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#一駅ぶんのおどろき

KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」とnoteがコラボして、ショートストーリーの投稿コンテスト「#一駅ぶんのおどろき」を開催します!

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リクエスト企画~コンビニにまんまとやられた日~

皆様こんばんは、ぽこむと申します。 さて、今回はリクエストをいただいた題材でお送りいたします。 この前急にTikTokでLiveをしたのですがその時見ていてくれていた方から お題をいただきましたので このお題に沿って物語形式で書いていこうと思います。 「コンビニにまんまとやられた日」 2019年7月7日 この日は比較的涼しかったような気がする。 そして翌日から宮古島旅行だったので、 私はとても気分が高揚していた。 私が浮かれているのは見た目からも分かるだろう なぜなら昨日

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70.あなたの1駅はどのくらい???

こんばんは! 9月も半ばになって過ごしやすいスポーツの秋ですね! 最近健康のためになるべく歩くように意識しています。 今日も一駅分歩いてヘルスケアアプリを確認すると13,000歩でした。 よく1駅分を歩いた方がいいと聞きますがこれって地方によって感覚違うなと感じたので今回書いてみました。 みなさんは1駅分と聞いてどのくらいの距離を想像しますかね。 私は体感2kmくらいです! 1駅間って実際どのくらいの距離なの???都内の一駅(山手線)は、1駅が割と近いので歩くことが

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【短編】アウト・ライド

 鬱蒼とした森の中に月に照らされた川は一筋の光を放っていた。その川の真ん中付近に一艘の手漕ぎボートが浮かんでいて、ボートの先端には裸足の青白い女性が座っている。オールはゆっくりと水面を叩いて順調に水を掻いてはいるのだけれど、誰もそこにはいない。まるでひとりでにオールが動いているかのように見えた。私はそんなはずはない、と思って目を凝らすとうっすらと青白い手だけが宙に浮いていて、それがなんか頑張ってオールを動かしていた。その青白さは目の前の女性と同じ色に見える。  私は少し気

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日本の72候♯0

新しいシリーズです。72候…皆さん知っていますか?今日はまず、72候について、説明していきたいと思います。まず、今年は何年ですか? はい。2022年ですね。この2022は西暦を表しています。これはポピュラーなやつで、キリスト生誕から◯◯年って言う感じですね。令和4年。そう答える方も多いのではないでしょうか?それも正解。こっちは、日本独自の元号を使った暦ですね。どちらでも1年は表すことはできますが、一年は何日ありますか?はい、365日(閏年は366)ですよね。この、1年は36

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3月22日 月曜日

こんにちは、毎回サムネイル画像を探すのが億劫なので、その日の1枚を使用していこうと思う、トレパパです。 長男帰宅まで時間があるので晩御飯とやれることはとことんやっていこうと思い、次男のお迎えへ。 いつも通りのルートで自転車置き場に行くと、 自転車がない。 そうだ、いつも長男お迎え用の場所に止めているはずが今日は長男が実家にいるのでお迎えがないため、いつもと違う駐輪場へ。 早めに妻に確認とれば良かった。 おかげさまで抱っこしながら1駅分歩いた。いつもと違う景色を次男

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一駅歩いてみました

間違えた。 手帳にも10時半と大きく書いていたのに、何を勘違いしていたのか。 私は10時だと思っていたみたいだ。 それに気づいたのは家を出てから10分ほど歩いてからだった。 今から一旦帰っても微妙な時間。 カフェで時間を潰すにも微妙な時間。 かと言って、この時間だとまだショッピングモールは開店前。 どうしようかと考えながら信号を待つ。 天気もいいし、一駅歩いてみることにした。 Googleマップを開いて現在地から道のりを調べる。 ここからだと歩いて45分。 歩くのが

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爽やかな朝

今日は金曜日。 爽やかな朝だ。気持ち良い。洗濯、エクササイズ、英語シャドーイングまで完了して外に出る。 天気も悪くないので、一駅分歩いてみる。 すると周りの自然の変化に気づく。 すっかり紅葉がすすみ、冬支度が始まっている。 気づけば来週はもう12月。早い。 年内楽しく駆け抜けて、来年につなげたい。

