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小説、短歌、イラスト、マンガなど カドブン×note ショートストーリー投稿コンテスト「#一駅ぶんのおどろき」グランプリ受賞

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グランプリ受賞しました

お世話になっております。 カドブン×note ショートストーリー投稿コンテスト「#一駅ぶんのおどろき」に応募した作品「リボルバー」がグランプリを受賞いたしました。 「リボルバー」は以前からコツコツ書きためていた掌編小説の一つです。当時は300文字程度でした。 コンテストは1000文字程度ということでしたから、少し書き直して応募させていただきました。 短いお話を書くのは以前から好きだったのですが、せっかく書いても応募出来るようなコンテストをあまり見かけなかったので、今回

    • 泥の道【掌編】

       足首まで沈む。泥でぬかるんだ地。もっと速く進みたいのに、進めない。ようやく右足を泥から抜いて、一歩前へ。また泥へ沈む右足。左足も泥から抜いて、一歩前へ。また泥へ沈む。この繰り返しを何度も繰り返す。進まない。  鼠色の曇った空から、雨粒が、一つ、二つ、三つ。やがて、無数の雨粒が落ちる。さらに泥が重くなる。早くここを抜け出したいのに、進めない。一向に。  重たくなった泥が私の足首を掴むので、前に倒れ込んでしまった。全身が泥にまみれる。両手に力を入れ、身体を起こし、雨を落とす天を

      • 読書沼(2024.10.22)

        最近読んだ本の感想です。 「カササギ殺人事件」アンソニー・ホロヴィッツ【著】現実の物語が虚構の物語を包含し、一作で二度謎解きを味わえる。上巻は古き良きミステリー、下巻からは作風が変わる、斬新な構成。複雑な物語で、誰もが怪しく、事件の真相も犯人も全く予想がつかなかった。傑作と呼び声が高いのも頷けた。 「黒い睡蓮」ミシェル・ビュッシ【著】モネの「睡蓮」で有名な村で発生した殺人事件。捜査する署長と彼を魅了する美しい既婚女性、才能溢れる少女、謎の老女。老婆の正体に途中で勘づいてし

        • 爪痕【掌編】

           夜空に爪痕。藍色の空に浮かぶ爪痕の形をした月。細い隙間から月がこちらを覗き見ている。さらさらと地上に降り注ぐ月明かり。両手をお椀の形にして月明かりを受け止める。そして、一気に飲み干す。ごちそうさまです。  あの夜も、爪痕みたいな月が浮かんでいた。大切にしてくれない人を、大切にする必要はないと気づいて、お別れの言葉を伝えたあの夜。当然のごとく、あの人は引き留めはしなかった。 「わかった」  その一言だけ。あまりにもあっさりとした結末だった。自ら幕を引いたのに、これでよかったの

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          逃げること出来ず再び身支度を整えた秋こっちを見てる

          逃げること出来ず再び身支度を整えた秋こっちを見てる

          はたらきたくない

          はたらきたくない

          タクシーに乗って【短編】

           乗車したタクシーが空へと舞い上がる。 「どちらまでいかれますか?」  隣の運転席は無人。スピーカーから流れる声に 「クジラ通り三丁目」  と答える。 「かしこまりました」  スピーカーから返答がある。  金曜日、19:33、僕はタクシーに乗って、君の住むクジラ通り三丁目へと向かう。  眼下には星屑みたいなネオン。あの光の一つ一つには、誰かが息づいているというのに、見下ろすとただただ輝いているだけの、無機質な街の風景としか認識できない。初めてタクシーに乗ったあの日は、この輝き

          タクシーに乗って【短編】

          ネギサムライ【短編】

           エコバックを忘れた。仕方がないからネギは背中のリュックに突き刺した。 「ネギを買ってきて」  と同棲中の彼女から頼まれた。だったらいいけど、そうじゃない。一人暮らしの僕の夕食を少しでも美味しくするためには、ネギがどうしても必要だった。だから、仕事帰りに買っただけ。  僕は背中にネギを差したまま、自転車で自宅アパートへと向かう。  今日も馬鹿みたいに暑すぎる熱を放出していた太陽が、ようやく地に沈もうとしている。沈みかけている癖に、未練がましい光を放出して、空を染め上げている。

