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要約することも伝えることが苦手です。わかりやすく伝えられるように考えながら、読んだ本を…

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要約することも伝えることが苦手です。わかりやすく伝えられるように考えながら、読んだ本を紹介していきたいと思っています。

記事一覧

読書132 『銀河鉄道の父』

    門井慶喜著 岩手花巻で質屋を営む宮沢政次郎。 長男・賢治は、家業を継ぎたがらず、適当な理由をつけては金の無心をする。 政次郎は厳格な父親であろうと努めるも…

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2日前
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読書131 『プリンシパル』

    長浦京著 水嶽(みたけ)本家に生まれた綾女は、稼業を嫌い、家を出て教師になった。 1945年。終戦後に父が病死。 長兄と三兄は戦地から戻らず、次兄は病気療養中…

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3日前
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読書130 『朔が満ちる』

   窪美澄著 かつて中学1年の時に、家庭内暴力を振るい続ける父親に、斧で殴りかかって殺そうとしたことがあるー 心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶…

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7日前
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読書129 『名探偵のいけにえ』

『名探偵のいけにえ』 白井智之 1978年、南米ガイアナで、教団「人民寺院」の信者九百人以上が、服毒自殺をするという惨劇を、モチーフにしたフィクションです。 病気も…

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8日前

読書128 『名探偵のはらわた』

   白井智之著 固有名詞や内容は、少し変えられていますが、世間を震撼させた昭和の大事件をモチーフにしています。 何十年も前に起きた出来事が、現代の事件につなが…

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10日前
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読書127 『らんたん』

   柚木麻子著 河井道は1877年生まれ。 明治維新の新政府の経費削減のために、父が伊勢の神職を失職。 一家は北海道に移り住み、道はキリスト教の教育を受ける。 やが…

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13日前
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読書126 『BUTTER』

     柚木麻子著 男たちから財産を奪い、三件もの殺害容疑で逮捕された梶井真奈子。 30代の週刊誌記者の里佳は、梶井への取材を重ねるうちに、里佳の内面も外面も変…

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3週間前
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読書125 『八月の母』

    早見和真著 越智エリカはこの愛媛の街を出ていこうとするたびに、母の美智子が目の前に立ち塞がった。 五年生になった美智子は、逃げるように家を出て行こうとす…

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4週間前
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読書124 『百花』

   川村元気著 結婚して二年になる泉。妻の香織が妊娠している。生まれたときから母、百合子とふたりで生きてきた。ふたりには、忘れられない過去があった。 大晦日、…

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1か月前
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読書123 『さらさら流る』

   柚木麻子著 28歳の菫は、かつて交際していた光晴が撮影した裸の写真が、ネットで拡散されていることを、偶然知ってしまう。(公開されている内容) 大学生のときに…

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1か月前
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読書122 『DRY』

   原田ひ香著 藍は不倫をして、二人の子どもを置いて家を出た。 十年ぶりに実家に帰ると、男にだらしない母と見栄張りでお金にがめつい祖母が暮らしていた。 隣に住む…

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1か月前
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読書121 『ついでにジェントルメン』

    柚木麻子著 •編集者にいつもダム出しされる新人作家。 そんなある日、出版社の菊池寛の銅像に話しかけて来て•••。 •ベストセラー作家が、舞台になったホテ…

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1か月前

読書120 『ヒトごろし』

   京極夏彦著 文献などを参考にした、事実に基づいた土方歳三のフィクションです。 土方さんの視点で描かれています。土方さんは「非人道の人外」 その理由は「人を…

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1か月前
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読書119 『黒バイ捜査隊-巡査部長•野路明良』

   松嶋智左著 姫野警察署の開署準備室担当者だった野路明良。ところが、大きな事件が起きてしまい姫野警察署は閉鎖。一年遅れてようやく開署された(『開署準備室-巡…

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1か月前
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読書118 『開署準備室-巡査長•野路明良』

 松嶋智左著 巡査長•野路明良は姫野署開署に向けて「開署準備室」の総務担当に配属された。 野路は白バイ隊のエースだったが、ケガで異動になり、自棄になっていた。姫…

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1か月前
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読書117 『燃えよ剣(上•下)』

   『燃えよ剣(上下)』司馬遼太郎 幕末の動乱期。新選組副長、土方歳三の生涯を描いた物語。 武州多摩郡の豪農の「バラガキ(乱暴者、不良少年)のトシ」と言われて…

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1か月前
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読書132 『銀河鉄道の父』