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日曜日、フードコートの片隅で

私は主婦です。平日は働いているから、日曜日は郊外のショッピングモールに買い出しに出かけます。ついでに子供達をゲームコーナーで遊ばせた後、フードコートでクレープを食べさせる。日曜日は混むから午前中に行っておやつを食べて帰ってくる。毎週、そんな感じです。 それで気づいちゃったのよ。いつもフードコートのはじっこで、クロスワードパズルをしているおじいさんがいるのです。何を食べるわけでもなく、混む前のフードコートのテーブルに座って、ずっとクロスワードパズルを解いている。一度気づいてか

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今日と明日 どれだけ違う? 本当は変わっていて、 既に違う世界。 眼を透る景色が 変わっていなくても その場所から後ろ見たら 過去は想い描いた、 初めとは違う。 何も驚く事はない、 変化は生きた証と、 進化する足跡。 明日は変化する、 どれだけ違うかは 自分次第。 自分変化を。

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訪れて初めて分かる事も、ある。

会社帰り。私は電車に乗っていた。 ずーっと携帯画面を見ていたせいで、乗り過ごしてしまった。仕方なく、最寄り駅の次の駅で降りて電車を待つ事に。 その駅は、近くに高校があり、よく学生が利用する駅だった。 電車が来るまでホームをぶらぶらしていた時、あるものを見つけた。  自動販売機。 フツーの自動販売機ではなくて、パンやおにぎりを売っている自動販売機だった。  その瞬間、「なるほどな~」と感じた。 学生が多く利用する→学生は部活動やっている→帰る頃にはお腹が空いている

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カドブン×note ショートストーリー投稿コンテスト「#一駅ぶんのおどろき」の審査結果を発表します!

11月8日から約1ヶ月間、通勤や通学の合間にスマホで手軽に読めて、おどろきや発見があるショートストーリーを募集した「#一駅ぶんのおどろき」投稿コンテスト。期間中(11/8/2-12/10)には、なんと2,014もの作品をご応募いただきました!たくさんの素晴らしい作品のご投稿、ありがとうございます。 noteでの応募作品一覧は、こちらをご覧ください。 「グランプリ1名様、準グランプリ5名様、優秀作品複数名様」とご案内しておりましたが、審査員4名とcakes編集部による選考の

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【エッセイ】そっとレモンをおいてくる

 高校生の頃、現国の時間に梶井基次郎という小説家が書いた『檸檬』という作品を習った。この作品を初めて読んだ時、こんなに面白い物語を書ける人がいるのかと感動したものである。主人公である「私」の心は、「えたいの知れない不吉な塊」に終始圧えつけられていた。元気だった頃の「私」は丸善で色々な商品をみることが好きだったのだが、この頃はどうにも足が遠のいている。好きな事といえば、みすぼらしい裏通りを眺めたり、おはじきをなめることぐらいであった。そのように欝屈としている「私」は、偶然通りか

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誰と待ち合わせ?

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大切なものを失くしてしまった僕は下を向いて泣いていた💧

僕は泣いていた💧 僕は駅のホームの一番端っこのベンチに座って泣いていた💧 大切なものを失くしてしまった僕は 下を向いて泣いていた💧 涙を拭くものなんか持っていない💧 鼻水を拭くものなんか持っていない 悔しくて 悔しくて 悲しくて はじめて 人の目を気にせず 泣いた💧 なんて僕はついていない男なんだ 不幸な人間なんだ 「最低だ! ちきしょう!」 そう叫んだ時 僕のスマホの画面に一人のおばさんが写っているのに気づいた いろいろなものを 失くしてしまったのはあ

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駅ナカきつね

「へいいらっしゃい。食券をお願いします」 「いい匂いね」 「食券をどうぞ!」  たぬきかなきつねかな。今日の気分はどっちかな。 「へいいらっしゃい!」  やっぱりたぬきかな。ここの席にするわ。  何だかよさげな店ね。きっと場所がいいのね。放っておいても人が来るような場所。味の方はどうかしら。期待を抱かせる出汁のよい匂いがするようね。きっとここはたぬきだわ。 「はい。お客さん先に食券をどうぞ」  でもきつねも捨て難いものね。いつだって捨てた方は可哀想なものよ。 「へいいらっ

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発酵食品の大切さ痩せるよ!

