美瑛

画像1 素敵な風景は 観光の資源に繋がるわけですが 美瑛の農家さん達にとっては 訪れる観光客は悩みの種です。 作物達の植えられた畑に侵入する 心無い観光客は 靴の裏に付いた雑菌達を畑に持ち込み 大切に育てた作物を死に至らしめる。 インスタ映えの為に そこまでする必要があるのだろうか?
画像2 自然と人間の距離は難しい。自然の中、人は自分自身のモラルと対峙して写真を撮る事になるわけですが、なかなか、それが難しい人も少なくないようです。
画像3 もしも、あなたの部屋に知らない人が突然やって来て、あなたにカメラを向け写真を撮ったり、あなたの部屋に上がり込んで来た、その人が土足だったり、その靴に得体の知れない病原菌が付いていたら、、。あなたの部屋にタバコをポイ捨てして、さらにゴミをポイ捨て。笑顔であなたの部屋の中の壁の前で得意げにポーズをとって写真を撮っていたら、、
画像4 あなたは耐えられるだろうか?
画像5 一部の心無い写真を撮る人の自己中心的な行動が、美瑛の風景さえも変えつつあります。
画像6 畑への侵入被害が長年続いた農家さんは、苦渋の決断で木を伐採して風景を破壊しました。それ以外に畑を守る方法が無かったのです。身勝手な一部の人の写真の為に畑を破壊され、美しい風景を敢えて破壊せざるをえなかった農家さんの気持ちは計り知れない。
画像7 美しい風景の中で、ふと足元を見るとタバコの吸い殻が無数に落ちていたりもします。火事になる危険な行為すら、誰も止められないのが実情です。素敵な風景の中、誰かがポイ捨てした吸い殻やペットボトルやお菓子の袋やコンビミニのビニール袋が落ちていたりします。どこかのテーマパークでは無いのでゴミを拾う係の人は当然いないのです。お願いだからゴミを捨てないで欲しい。ただ、そっと風景を楽しんで欲しい。
画像8 畑の中だけではなく、私有地に勝手に入って写真を撮っているケースが増えています(自分の敷地の中に知らない人がいて、大人数でワイワイ写真を撮っていたら驚きますし怖いから注意出来ないですよね)。私有地に車で乗り入れて、勝手に車を駐車、どこかに行ってしまうなんていうケースも増えていますので周辺住民の方々は本当に困っています。
画像9 観光は素敵です。この地を訪れた人々の心には綺麗な風景を楽しんだ記憶が残る事でしょう。しかし、ここはテーマパークでは無いのです。自然であり農地なのです。広大な土地の中でゴミを捨てても注意する人はいないでしょう。だからこそ、個人の心の中にある善意に頼るしかありません。
画像10 野生動物たちに対してエサをあげる行為も悲しい結果しか産みません。レンタカーなどを使用した観光客が野生動物に遭遇すると、珍しさのあまり車を停めて写真を撮ります。もっと動物を近くで撮りたくなりエサを使っておびき寄せたり、、或いは可愛いから、、そんな思いでエサを与えられた野生動物は間違った学習をして「車が来たらエサをもらえる」と信じるようになります。結果的にはタイヤの音がすると車に寄ってくる習性になり事故で死にます。
画像11 こういった文章を読んでくれている人はモラルがあり迷惑な撮影はしないのも知っています。なので写真の撮り方を誰かに教えてあげる機会があった時には、マナーや道徳なんかについても、そっと教えてあげてほしい。熊に与えたソーセージ一本がその後、事実、大変な事件に繋がりました。インスタ映えを目指した写真が、何年も続く素敵な景観を破壊し続けている事実を教えてあげて欲しいです。。
画像12 あの丘の美しい風景、二度と撮る事は出来ないのですが、あの美しい風景が変わっていく様を見た人間には、誰かに伝える責任があるように思えて文章を書いてます。
画像13 2019年8月現在、木は更に伐採され、美しかった風景は随分と変わり果てました。そして、今日も何者かが畑の中に侵入した足跡が残っています。2019年10月NHK北海道でも美瑛町の観光による農業被害、自然破壊が取り上げられました。町として条例などで対応する事を検討中との事です。そして、あの丘の風景は、さらに無残な姿になっているのをニュースで知りました。
画像14 大好きなクリスマスツリーの木。今年の冬は、見れるのかな?って、ここ数年は、ずっと心配してます。この木を、また見られるようにするには、僕ら、写真を写す側のモラルも立派に育てないと、、、と痛感します。あの夏、みんなで何かに気づいて、素敵な風景を守れたね。って、いつか、みんなで乾杯したい。

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