読書132 『銀河鉄道の父』

    門井慶喜著

岩手花巻で質屋を営む宮沢政次郎。
長男・賢治は、家業を継ぎたがらず、適当な理由をつけては金の無心をする。
政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、つい甘やかしてしまう。

「父の期待にこたえなければ」という義務感にさいなまれ、それはとてつもなく自分には無理なことに気づき、八方ふさがりの状況の賢治。
紆余曲折を踏みながらの宮沢賢治の生涯を、父の視点から描かれる究極の親子愛。

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読書131 『プリンシパル』

読書131 『プリンシパル』

    長浦京著

水嶽(みたけ)本家に生まれた綾女は、稼業を嫌い、家を出て教師になった。
1945年。終戦後に父が病死。
長兄と三兄は戦地から戻らず、次兄は病気療養中のため、突如綾女が「代行」を余儀なくされる。綾女は継承することを拒むが、生まれたときから世話になった家族が、無残な殺され方をしたため、復讐のために「兄たちが帰って来るまで」水嶽組から水嶽商事株式会社となった稼業の会長兼社長代行となっ

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読書130 『朔が満ちる』

読書130 『朔が満ちる』

   窪美澄著

かつて中学1年の時に、家庭内暴力を振るい続ける父親に、斧で殴りかかって殺そうとしたことがあるー

心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。

ある日、出会った梓からも、自分と同じ匂いを感じた。

これは「決別」と「再生」の物語
(本の案内から)

酒に酔って暴力を振るう父親が悪い。でも、黙って耐えている母親にも思うところはある。
刺さるところがたく

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読書129 『名探偵のいけにえ』

読書129 『名探偵のいけにえ』

『名探偵のいけにえ』 白井智之

1978年、南米ガイアナで、教団「人民寺院」の信者九百人以上が、服毒自殺をするという惨劇を、モチーフにしたフィクションです。

病気も怪我も存在しない、失われた四肢が蘇るという、奇跡の楽園「ジョーデンタウン」
そこでは、次々と不審な出来事が繰り広げられる。
一体何が起こっているのか。

『名探偵のいけにえ』より時代の設定は古く、飲食店や伝説の探偵の名前以外、ほとん

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読書128 『名探偵のはらわた』

読書128 『名探偵のはらわた』

   白井智之著

固有名詞や内容は、少し変えられていますが、世間を震撼させた昭和の大事件をモチーフにしています。

何十年も前に起きた出来事が、現代の事件につながります。どのように関わっているのか。予測のつなかい展開で、少しずつ明かされていきます。

探偵の助手の亘が、自身の経験から相手が嘘を言っているかどうかを見極めて、状況を判断するところや、なぜこのような犯行に及んだのかを追求する部分もあり

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読書127 『らんたん』

読書127 『らんたん』

   柚木麻子著

河井道は1877年生まれ。
明治維新の新政府の経費削減のために、父が伊勢の神職を失職。
一家は北海道に移り住み、道はキリスト教の教育を受ける。

やがて新渡戸稲造、有島武郎との出会い。さらには新渡戸から、津田梅を紹介され、道はアメリカへ渡ることになった。

恵泉女学園の設立者、河井道の生涯を描いた、事実に基づいたフィクションです。

新渡戸稲造、有島武郎、津田梅の他にも、お札に

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読書126 『BUTTER』

読書126 『BUTTER』

     柚木麻子著

男たちから財産を奪い、三件もの殺害容疑で逮捕された梶井真奈子。
30代の週刊誌記者の里佳は、梶井への取材を重ねるうちに、里佳の内面も外面も変化していき、人生のひとつの局面を迎えることになる。(公開されている内容)

里佳が抱えている仕事や親友夫婦のこと、両親のこと、恋人のこと。
梶井との関わりから、里佳のさまざまな内面があぶり出されます。

「梶井に関わった人間は、おかしく

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読書125 『八月の母』

読書125 『八月の母』

    早見和真著

越智エリカはこの愛媛の街を出ていこうとするたびに、母の美智子が目の前に立ち塞がった。

五年生になった美智子は、逃げるように家を出て行こうとする母親に、無理矢理ついて行った。

1977年から1992年にかけて、美智子とエリカが辿った人生が描かれている。

2000年から2013年まで。エリカのその後と、子どもたちのこと。そして事件のこと。

プロローグ、エピローグでは、事件

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読書124 『百花』

読書124 『百花』

   川村元気著

結婚して二年になる泉。妻の香織が妊娠している。生まれたときから母、百合子とふたりで生きてきた。ふたりには、忘れられない過去があった。

大晦日、泉が実家に帰っても、母はいなかった。そして、夜の公園でブランコに乗っていを見つける。

それが、不安の日々の始まりだった。
百合子は認知症と診断され、やがて、泉は封印された過去に手をのばす。

現代において、失われていくもの、残り続ける

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読書123 『さらさら流る』

読書123 『さらさら流る』

   柚木麻子著

28歳の菫は、かつて交際していた光晴が撮影した裸の写真が、ネットで拡散されていることを、偶然知ってしまう。(公開されている内容)