・ダイエットに効果的な発酵食品 ダイエットに効果的な発酵食品 ダイエットにどんな働きをするのか? 発酵食品とは? 微生物などの働きによって食材を発酵させたものです。 発酵させることで食材の中にあるたんぱく質やデンプンが分解され旨みを引き出します 旨みが増すと栄養価もアップします。 さらにダイエット効果もあります。 発酵食品によってなぜダイエットが期待できるのか、 それは腸内環境の改善が関係しています。 発酵食ダイエットで積極的に発酵された食品を食べることで、 腸内で善玉

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カドブン×note ショートストーリー投稿コンテスト「#一駅ぶんのおどろき」開催!

【結果発表】 審査結果を発表しました!以下の記事リンクからぜひご覧ください。 KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」とnoteで、ショートストーリーの投稿コンテストを開催します。 テーマは「#一駅ぶんのおどろき」。通勤や通学の合間にスマホで手軽に読めて、おどろきや発見があるショートストーリーを募集します。 ジャンルは、ミステリ、ホラー、恋愛、エッセイ……なんでも構いません。文字数は、電車で一駅の間に読むことのできる1,000文字程度を目安とします。応募の際にはハ

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一駅格差

一駅、なんていったって都会と田舎じゃ大きな差がある。飯田橋ー神楽坂間なんて2分だぞ、JR成田線を見てみろ、一駅に5分以上かかるところなんてざらだい。 この「一駅格差」は私たちにちょっとしたずれをもたらす。例えば、世田谷育ちの彼は非常に交通の便がいい、渋谷まで乗り換えなしで10分、下北まで30分未満。そんな彼なんて一駅何てものは気まぐれに歩ける些細で身近な距離なのだ。それにひきかえ私は千葉の辺境。歩けばゆうに1時間はかかる距離が一駅に集約されているのだ、電車に対するありがたみ

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夢の駅

「次は終点……です」  いい声の車掌さん。 「お葉書です。クリスマスを待ちながらさんから。いつも運行お疲れさまです。私は電車に乗って隣の町の歯医者さんまで行きます。昔からある歯医者さんなのですが、最近ちょっと変わったことがありました……」  車掌さんが葉書を読む声を聞きながら、僕はうとうとする。終点が近づくと、僕はいつでもそうしなければならないのだ。車掌さんの声とちょうどいい揺れとの間にだけ安らぎの場所は生まれる。  ホームに停止したシートは途端に虚無に覆われてしまう。意

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痩せる6つの食べ方!

今回は痩せている人はどのように食べているのかについて話していきます。 まずは痩せている人がどんな日常を送っているのか特徴を知りましょう。 1、体重の増減よりも健康を重要視している 理想の体液をキープできている人は体重を落とすよりも心身に健康的な生活を送ることを重視しています。 太りやすい人やダイエットに失敗する人はや太ったり痩せたりを繰り返しやすい人ほど数グラムの体重の増減に一喜一憂してしまって過度なダイエットをしてしまう傾向があります。 2、主食はご飯 太りやすい人

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グランプリ受賞しました

お世話になっております。 カドブン×note ショートストーリー投稿コンテスト「#一駅ぶんのおどろき」に応募した作品「リボルバー」がグランプリを受賞いたしました。 「リボルバー」は以前からコツコツ書きためていた掌編小説の一つです。当時は300文字程度でした。 コンテストは1000文字程度ということでしたから、少し書き直して応募させていただきました。 短いお話を書くのは以前から好きだったのですが、せっかく書いても応募出来るようなコンテストをあまり見かけなかったので、今回

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娘と一緒に見ているこの景色を、僕はずっと忘れたくない

子供が生まれて5年以上の時が経った。 娘は塗り絵が好きで、よく一緒に手伝わされる。「ここは水色、横はピンクね。」と言われるがまま筆を進めるうちに、結構綺麗に塗れるようになった。ゲームばかりして育った僕にとってはすごく新鮮なことで、今では2人で塗り絵をするのはとても幸せな時間になった。 娘は小児弱視で、幼いながら眼鏡をかけて治療している。ちょうど3歳の頃、眼科検診で再検査してくださいと言われた。まだ小さいから発達が遅いだけだろうと思った、というかそう思いたかった。半信半疑な

