henzutsuu

都内でOLをしています。

henzutsuu

都内でOLをしています。

    マガジン

    • 東京嫌い

      • 29本

      《東京嫌い》というテーマのもと、さまざまな書き手21人が東京への愛憎を描いた読み切りアンソロジー。渋谷の老舗ワインバーのマスター、伊勢で稲をつくってサトナカを売る農民、土とことばを耕す信州のライター。noteで出会った三人による責任編集で2020年の「あの空気」を閉じ込めた、ここでしか読めない作品たちを収録。

      • 東京嫌い

        • 29本

        《東京嫌い》というテーマのもと、さまざまな書き手21人が東京への愛憎を描いた読み切りアンソロジー。渋谷の老舗ワインバーのマスター、伊勢で稲をつくってサトナカを売る農民、土とことばを耕す信州のライター。noteで出会った三人による責任編集で2020年の「あの空気」を閉じ込めた、ここでしか読めない作品たちを収録。

    最近の記事

    あるはずだった恋に思いを馳せて、そっとページをめくろう

    「窓から漏れ出る灯り」が、事のほか好きだ。ハリウッド映画なんかでよく見るけれど、主人公が住んでいるマンション全体を、まず空からカメラがとらえ、そこからグーンと目線が下へと降りて行き、それぞれの住人が暮らす各階の様子をなぞって、主人公の部屋の中へとカメラが入っていく。ある部屋では、老夫婦が静かに食事をしている。隣の部屋では、小さな子供が走り回り母親に叱られている。そのまた隣の部屋では、薄暗い照明の下、恋人同士がソファで肩を寄せ合ってワインを飲みながら映画を見ている――― 「恋

    スキ
    56
      • 狂乱のテレワーク

        女うるせえ!男いい加減!このざっくりとした論理が正しいことを、この度のコロナ禍で痛感した。 一から説明します。 今みたいな騒ぎが起きるなんて、全く想像もつかなかった昨年の秋、私は学生時代からの長い付き合いである友人の実家に泊めてもらった。朝御飯の時、友人のお父さんが台所へやって来た。そして一言、こう言ったのだ。 「おーい、母さん、飯炊けてるか?」と。それに対し、友人のお母さんは、誰に聞かせるとでもなく、かといって客の私にもハッキリと聞こえる音量で、こうまくしたてながら、ご飯

        スキ
        121
        • 橙色に頬をぶたれる

          真理子の部屋の窓からは、東京タワーが望める。と言っても、目の前を通る首都高の急なカーブに、見事に遮られている不完全な姿。けれど、真理子はこの景色を手に入れる為に、かなり無理をして、毎月の家賃を払っている。東京タワーの灯りは、真理子にとっては、神様みたいな、お守りみたいな存在で、寝る前にその姿さえ確認出来れば、静かにカーテンを閉めて、その夜をそっと終えることが出来る。 エッフェル塔は洗練され過ぎた冷たい白い光、スカイツリーは下町っぽさが隠せない紫色の光で、そんなに好きじゃない。

          スキ
          109
          • note同人誌『東京嫌い』

            ずーっと更新をサボっていたのに、今回お声をかけて頂き、こんな素敵な企画に参加させて頂くことになりました。嬉しい!いつものように、おふざけコラムにしようか迷いましたが、今回は真面目な小説を寄稿させて頂きました。他の執筆者の皆様が偉大過ぎますので、是非よろしかったら、私の作品もついでに読んで頂けたら嬉しいです。 そして、こんな時代ですが、おふざけコラムネタも、沢山頭の中にはあるので、近々投稿出来たら、と思っています。

            スキ
            36
            • 狂乱のテレワーク

              スキ
              121
              1年前
              • 橙色に頬をぶたれる

                スキ
                109
                1年前
                • note同人誌『東京嫌い』

                  スキ
                  36
                  1年前

                マガジン

                すべて見る
                • 東京嫌い

                  • 29本
                  • ¥300

                  《東京嫌い》というテーマのもと、さまざまな書き手21人が東京への愛憎を描いた読み切りアンソロジー。渋谷の老舗ワインバーのマスター、伊勢で稲をつくってサトナカを売る農民、土とことばを耕す信州のライター。noteで出会った三人による責任編集で2020年の「あの空気」を閉じ込めた、ここでしか読めない作品たちを収録。

