恐ろしい。(イイ感じだった同僚が急に冷たくなる。大学推薦を取り消される。就職活動でなかなか内定が出ない。等々..)
人生が立ち行かなくなっていく様や、徐々に心が壊れていく姿は、読んでいながら苦しくなっていくほどです。

2:思わず強くうなずいてしまうSNSあるあるがたくさん登場する本作。
ここまでの被害受けるか、、?と感じるシーンもありますが、いろいろな事があった今年、まったくありえない話じゃないなと背筋が凍るリアルさがあります。
SNS社会特有の被害者にも加害者にもなりうる恐ろしさが存分に描かれています。印象的で突き刺さる言葉が沢山出てくるところもこの本の推しポイントです。

3:ミステリー作家の登竜門の最高峰、江戸川乱歩賞。その受賞者である下村敦史さんが仕掛けるトリックがとにかくすごいのです。
最後の最後まで展開が読めず、人間不信になりそうなほどに何度も騙される仕掛けが満載です。(二度見しまくりで何度もページを繰りました。)
書籍だからこその騙しもあって、読書の面白さを知れる作品でもあります。
ネタバレの恐れがあるのでこれ以上はお伝えできないのが悔しいですが、怒涛の勢いで読んだ挙句、衝撃の結末が待っています。
読み終わったら、人に話したくなる作品です。(とにかく読んでほしい!)

人間の本質を突いた社会派な作品なので、ミステリーを普段読まない方にもおすすめしたい作品です。

【SNSアカウントも併せてお楽しみください】同姓同名被害者の会 公式HP
作品の世界観とリンクした特設サイト。同姓同名にまつわるエピソードをお持ちの方には特典も。

同姓同名被害者の会 公式Twitter

『同姓同名』Instagram

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