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父のスキヤキ

食べ物は捨てちゃいけない。 いつもそう思っている。だから、バイキング形式のビュッフェで、あれもこれもお皿に溢れるくらいに取ってきて、半分以上、平気で残しているのを見ると悲しくなる。 家で料理をする時も、メニューを考える時から冷蔵庫の残り物を最後までどうやって使いきれるかを考える。残った料理も、少しだけ姿を変えながら翌日の食卓に登場することも少なくない。残さずに美味しく食べる工夫をする。 いつからこうなったんだろうか……。 ふと、何故かスキヤキは父親が最初から最後まで面

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無理なく痩せる必要があります。

「ダイエットを始めたいけど、実際どんなことから始めればいいんだろう?」 「自分でも続けられる簡単なダイエットはないかなあ……」 というように、ダイエットをしたいと思っていても具体的にどんなことをすればいいのか分からないとお悩みは多いのではないでしょうか。 ダイエットというとまず食事制限が思い浮かぶかもしれませんが、無理なダイエットは禁物です。 ダイエットは体に負担をかけず、気軽に続けられる方法で行いましょう。 この記事では、日々の暮らしに今すぐ取り入れられる簡単で健康的

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無理なく痩せる簡単ダイエット5つの工夫

「ダイエットを始めたいけど、実際どんなことから始めればいいんだろう?」 「自分でも続けられる簡単なダイエットはないかな。。。。」 と言うようにダイエットをしたいと思っても具体的にどんなことをすればいいのかわからないとお悩みは多いと思います。 ダイエットというと食事制限が思い浮かぶかもしれませんが、無理なダイエットは禁物です。 ダイエットはカラダに負担をかけず、気軽に続けられる方法で行いましょう。 日々の暮らしに簡単に取り入れられる簡単で健康的なダイエット法をご紹介し

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セレモニー

 小さいころから車が好きだった。20代はよくレンタカーを借りて海や山へドライブに行った。いまの妻、当時の彼女から「あなたといる時間の8割は車に乗ってる気がするわ」と、よくからかわれていたのがいい思い出だ。  結婚と昇進を機に、思い切ってマイカーを買うことにした。妻を説得するのにひと苦労するかと思いきや、「もちろんよ!」とむしろ力強く後押しされた。高額の部類に入る車種で、もちろんローン。なんて出来た妻だろうと感謝した。  念願の家庭とマイカーを手に入れた僕は、これまでにも増

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ロールプレイングゲーム

「じゃあ、これで」―――これが、専務の佐久間が私に投げ掛けた最後の台詞だった。秘書として数年間、毎日一緒に過ごしたというのに、結局最後まで、私は彼の心の奥底に触れることはなかった。エレベーターの扉が閉まるまで、私は深々と頭を下げて佐久間を見送った。 佐久間という男は、部下への思いやりもなく、ビジネスのセンスもなく、ただほんの少しばかり人より気が利くだけで、のし上がってきたような男だった。社長に同行する海外出張では、現地駐在員に先回りしてチェックインをさせ、喉の弱い社長の為に

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80歳

たとえばの話だ。 私は今80歳で、夫に先立たれ、たった1人で暮らしている。1人で暮らす一軒家は、しーんと静まりかえって、途方もなく広い。娘は市内に家庭を持ち、息子は飛行機に乗らなければ会えないほど、遠く離れて暮らしている。 幸い、体はまだ元気だが、時々ひどく寂しい。この頃は、子ども達がまだ幼かった日を思い出す。ふわふわの頬、私を取り合う声、ぐちゃぐちゃに取り込まれた洗濯物、本読みの丸つけ。 川の字で眠る布団のずれ、寝相の悪い息子の回し蹴り。溜まっていく友人からの連絡。同

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美瑛

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膨大な経済的な豊かさと成功、繁栄がぼくと、あなたにやってくるみたいです。信じるか信じないかは、あなた次第です。