                • 東京嫌い

                  • 29本
                  • ¥300

                  《東京嫌い》というテーマのもと、さまざまな書き手21人が東京への愛憎を描いた読み切りアンソロジー。渋谷の老舗ワインバーのマスター、伊勢で稲をつくってサトナカを売る農民、土とことばを耕す信州のライター。noteで出会った三人による責任編集で2020年の「あの空気」を閉じ込めた、ここでしか読めない作品たちを収録。

                記事

                すべて見る
                  • エキストラ

                    あんなに雨が降ることを祈ったのに、やっぱりその日はケチのつけようのない秋晴れで、それはそのままあの二人の屈託のなさを表しているようで、私はどうも気に入らない。それどころか、夏を乗り越え、幾分優しくなった湘南の海は完璧で、その深いブルーの海に面した教会で向き合う二人はケチのつけようがなくて、あの子のマーメイドラインのウェディングドレスのフォルムとか、時折彼を見つめる睫毛の角度とか、とにかく全てがケチのつけようがなかった。早く、早く、ケチをつけなくちゃ……私はぎゅっと手を握りしめ

                    スキ
                    77
                    • 部内旅行

                      「今時、部内旅行なんて時代錯誤もいいところじゃない。断っちゃいなよ。それでも来いって言うなら、それは立派なパワハラだって」 同期新入社員の夏子が、大きく目を見開き「ない、ない」というように大げさに左右に首を振る。私は、すぐ近くで、私たちに背を向けて一人で蕎麦をすすっている幸恵に聞こえはしないかとヒヤヒヤし、そっと目で制した。夏子はしゅっと首をすくめると、一段声を落とし、顔を近づけてきた。「60近くにもなるとさ、知り合いだらけの社食で、一人で平気で蕎麦食べられるんだよね。美紀の

                      スキ
                      51
                      • ロールプレイングゲーム

                        「じゃあ、これで」―――これが、専務の佐久間が私に投げ掛けた最後の台詞だった。秘書として数年間、毎日一緒に過ごしたというのに、結局最後まで、私は彼の心の奥底に触れることはなかった。エレベーターの扉が閉まるまで、私は深々と頭を下げて佐久間を見送った。 佐久間という男は、部下への思いやりもなく、ビジネスのセンスもなく、ただほんの少しばかり人より気が利くだけで、のし上がってきたような男だった。社長に同行する海外出張では、現地駐在員に先回りしてチェックインをさせ、喉の弱い社長の為に

                        スキ
                        100
                        • 「マチネの終わりに」を観て

                          ※少しネタバレあり 「まあ俺くらいになると、第一打からグリーン見据えてっから。フェアウェイだけ見てるわけじゃねえから、大事なのはその先だよ。うん……」ーーーゴルフ場のレストランで五目あんかけ焼きそばをすすりながら、私は目の前で熱くゴルフ論を語ってくる、初対面のおじさんを見つめていた。今頃、福山を見ているはずの私の目は、何故この金髪&ピアスの小さな黒いおじさんを捉えているのだろう……運命?ではない、私のミスだ。 一から説明します。私は先日、このnoteが募集していた「マチネ

                          スキ
                          81
                          • 「DRESS」の特集に寄稿させて頂きました。 女性による「おっぱい」特集って、目のつけどころがとても面白い企画だと思います! https://p-dress.jp/articles/9671

                            スキ
                            34
                            • 日本一面倒くさい破局

                              最近、とある社内恋愛カップルが破局したと聞いた。社内恋愛の破局なんてもの自体、珍しくもなんともないが、今回のカップルについては、ちょっと注目してしまう。何故なら、男は、心が内部複雑骨折しているとしか思えない「無造作フェイク男」であり、女は、常に何かに追い詰められた「一から百まで確認女」という、日本一面倒くさい組み合わせだったからだ。 一から説明します。 まず男。こいつは、大学卒業以来、日本の大手企業に勤め、現在30代も半ばを迎えているにも関わらず、自分が平凡なサラリーマンで