          ネギサムライ【短編】

          海を見たいともがくだけ【短編】

           当然だ。「別れたい」君から届いたメッセージ。  ここ数か月、君と休みを合わせることが出来なくて、ずっと会えていなかったから。それでも、マメに連絡を取っていたら、よかったのかもしれないけれど、出来なかった。仕事が終わったら、少しでも早く帰宅して、食事をして入浴して、一分でも長く眠りたくて。余裕がなかった。その程度の気持ちだったのかと問われそうなので、言い訳には出来ない。だから、僕は 「ごめんね」  そう一言、返信した。  既読にはなったけれど、返事はなかった。  君と別れて

          海を見たいともがくだけ【短編】

          ネコ先輩【短編】

           ネコ先輩が死んだ。  友人の達也から、スマホにメッセージが届いていた。確認したのは休憩中。コンビニで買ったサンドイッチを食べ、デザートの杏仁豆腐の最初の一口を味わっていた時だった。 「ネコ先輩、亡くなったらしい」  杏仁豆腐の味が舌の上から消えていった。  メッセージが届いたのは、およそ10分前。達也もちょうど休憩時間なのだろう。 「は?」 「この前、職場の同僚と『たんぽぽ』に飲みに行ったんだけど、店長から聞いたんだ」  達也は僕が大学生の頃のバイト仲間だ。『たんぽぽ』は働

          ネコ先輩【短編】

          雨催い【短編】

           分厚い灰色の雲が白く光った。続けて雷鳴。降り出しそうだ。雨が。傘は持っていない。だから、私は足を速めた。待ち合わせ場所には、後十分。あの人の車が待っているはず。持ちこたえてくれたら、私は、濡れずに助手席へ座れる。一時間近くかけたメイクやヘアセットが台無しになりませんように。  ヒールの音が私の脳をノックする。おいおい、正気ですかと。  これまで、あの人が、私のメイクやヘアスタイルを褒めてくれたことが一度でもあっただろうか。雨に濡れたところで、きっと気づきやしない。あの人が興

          雨催い【短編】

          哀愁スイカ【短編】

           艶々と光るスイカの表皮を睨みながら、腕を組んでいるのは僕だ。  何年スイカを食べていないだろう。  子供の頃、夏になると父は決まって、スイカを一玉買って来た。僕は三人兄弟の長男で、次男と三男、父と母、五人家族で、そのスイカを切り分けて食べた。口の周りを果汁だらけにして、種をふざけて飛ばし合ったりして、笑いあいながら、皮の白い部分ぎりぎりまで食べた。大きな一玉は一瞬でなくなった。  大人になってから、スイカを食べる機会は減った。スイカのことが特別好きなわけでも、嫌いなわけでも

          哀愁スイカ【短編】

          でもいいよ それでも別に もう何も そんなもんだし とんだ茶番だ

          でもいいよ それでも別に もう何も そんなもんだし とんだ茶番だ

          月踏み【掌編】

           月を踏みそうになった。  雨で濡れたアスファルトに、映し出される月の姿。かと思ったら、それは、街灯の光であった。人気がなく、足音さえも夜空に反響するほどに静かな夜。足元には、月の姿に化けた街灯の光が連なり、俺の進むべき先へと誘っている。  傘を持つ手には、雨の滴が弾ける僅かな振動が伝わってくる。足音よりも小さな雨音が心地いい。  顔をあげ、街路樹の青葉を見上げると、雨粒が涙のように悲しく滴っている。  氷のように冷たい風が、俺の頬を指先で撫でるように吹いた。風が吹いた先を見

          月踏み【掌編】

          空気読む無理して笑う存在の僕らにだって叫びはあるよ

          空気読む無理して笑う存在の僕らにだって叫びはあるよ

          特撮のDNA

           上田市美術館で開催中の「特撮のDNA」へ行って来ました。  入場口ではゴジラがお出迎え  入り口のお姉さんにチケットを見せて説明を受ける。  写真撮影とSNS投稿はオッケーで動画やフラッシュは禁止だそうです。  ワクワクしながら入場。  劇場版第1作目のポスター  なんかマヌケな表情のゴジラ  ゴジラの卵 迫力のある顔 たまらんです 尻尾長くて美しい 家に飾りたい ゴジラの骨 物悲し ゴジラがいっぱいいる 嬉しい 

          特撮のDNA