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読書120 『ヒトごろし』

   京極夏彦著

文献などを参考にした、事実に基づいた土方歳三のフィクションです。

土方さんの視点で描かれています。土方さんは「非人道の人外」
その理由は「人を殺したい」それは、剣でです。
そのために、新選組があり、近藤さんが局長でなければいけないということでした。

ダークな土方さんもですが、沖田さんの描かれ方にもショックでした😨
『燃えよ剣』では沖田さんは土方さんのことを、よく理解していて、二人の関係がとても好きでしたが、本作では嫌な関係です🥲

でも、読んでいくにつれて、土方さんの戦略に引き込まれていきます。
確かに大勢の人が亡くなって、新選組が非道な集団とも言われていたのも理解できました。

印象に残った場面は、自分で「人外」と言い続けていた土方さんが「鬼の副長」と言われていることを知り、声を上げて笑う場面です。
「鬼」と言われることに、しっくり来たように感じました。

おすすめポイントは、ページ数を長く取っている場面が要所要所にあり、そこでのやりとりです。土方さんの考えていることがよくわかります。

事件や出来事は伝えられるままなんですが、語る人によってこんなにも印象が変わるものかと、衝撃を受けました。
京極さんの違った魅力も感じました。
大政奉還の時期が思いの他早くなり、世の中が急に変わってしまい、新選組も突然に何もかもなくなり、終わりの方には、土方さんの気持ちが見られて少しホッとしました。

司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』を読んでレビューしたときに、この本を教えていただきました。読めてよかったです。ありがとうございました。

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