三編 柚菜

読んだ本や、その他小説に関することを自由気ままに綴っていこうと思います📚

三編 柚菜

読んだ本や、その他小説に関することを自由気ままに綴っていこうと思います📚

最近の記事

  • 固定された記事

小匙の書室1 簡単な自己紹介

 本が好きだ。  正確には小説が、それも文芸やミステリが好きだ。  どうも、初めまして。  私、三編柚菜と申します。  本格的に読書を始めて、はや四年。  すっかり本棚に囲まれて最期を迎えたいと思うほど、本の世界にのめり込んでいます。  さて。  先述のとおり私は小説が好き、なのですが。  「好きだ」「好きだ」と餌に群がる鯉みたいに喚いていても、所詮は数多いる読者の一人の小さな声でしかないわけで。  それでも溢れてやまない気持ちを我慢できず、とうとうブログに手をつけるに

    • 小匙の書室351 ─学生街の殺人─

       少しずつ寂れていく学生街。  大学卒業後も進路に迷い、街で暮らし続けていた光平の知人・松木が命を落とすことで、奇妙な連続殺人が幕を上ける。  その街で、最後の呼吸のは果たして──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  学生街の殺人  まず、「学生街とは何だろうか」と疑問を抱いた。  調べてみたところ、『学生が多く集まったり、学生向けの飲食店などのお店が立ち並んだりしている街』のことを言うらしい。  ここでいう学生とはイコール大学生のことであり、なるほど、だから本作の主人公

      • 速筆なことで有名な中山七里先生。 以前、私は「全作読破する!」と意気込んでいたわけですが……。 こちらをご覧下さい。 なんと、2031年までの刊行予定リストなのです。 詳細は最新作「連続殺人鬼カエル男 完結編」にて。 いやはや、どうやら全作読破は諦めるしかなさそうだ……📚

        • 小匙の書室350 ─パラレルワールド・ラブストーリー─

           かつて一目惚れした女性は、親友の恋人となって現れた。嫉妬に狂う崇史が目覚めたとき、隣にはその彼女がいた。  二つの世界、二つの記憶。パラレルワールドが交錯するとき、驚きの真実が脳を揺さぶる──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  パラレルワールド・ラブストーリー  「もしもあの人のようになれたら……」と、羨望したことが何度かある。  例えばステイタスが高い人だったり、歌が上手い人だったり、小説を書ける人だったり……。  要するに、あったかもしれない世界線──“パラレルワ

        • 固定された記事

        小匙の書室1 簡単な自己紹介

        • 小匙の書室351 ─学生街の殺人─

        • 速筆なことで有名な中山七里先生。 以前、私は「全作読破する!」と意気込んでいたわけですが……。 こちらをご覧下さい。 なんと、2031年までの刊行予定リストなのです。 詳細は最新作「連続殺人鬼カエル男 完結編」にて。 いやはや、どうやら全作読破は諦めるしかなさそうだ……📚

        • 小匙の書室350 ─パラレルワールド・ラブストーリー─

          小匙の書室349 ─魔球─

           甲子園のマウンドで放たれた、たった一度の魔球。  後日、捕手であった北岡が愛犬と共に殺害されたことで、野球部員たちの間に疑心暗鬼が駆られる。  『魔球』に込められた意味に胸を打たれる青春小説──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  魔球  著者のデビュー作は何か、答えられるだろうか。  ──そう、『放課後』である。  第31回江戸川乱歩賞受賞作で、ここから全てが始まったのだ。  では、あり得たかもしれないデビュー作は何か、と問われたらどうだろう。  第30回江戸川乱

          小匙の書室349 ─魔球─

          小匙の書室348 ─鳥人計画─

           『日本のニッカネン』と呼ばれた選手が毒殺された。  程なく犯人は逮捕されるが、そのきっかけとなった『密告者』の正体は不明だった。  誰が密告したのか、そして、事件の裏で動き出していた計画とは──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  鳥人計画  先日、〈雪山シリーズ〉の二作目、『疾風ロンド』を読了しました。そちらの感想は以下よりご覧ください⇩  この作品では著者のスノボー好きが高じたウィンタースポーツの爽快な活写と、痛快なミステリーを堪能したわけですが、ふと、読後に思っ

          小匙の書室348 ─鳥人計画─

          小匙の書室347 ─流星の絆─

           星が空を流れた日、両親を殺害された兄妹は仇討ちを誓った。  それから騙し騙されの世界を歩むこと十四年。彼らの前に仇が現れたことで、ついに復讐計画が企てられる。  その誤算は、妹の恋心だった──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  流星の絆  2020年。著作が初の電子書籍化されるに際し、7つの出版社がそれぞれ代表作を挙げました。  それがこちら。  『容疑者Xの献身』(文藝春秋)  『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(KADOKAWA)  『プラチナデータ』(幻冬舎)  『ダイイン

          小匙の書室347 ─流星の絆─

          小匙の書室346 ─怪しい人びと─

           あなたの隣にいるのは、優しい人ですか。それとも怪しい人ですか。  全員が善良なわけではない。ちらりと覗くその不審さが病みつきになる、“怪しい”短編集。  今日もどこかで暗い思惑は蠢く。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  怪しい人びと  順調に進んでいる、『11月は東野圭吾先生作品に絞って読んでいく』読書計画。  読みたい作品は山とあるけれど、なかなかどうして、時間というものは有限なのです。  そのため、どうしても短編集から攻めてしまうのですが、もちろんだからといって不満