 いちょうの木が葉を落とし、やけに寒そうに見えた朝。あいにく空も曇りもよう。先を急ぐ足を止めて、手ぶくろとって触れてみる。あんがい幹はあたたかく。なんだかちょっとひと安心。 88888  表参道のお気に入りの喫茶店に移動して、ひと通りブログやSNSをチェックしました。おっと、あと3人で note のフォロワーが8888人になるではないですか。で、よく見ると、フォローしている人の人数もなんと8人。うまくいけば8が5つ並ぶことになるということです。  うぉぉぉとテンション

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【第1話】未来を制する者は現代も制す!

こんにちは、未来人 J です! 未来で、価値創造マーケティング を行っています! 価値創造マーケティングでは、 その名のとおり 価値を創造します。 でも、難しいんですよ、 価値を創造するのって!!! 新しい価値を提供するには、 潜在価値を見つけるか、価値を創造するか。 簡単にできたら、コンサルタントはいらねぇ。 でもね、僕、気付いたんです、 僕には価値を創造する能力はないけど、 「今、当たり前にあるものって、  過去においては潜在価値じゃないの!?

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あかり

「ねえ、パパ怖いよ。」 映画が始まる前、客席の照明が落ちると、あかりは私の手を握ってきた。 ★ あかりの部屋は2階にあり、いつも、この部屋で遊んでいた。 電気のスイッチに背が届かなかったあかりは、夕方になると、2階からパパを呼びつけた。 「パパ、電気つけて。」 私が2階に上がると、電気のスイッチの下であかりが待っている。私は、あかりを抱きかかえ、まっすぐに伸ばされた人差し指で、スイッチを入れた。 「明るくなったね、パパ。」 あかりが、もう少し大きくなって、お風

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かんなちゃん

ここは、大手ゼネコンの会長室。私は、会長の机の上にいる。会長がパソコンの電源を入れると、3面あるディスプレィが一斉に光りだし、この部屋の様子を映し出した。会長は、私を包んでいた風呂敷を広げ、桐の箱のふたを取って、仰向けにされた私に向かって、ささやいた。 「かんなくん、今日もよろしく頼む。」 私の名は、かんな。会長の懐刀として、極秘任務にあたっている。そもそも、会長と私との馴れ初めは、会長が高級なかつお節を食べたいと言って、かつお節削り器を買ったことに始まる。まあ、端的に言えば

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車窓

私の人生が、些細ではあるが、ある時を境に変わってしまって、二度と元に戻らなくなった、その出来事を書いて置こうと思う。 今はもう七年も昔になるがその日、私は大多数の人がそうするのと同じく、列車に乗って、会社から家に帰るところだった。ロングシートに座っている私の右斜め前に、三十前後の女が立っていた。私は二つ、訝しんだ。一つ、私はその日、体をずらすのも億劫で、左端から二番目の席に座り、両隣が空いていた。彼女はそのどちらにも座らず、私は四十過ぎた男の悲しさから、体臭やら、風貌

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わたしの財布

サンタクロースにはじめて手紙を書いた理由は、どうしても欲しいものがあるから、だった。どうしても欲しかったのは、自分用の財布。 手紙に思いをしたためるために、真っ白い紙をパタパタと折って、本のかたちにした。 あて名はもちろん、【サンタクロースさんへ】。 住所は、サンタほどの有名人あての手紙には不要らしい。母からの教えだ。 「おこづかいをいれる、わたしのさいふがほしいです。かわいいくて、おみせにうっているようなのがほしいです。」 小学校に向かって家を出る時、手紙は母親に託した

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#一駅ぶんのおどろき 回顧録

「悔しい」というほどの感情はありません。 結構頑張って参加していた「#一駅ぶんのおどろき」に、ちっともひっかからなかったことです。数えたら13個書いていて、最近のコンテストでは一番頑張って投稿していました。 しかしこうして結果発表がおこなわれ、グランプリ受賞作品を見ると、それはそれは素晴らしい作品たちなわけです。白黒つけるなら私が選ばれる理由はない。選べと言われたら私だって受賞作を選ぶ。 そう思ったらあんまり悔しくなくなってきたわけですね。 悔しいと思っている暇があったら

