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満員電車で起こった悲劇

昭和生まれの20代はもう存在しないという記事をある時にみた。昭和64年1月7日生まれの人でも30歳だ。そう考えるとなんとなく感慨深い。

これから中心となっていくのは平成生まれだろう。そんな平成生まれは全体的に顔も小さく足も長い。まあともかく背が小さく足も当然短い私からみたらうらやましい限りだ。私の息子もそんな私の遺伝子を持っているはずなのにイマドキの体型をしている。なんとなく納得いかないが生活習慣が私の成長期とは違うのだろう。

そんなことはどうでもいい。

混雑している電車の中ではいろいろな物語が発生する。大抵は幸せな物語よりは苦痛な物語が多いはずだ。

座ることができないのはもちろんのこと、立っていてもとにかく人とぶつかり、バッグも意味不明なところに挟まったり、背が低いと窒息する可能性もある。だから時には怒鳴っている声も聞こえる。特に朝の通勤電車はとにかく戦いなのだ。仕事をする前に戦わなくてはいけないなんて本当にご愁傷さまとしか言えず、そのご愁傷さまの中には私も含まれている。

そんなことを言っている場合ではなかった。

ある日のこと。そんな混雑している電車の中で起こった物語。

朝の通勤電車は相変わらず混んでいて、狙っている席はあったもの席取り競争に負けてしまい仕方なくつり革につかまり立っていた。私の隣でつり革につかまっている人が、なにかモソモソと体制を直している。その理由が前に座っている女性が足を前に伸ばしておりその足に引っかかってしまいうまく立っていられないようだった。

私はその女性の顔を見た。たぶん20代の女性でモデルさんような細身の体型だ、しかも鏡を手に持ち顔をアートしていた。

さすがにその女性の前に立っている人もつらかったのだろう。

もう少し足を内側に引いていただけませんか


その座っている女性に声をかけていた。それに対する返事が、

私、足長いので・・


大門未知子(by.ドクターX)だってそんなこと言わないだろうと思うようなびっくりな一言だった。そのメンタルの強さが、ある意味羨ましいと思ってしまった。

女性の前に立っていた人は、一駅区間をなんとか我慢し場所を移動していった。