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要約することも伝えることが苦手です。わかりやすく伝えられるように考えながら、読んだ本を…

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要約することも伝えることが苦手です。わかりやすく伝えられるように考えながら、読んだ本を紹介していきたいと思っています。

最近の記事

読書127 『らんたん』

   柚木麻子著 河井道は1877年生まれ。 明治維新の新政府の経費削減のために、父が伊勢の神職を失職。 一家は北海道に移り住み、道はキリスト教の教育を受ける。 やがて新渡戸稲造、有島武郎との出会い。さらには新渡戸から、津田梅を紹介され、道はアメリカへ渡ることになった。 恵泉女学園の設立者、河井道の生涯を描いた、事実に基づいたフィクションです。 新渡戸稲造、有島武郎、津田梅の他にも、お札になったり教科書に載ったり、映画や小説に取り上げられるような、後に名前を残した人物

    • 読書126 『BUTTER』

           柚木麻子著 男たちから財産を奪い、三件もの殺害容疑で逮捕された梶井真奈子。 30代の週刊誌記者の里佳は、梶井への取材を重ねるうちに、里佳の内面も外面も変化していき、人生のひとつの局面を迎えることになる。(公開されている内容) 里佳が抱えている仕事や親友夫婦のこと、両親のこと、恋人のこと。 梶井との関わりから、里佳のさまざまな内面があぶり出されます。 「梶井に関わった人間は、おかしくなる」ということが何度も出てきますが、最後にその本質に触れていて、ぞっとしました

      • 読書125 『八月の母』

            早見和真著 越智エリカはこの愛媛の街を出ていこうとするたびに、母の美智子が目の前に立ち塞がった。 五年生になった美智子は、逃げるように家を出て行こうとする母親に、無理矢理ついて行った。 1977年から1992年にかけて、美智子とエリカが辿った人生が描かれている。 2000年から2013年まで。エリカのその後と、子どもたちのこと。そして事件のこと。 プロローグ、エピローグでは、事件から八年後が描かれています。 あの日、あの団地の一室で何が起こったのか。なぜ、

        • 読書124 『百花』

             川村元気著 結婚して二年になる泉。妻の香織が妊娠している。生まれたときから母、百合子とふたりで生きてきた。ふたりには、忘れられない過去があった。 大晦日、泉が実家に帰っても、母はいなかった。そして、夜の公園でブランコに乗っていを見つける。 それが、不安の日々の始まりだった。 百合子は認知症と診断され、やがて、泉は封印された過去に手をのばす。 現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。 忘れていく母が、残したものとは何か。(公開されている内容) 百

        読書127 『らんたん』

          読書123 『さらさら流る』

             柚木麻子著 28歳の菫は、かつて交際していた光晴が撮影した裸の写真が、ネットで拡散されていることを、偶然知ってしまう。(公開されている内容) 大学生のときに過ごした光晴との日々。 育った環境が全く違う二人。 就職を機に、すれ違いからの別れ。 六年後の菫と光晴の様子が、入れ替わりながら話が進んでいきます。 おすすめポイントは、拡散されていることを知ってからの、菫の辿った行動と気持ちの変化です。特に苦しんだあとの友だちや家族や会社に対しての決断。 菫の目線からと光晴

          読書123 『さらさら流る』

          読書122 『DRY』

             原田ひ香著 藍は不倫をして、二人の子どもを置いて家を出た。 十年ぶりに実家に帰ると、男にだらしない母と見栄張りでお金にがめつい祖母が暮らしていた。 隣に住む幼馴染の美代子は、今は祖父をひとりで看ていた。介護に尽くす美代子は、孝行娘とあがめられていたが、実は想像を絶する秘密が隠されていた。 介護と貧困をめぐって展開される物語。(公開されている内容) どうしてこんなことになってしまったのか。 もう、中盤あたりはおそろしくて、数ページを飛ばしてしまいました。 それでも、

          読書122 『DRY』

          読書121 『ついでにジェントルメン』

              柚木麻子著 •編集者にいつもダム出しされる新人作家。 そんなある日、出版社の菊池寛の銅像に話しかけて来て•••。 •ベストセラー作家が、舞台になったホテルを訪れるが•••。 •女性専用車両に乗り込んだ男性は、異世界に飛ばされてしまう。 •会員制の鮨屋に、乳児を抱いた女性が予約なしに入って•••。 •友人に勧められて、美容整形クリニックを訪れた女性が、待合室で読んだ児童文学全集に心を動かされる。 •クズ夫から逃げ出した私を、義父が追って来て•••。 •19

          読書121 『ついでにジェントルメン』

          読書120 『ヒトごろし』

             京極夏彦著 文献などを参考にした、事実に基づいた土方歳三のフィクションです。 土方さんの視点で描かれています。土方さんは「非人道の人外」 その理由は「人を殺したい」それは、剣でです。 そのために、新選組があり、近藤さんが局長でなければいけないということでした。 ダークな土方さんもですが、沖田さんの描かれ方にもショックでした😨 『燃えよ剣』では沖田さんは土方さんのことを、よく理解していて、二人の関係がとても好きでしたが、本作では嫌な関係です🥲 でも、読んでいくにつ