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朝の散歩が気持ちよかったので

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満員電車で起こった悲劇

昭和生まれの20代はもう存在しないという記事をある時にみた。昭和64年1月7日生まれの人でも30歳だ。そう考えるとなんとなく感慨深い。 これから中心となっていくのは平成生まれだろう。そんな平成生まれは全体的に顔も小さく足も長い。まあともかく背が小さく足も当然短い私からみたらうらやましい限りだ。私の息子もそんな私の遺伝子を持っているはずなのにイマドキの体型をしている。なんとなく納得いかないが生活習慣が私の成長期とは違うのだろう。 そんなことはどうでもいい。 混雑している電

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エキストラ

あんなに雨が降ることを祈ったのに、やっぱりその日はケチのつけようのない秋晴れで、それはそのままあの二人の屈託のなさを表しているようで、私はどうも気に入らない。それどころか、夏を乗り越え、幾分優しくなった湘南の海は完璧で、その深いブルーの海に面した教会で向き合う二人はケチのつけようがなくて、あの子のマーメイドラインのウェディングドレスのフォルムとか、時折彼を見つめる睫毛の角度とか、とにかく全てがケチのつけようがなかった。早く、早く、ケチをつけなくちゃ……私はぎゅっと手を握りしめ

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来たる分身時代

「ごめんね。私、付き合ってる人がいるの。分身の術でもあったら、あなたとも付き合えたのにね。」 A子のその言葉が全ての始まりだった。 恋は盲目。A子の言葉を本気にした俺は、ネットで分身の術の情報を必死に集め、様々な組み合わせで試してみた結果、なんと本当に分身できてしまったのである。 分身に成功した俺と俺は、もちろん真っ先に喜び勇んでA子の元へ走った。 アゴが落ちそうなくらい唖然とした表情で俺と俺を出迎えた彼女に、早速分身の術を伝授する。目の前に成功サンプルがあるおかげで

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8両限界

幼いころ、私は、この駅から電車に乗るのが好きだった。日曜日に、隣町にある百貨店やレストランに連れて行ってもらうのが楽しみで、時刻表よりだいぶ早く駅に来ては、わくわくしながら電車を待っていた。ずいぶんと早く駅に着いたものだから、手持ちぶさたで仕方なく、プラットホームの上の人や物をキョロキョロ見回しては時間を潰していた。 ホームの終わりの方を眺めると、端から2両目くらいのところに、50cmほどの黄色い杭が立っていた。杭には「8両限界」と書かれている。なんの杭なのか、今でもわから

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ケーキ屋さんの開店を待つ間に

どうしても行きたいケーキ屋さんがあった。 そのお店は白いテントが目印の、小さなビルの2階にある。 開店の15分前にはお店に着いた。 するとビルの階段から店主の女性がタンタンと降りてくる。そばに停まっていた車から出した箱を両手で抱え、振り返ったところで目が合った。ぺこりと会釈する。 「すみません。まだ準備が出来ていなくて」 「いえいえ、むしろ早く着きすぎてしまいました」 お店まで上がる階段は人がすれちがえないほどの幅だ。準備の邪魔にならないよう外で待とうと思い、鞄から

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時間をください!!!!

いつも好き、コメントを多く寄せていただいて感謝しています。 これから書く内容は、先日の続きですが、私自身まだ迷っているので、興味のない方は、読み飛ばしてください。貴重なお時間の消費につながります。 山陽本線で岡山駅を出発して、2人が降り立った駅(差し障りがあるので、実名はふせます)。 母からは、おいしいケーキ屋さんに行こうと言われて付いてきたので、私が知っているケーキ屋さんに行こうとしたら、母が急に駅前でタクシーに乗り込んだものだから、「?」になってしまいました。 なん

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063. 体調が悪くて、でも頑張って、なのに文句はつらいから

 風邪をひいたり、疲れがたまっていたり、体調が悪いけどしかたなく出勤という経験は誰しもあるでしょう。  だけどパプアニューギニア海産のパート従業員はフリースケジュールだから体調が悪ければ休めばいいだけ。  と、言いたいところですが、現実はそんなことにはなりません。だってパートさんは時給ですから、働きに行かなければお給料はもらえません。生活費のために、体調が悪くても出勤することもあるでしょう。  で、私は思ったのです。体調が悪いながらも頑張って出勤、だけどやはり動きは悪く