                              スキ
                              177
                              • My仏滅

                                先日、とんでもないことをしでかしてしまった。会社の男子トイレで用を足してしまったのだ……。 一から説明します(←これ、久しぶり)。説明するの恥ずかしいけど、説明します。 思えばその日はとんとついていなかったのです。 朝、通勤の為に家から外に出た瞬間、おろしたてのストッキングが鼠径部に食い込んで超痛いんですけど!とイラつく、その直後に駅の階段ですっ転ぶ、その直後にSuicaのチャージ切れで改札に挟まり数人に舌打ちされる、その直後にスカートに薄いシミを発見する、その直後にホー

                                スキ
                                135
                                • コメントウザ男に菩薩リプライ③~年始編~

                                  SNSで発せられる、友人たちの年始の抱負。 「昨年も色々活躍したし、今年も活躍するだろうな」という友人ほど、新年の抱負はサラリと、そして具体的に、分かりやすい言葉で書いてある印象。 以前から私がFacebook上で注目している、コメントウザ男と菩薩のやりとりは、そんな年始のやりとりについても、期待を裏切らず熱かった。 菩薩は2019に入っても菩薩らしさを失わず、やはり抱負も真面目。 「2019の始まりは、ご近所の七福神巡り。寒かったけど、なんとかコンプリート!ご利益あると

                                  スキ
                                  79
                                  • 男としての帰宅シーン妄想

                                    「自分の妻がフランス料理の先生だったら」……多くの男性は「悪くないね」そう思うだろう。しかし、実際にフランス料理の教室を開いている妻を持つ同僚は、先日のハロウィンをいたく恐れていた。 「あー、帰りたくねぇ。なんでかってさ、多分、今日の食卓はベルサイユ宮殿も真っ青な仕上がりになってるに違いないんだよ。猫足のついた蝋燭立てに蝋燭が何本も光ってて、レースのテーブルクロスの上には、デコラティブな西洋の食器がこれてもかって程並べられててさ、その皿に、数時間かけて濾しに濾した、滑らかな仕

                                    スキ
                                    87
                                    • 夜風に香る、幸せを運ぶ髪

                                      真っ暗な夜道に浮かび上がる美容院が好きだ。 毎日通る住宅街の坂の途中に、小さな美容院がある。お客さんが帰った後、見習いの美容師さんたちが、マネキンのカツラを相手に、真剣な顔でカットの練習をしている。その姿を外から覗くと、私はいつも背筋が伸びる思いがする。大抵私はホロ酔いで、あとはもう寝るだけだというのに、美容師さんたちはまだ戦いの真っ最中。そこには、働き方改革とか、テレワークなんて概念は全く通用しない、腕一本でやって行く世界が広がっている。人が真剣な面持ちで技術を習得し、夢を

                                      スキ
                                      90
                                      • 半魚人と「致せるか」問題

                                        以前、私は映画「美女と野獣」を観た感想として、「野獣がいくら良い男で、かつ本当は王子様だとしても、全身がリアルに毛むくじゃらな時点で、『実際に事を致す(夜を共にする)』には、相当のハードルがある」点について投稿した。 しかし、この映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の前では、「野獣と致す」なんて、楽勝行為とすら思えます!ということを電車の中で急に思い立ったので、投稿。 そもそも私の嫌いな食べ物は「ひじき、昆布、ところてん」……つまりは、海くさいものが苦手なわけである。なので

                                        スキ
                                        91
                                        • カメラを止めるな

                                          ようやく、映画「カメラを止めるな」を観た。 前評判通りとても楽しめたのだけど、見終わった後、つくづくと「創作」というものに必要な、果てしないしんどさ、途方もない労力を感じて、どっと疲れてしまった。 さて、私には、長編小説を書き上げたいという希望がある。あるけれども、どうしても最後まで書き切ることが出来ない。 そもそも、「小説を書き上げる」までには、いくつかの段階がある。まず、世の中には、小説を読まない人がいる。小説そのものに興味がないというか、生活の中に物語がなくても平気な

                                          スキ
                                          49