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読書126 『BUTTER』

     柚木麻子著

男たちから財産を奪い、三件もの殺害容疑で逮捕された梶井真奈子。
30代の週刊誌記者の里佳は、梶井への取材を重ねるうちに、里佳の内面も外面も変化していき、人生のひとつの局面を迎えることになる。(公開されている内容)

里佳が抱えている仕事や親友夫婦のこと、両親のこと、恋人のこと。
梶井との関わりから、里佳のさまざまな内面があぶり出されます。

「梶井に関わった人間は、おかしくなる」ということが何度も出てきますが、最後にその本質に触れていて、ぞっとしました。

この話はこのまま、一体どこに落ち着くのだろうと思いながら、一つ一つ丁寧に拾っていき、最後には素敵に話がまとまったのがほっとしました。

印象に残った場面は、里佳が梶井の故郷を訪問し、酪農業者さんから「牛乳は牛の血液」と話していたところや、雌牛の中での自然にできる序列の話です。

おすすめポイントは、マニュピレーターのような印象だった梶井の核の部分に触れたところと、あれだけのことがあった里佳のその後のあり方です。
世間の目線と、自分はどうあるべきかが描かれていて、力をもらいました。

感情や人間性の描写も鋭いですが、お料理の話も惹かれました。
何冊か読んだ柚木さんの本の中で、一番好きかもです🤭

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