大学生のときに過ごした光晴との日々。
育った環境が全く違う二人。
就職を機に、すれ違いからの別れ。
六年後の菫と光晴の様子が、入れ替わりながら話が進んでいきます。

おすすめポイントは、拡散されていることを知ってからの、菫の辿った行動と気持ちの変化

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読書122 『DRY』

読書122 『DRY』

   原田ひ香著

藍は不倫をして、二人の子どもを置いて家を出た。
十年ぶりに実家に帰ると、男にだらしない母と見栄張りでお金にがめつい祖母が暮らしていた。
隣に住む幼馴染の美代子は、今は祖父をひとりで看ていた。介護に尽くす美代子は、孝行娘とあがめられていたが、実は想像を絶する秘密が隠されていた。

介護と貧困をめぐって展開される物語。(公開されている内容)
どうしてこんなことになってしまったのか。

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読書121 『ついでにジェントルメン』

読書121 『ついでにジェントルメン』

    柚木麻子著

•編集者にいつもダム出しされる新人作家。
そんなある日、出版社の菊池寛の銅像に話しかけて来て•••。

•ベストセラー作家が、舞台になったホテルを訪れるが•••。

•女性専用車両に乗り込んだ男性は、異世界に飛ばされてしまう。

•会員制の鮨屋に、乳児を抱いた女性が予約なしに入って•••。

•友人に勧められて、美容整形クリニックを訪れた女性が、待合室で読んだ児童文学全集に心

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読書120 『ヒトごろし』

読書120 『ヒトごろし』

   京極夏彦著

文献などを参考にした、事実に基づいた土方歳三のフィクションです。

土方さんの視点で描かれています。土方さんは「非人道の人外」
その理由は「人を殺したい」それは、剣でです。
そのために、新選組があり、近藤さんが局長でなければいけないということでした。

ダークな土方さんもですが、沖田さんの描かれ方にもショックでした😨
『燃えよ剣』では沖田さんは土方さんのことを、よく理解してい

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読書119 『黒バイ捜査隊-巡査部長•野路明良』

読書119 『黒バイ捜査隊-巡査部長•野路明良』

   松嶋智左著

姫野警察署の開署準備室担当者だった野路明良。ところが、大きな事件が起きてしまい姫野警察署は閉鎖。一年遅れてようやく開署された(『開署準備室-巡査長•野路明良』)
野路は昇級試験を受けて、巡査部長になった。
昇任異動に伴い、希望を聞かれた野路は、運転免許センターに願い出た。

白バイ隊員であった野路は、白バイの安全運転競技大会において、所属チームを全国一位に導く活躍をした。
とこ

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読書118 『開署準備室-巡査長•野路明良』

読書118 『開署準備室-巡査長•野路明良』

 松嶋智左著

巡査長•野路明良は姫野署開署に向けて「開署準備室」の総務担当に配属された。
野路は白バイ隊のエースだったが、ケガで異動になり、自棄になっていた。姫野署開所のセレモニーが無事に終了したら、辞表を提出するつもりだった。
ところが、開署直前になって、次々と不祥事が起こる。さらには、野路の警察学校時代の恩師が襲われて-。(公開されている内容)

野路の自棄になってしまった背景とは。開署準備

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読書117 『燃えよ剣(上•下)』

読書117 『燃えよ剣(上•下)』

   『燃えよ剣(上下)』司馬遼太郎

幕末の動乱期。新選組副長、土方歳三の生涯を描いた物語。

武州多摩郡の豪農の「バラガキ(乱暴者、不良少年)のトシ」と言われていた土方歳三は、喧嘩と女遊びに明けくれる日々を送っていた。

京では、過激志士たちによる治安の悪化を心配した幕府が家茂の上洛を期に、浪士たちによる護衛部隊を組織する話があるということを聞いた近藤勇は、土方歳三、沖田総司とともに京に向かっ

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