          読書120 『ヒトごろし』

          読書119 『黒バイ捜査隊-巡査部長•野路明良』

             松嶋智左著 姫野警察署の開署準備室担当者だった野路明良。ところが、大きな事件が起きてしまい姫野警察署は閉鎖。一年遅れてようやく開署された(『開署準備室-巡査長•野路明良』) 野路は昇級試験を受けて、巡査部長になった。 昇任異動に伴い、希望を聞かれた野路は、運転免許センターに願い出た。 白バイ隊員であった野路は、白バイの安全運転競技大会において、所属チームを全国一位に導く活躍をした。 ところが、ある出来事で白バイに乗ることができなくなってしまう。 野路は警察学校の恩

          読書119 『黒バイ捜査隊-巡査部長•野路明良』

          読書118 『開署準備室-巡査長•野路明良』

           松嶋智左著 巡査長•野路明良は姫野署開署に向けて「開署準備室」の総務担当に配属された。 野路は白バイ隊のエースだったが、ケガで異動になり、自棄になっていた。姫野署開所のセレモニーが無事に終了したら、辞表を提出するつもりだった。 ところが、開署直前になって、次々と不祥事が起こる。さらには、野路の警察学校時代の恩師が襲われて-。(公開されている内容) 野路の自棄になってしまった背景とは。開署準備室の人たちのそれぞれの事情。さらには、12年前の事件と並んで、話はつながっていき

          読書118 『開署準備室-巡査長•野路明良』

          読書117 『燃えよ剣(上•下)』

             『燃えよ剣(上下)』司馬遼太郎 幕末の動乱期。新選組副長、土方歳三の生涯を描いた物語。 武州多摩郡の豪農の「バラガキ(乱暴者、不良少年)のトシ」と言われていた土方歳三は、喧嘩と女遊びに明けくれる日々を送っていた。 京では、過激志士たちによる治安の悪化を心配した幕府が家茂の上洛を期に、浪士たちによる護衛部隊を組織する話があるということを聞いた近藤勇は、土方歳三、沖田総司とともに京に向かった。 やがて「新選組」として、武装警察とした集団を築くことになる。 池田屋事件

          読書117 『燃えよ剣(上•下)』

          読書116 『終末のフール』

               伊坂幸太郎著 「八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する」と、宣言された。人々は絶望からパニックに陥り、治安が悪化した。 五年後、ようやく落ち着き、今は平穏を取り戻してはいる。 しかし、余命三年という限られた時間。そんな中で、人生を見つめ直す短編連続集 •週末のフール 自分の言動が原因で息子が自殺したことを、娘に責められ続ける父親。 •太陽のシール ようやく子どもができたが、三年の命とわかりながら産むべきな悩む夫婦。 •籠城のビール 妹を死に追いやった男を殺し

          読書116 『終末のフール』

          読書115 『ランチ酒 おかわり日和』

              原田ひ香著 ランチ酒シリーズの第二弾です。 小学生の娘を夫の元に残して、離婚して家を出た祥子。幼なじみが運営する「見守り屋」の仕事をしている。夜間から朝方まで、さまざまな事情を抱える人やペットの見守りを行う。 仕事終わりに、一人で入られるお店を探して、ランチをしながらお酒を飲むことが、祥子のたまの贅沢な楽しみだった。 今回のお話は、元夫の再婚や娘との関係と、さらには祥子に恋の予感がおとずれるが、祥子の決断は?など、祥子の身辺にも変化がありました。 エゴサーチが

          読書115 『ランチ酒 おかわり日和』

          読書114 『ランチ酒』

              原田ひ香著  犬森祥子は、同級生の亀山が経営する「見守り屋」で働いている。 祥子が離婚して仕事を探しているところに、亀山が声をかけてくれたのだった。 営業時間は夜から朝まで。 仕事の内容は、依頼が入ると人やペットなど、頼まれたら寝ないで見守るというもの。 そんな祥子の楽しみは、仕事終わりに、ランチを食べながらお酒を飲むこと。 そうしなければ、別れた夫の元に残してきた小学生の娘を思って、寝られないのだった。(公開されているあらすじ) 十六話の短編小説です。 その短

          読書114 『ランチ酒』

          読書113 『勝手にふるえてろ』

              綿矢りさ著 26歳のOLヨシカには、中学二年生の時からずっと想い続けているイチがいる。 そして、会社の同期の暑苦しい二に告白されている。 ヨシカの脳内はさまざまな妄想が膨らみ、戸惑いと葛藤の連続で、悩み傷つき、ついにはありえない嘘で大暴走。(公開されているあらすじから) ページ数も160程度で読みやすく、でもしっかりヨシカの感情や仕事や友だち、親のことも盛り込まれていて、楽しく読めました🤭 おすすめポイントは、ヨシカが編みだした「視野見」のところです🤭 「視野

          読書113 『勝手にふるえてろ』

          読書112 『ナイルパーチの女子会』

              柚木麻子著 実家から大手商社に勤務する栄利子は、仕事や容姿に恵まれるが、友だちができない悩みを抱えていた。人との距離が縮まらず、そのうちに誰もが離れていくのだった。 栄利子の楽しみは、人気のブログ「おひょうのダメ奥さん日記」を読んで癒されること。 「おひょう」こと、翔子は夫と気ままに暮らしているが、家族を捨てて出て行った母親と、息が詰まる父親に、深いわだかまりを持っていた。 翔子もまた、友だちがいないことにコンプレックスを感じていた。 「おひょう」と偶然、近所

          読書112 『ナイルパーチの女子会』