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おっぽのお、しっぽのぽ

「はい、、はい、、わたくし×尾と申します。ええ、×は×××で、『お』はおっぽのおです。はいはい。。さようです。それでは失礼しまーす」 と、×尾くんは電話を切った。 電話で漢字を伝えるときに「尾」のことを「おっぽの"お"」と伝えているようだ。 そのことについてなんの異論もない。 でも、ふと思い浮かんだのだ。「しっぽ」にも「尾」って漢字入っているじゃん。「しっぽ」でも説明できるのでは? さっきのやり取りを脳内シミュレーションしてみる。「ええ、×は×××で、『お』はしっぽの

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ロシアの京都へ行く

次なる都市、サンクトペテルブルクへ到着。 モスクワ=東京、サンクト=京都という表現を どこかで見たが、まさにそうだった。 大昔のヨーロッパへ迷い込んだような都市だった 1月1日の夜 ついにサンクトペテルブルクに到着。 ↓モスクワ編はこちらからどうぞ ◼︎とにかく39番バスに乗り込め! 空港に着いた時には既に20時過ぎ。 何とか市内行きのバスに乗りたい。 「39番バスに乗る」 情報はこれだけ。 時間間隔や最終便が何時なのかわからない。 何としてでもタクシー代を節約

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部内旅行

「今時、部内旅行なんて時代錯誤もいいところじゃない。断っちゃいなよ。それでも来いって言うなら、それは立派なパワハラだって」 同期新入社員の夏子が、大きく目を見開き「ない、ない」というように大げさに左右に首を振る。私は、すぐ近くで、私たちに背を向けて一人で蕎麦をすすっている幸恵に聞こえはしないかとヒヤヒヤし、そっと目で制した。夏子はしゅっと首をすくめると、一段声を落とし、顔を近づけてきた。「60近くにもなるとさ、知り合いだらけの社食で、一人で平気で蕎麦食べられるんだよね。美紀の

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しあわせの黄色いコーンマヨ軍艦

今日も、えびアボカドが食べたくて、新幹線と在来線が交差する駅の回転すし屋にやってきた。みんな幸せそうにお寿司を食べている中、私は、ファミリー席に一番近いカウンター席に案内された。おもむろに、粉茶に湯を注ぎ、目を閉じて、ゆっくりと喉をうるおした。この瞬間が最高に幸せだ。目を開くと、せっかくのえびアボカドが、はるか左手に消えて行ってしまった。 どうせなら、運試しをしてみよう。目をつむり、ゆっくりとお茶を飲む。そして、目を開いた時、えびアボカドだったら取る。違えば、流して、また、

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リボルバー

 一年ぶりに出した石油ストーブの光は、あの日、私達の影を浮かばせた夕陽とよく似ている。  二人きりで下校するのが初めてだった私達は、緊張で何も話すことが出来なかった。足元から伸びた影に引きずられるように、私達は並んで歩いていた。何も話せないならせめてと、あなたの左手の影に、私の右手の影を重ねて、影だけは恋人同士にさせていたっけ。  あれから二十年。  私が石油ストーブの光に目を細めている間、あなたは手にしたスマートフォンの光に目を細めている。  そんなあなたの隣で、私は切りす

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彼女のことを、上から見るか、下から見るか

わたしの実家は下町でラブホテルを家族経営していた。 社長であった祖父が亡くなると、叔母のひとりがすぐさま遺産を分けろと憤り、後継者であった父は泣く泣くホテルを売り渡して遺族に遺産分与をしたらしい。 そのあと父と叔母は仲違いをして連絡も取っていない。 この話を聞いた時、なんて強欲な叔母だろうと幻滅した。 時が経ち、風の噂で叔母が飲食店を開くと聞いた。父はお祝いの品など送らなくていいし、わざわざ出向かなくていいと言った。 ある日母がいつもよりしっかり化粧をしているので、どこ

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