          小匙の書室346 ─怪しい人びと─

          小匙の書室345 ─疾風ロンド─

           人類を脅かす生物兵器『K-55』が盗まれた。  しかし犯人が事故死してしまうことで、兵器の居場所が掴めなくなってしまう。  手掛かりは、犯人が残した写真。  巨大スキー場で、新たなミッションがはじまるのだった──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  疾風ロンド  実業之日本社さんが『いきなり文庫』として刊行した、『白銀ジャック』からはじまる〈雪山シリーズ〉、その第二作目。  これは前作の感想になりますが著者がスノーボードのファンであることから、スキーやスノボの描写には実

          小匙の書室345 ─疾風ロンド─

          小匙の書室344 ─虹を操る少年─

           天才少年・光瑠が広める《光楽》。  それに感化された若者は熱狂の渦に呑まれていくが、《光楽》を阻止しようとする大人が現れる。  子供と大人。不思議な光は何をもたらす──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  虹を操る少年  「11月は東野圭吾先生の作品に没頭する」と決めてから、はや幾日。  おかげさまで数々の名作に触れることができました。改めて、一人の作家に絞って読書計画を立てることの意義を噛み締めております。  これからも『名作』と謳われているものから、「ちょっと気にな

          小匙の書室344 ─虹を操る少年─

          小匙の書室343 ─超・殺人事件─推理作家の苦悩──

           推理作家は日夜、種々の問題に頭を捻っている。  日本推理作家協会除名覚悟で著者が紡ぎ出すのは、ユーモアを含ませた八つの問題提起だ。  今日もどこかで、あるいは作家の悲鳴がこだましているのかもしれない──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  超・殺人事件  以前、文壇界隈のブラックユーモアを楽しめる一冊、『黒笑小説』を嗜んだ(そちらの感想は以下の記事をご覧ください)。  そこにあったのは『小説家』だからこそ描ける黒い笑いで、  「ああ、作家になるのも大変なんだなあ……」

          小匙の書室343 ─超・殺人事件─推理作家の苦悩──

          小匙の書室342 ─手紙─

           強盗殺人で服役中の兄から届く、手紙。  弟・直貴は、加害者家族として茨の道を歩む中で、贖罪の意味や本当の幸せを追い求める。  あなたなら、直貴にどう接するだろうか──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  手紙  東野圭吾先生の作品に絞って読み始めてから数日。  おかげで様々な『名作』と出会うことができている。  どれもこれもミステリとしての面白さはもちろんのこと紡がれている人間の機微に舌を巻くものばかりであり、頁数の多寡に関わらず、一冊読み終える頃には大きな満足感を得ら

          小匙の書室342 ─手紙─

          小匙の書室341 ─さまよう刃─

           妻を亡くし、男手ひとつで育ててきた愛娘・絵摩が、不良少年グループによって陵辱され殺害された。  父である長峰の元に届いた密告は、暗いどん底にいた彼に復讐の焔を焚き付ける。  いったい、彼らを裁くのは何なのか──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  さまよう刃  11月。私は東野圭吾先生の作品に絞って読書計画を立てることにした。  ゆくゆくは全作読破を目指しているわけだが、一つだけ懸念事項があった。  すなわち、  私は、最後まで読み切れるのだろうか。  ということで

          小匙の書室341 ─さまよう刃─

          小匙の書室340 ─レイクサイド─

           子供の受験合宿で訪れた湖畔の別荘。  並木俊介はそこに愛人が現れたことで穏やかならざる気分になるのだが、彼女が変わり果てた姿で発見されることで事態は急変する。  「あたしが殺したのよ」妻の告白から、完全犯罪への一歩を踏み出すのだが──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  レイクサイド  著者の作風は、『ミステリ要素を内包しながらも、胸に迫る人間ドラマが見もの』というのが私のイメージだ。  事実『容疑者Xの献身』や『新参者』、『秘密』、『人魚の眠る家』、『白鳥とコウモリ』

          小匙の書室340 ─レイクサイド─

          小匙の書室339 ─人魚の眠る家─

           小学校受験が終わったら、離婚するはずだった。しかし、愛娘を見舞った悲劇が全てを変えてしまった。  愛する者が一生目を覚さないとして、だけど心臓は動いているとしたら、あなたはどんな選択を取るか──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  人魚の眠る家  東野圭吾先生は、謎の作り方もさることながら、人間心理の描き方も素晴らしいと、私は思っている。  私は、本格ミステリならではの設定だったり、大胆なトリックや徹底したロジックももちろん大好物なのだが、たまに事件が落とした影に右往左

          小匙の書室339 ─人魚の眠る家─

          小匙の書室338 ─放課後─

           教諭更衣室で発見された、服毒遺体。  アーチェリー部顧問・前島は、自身に降りかかる危難と隣り合わせになりながら、犯人を突き止めるため調査を始めるのだが──。  大人へと脱皮していく瑞々しい少女達の感性を、時に眩く時に妖しく描いた、学園ミステリー。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  放課後  第31回江戸川乱歩賞が、現代のミステリ界隈において一つの大きな『はじまり』となったのは間違いないでしょう。  11月、私は「このひと月を東野圭吾先生の作品に捧げる」と決めました。

          小匙の書室338 ─放課後─