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日記みたいなもの

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読書沼 2024.01.05

読書沼 2024.01.05

「自由研究には向かない殺人」ホリー・ジャクソン【著】読了。自由研究で5年前に起きた少女の失踪事件について調べている主人公ピップ。アプリやSNSを駆使した捜査が現代的。何よりピップのキャラクターがいい。賢く明るく行動力と決断力があり、まっすぐでひたむきな姿勢が心を打つ。面白かった!

「優等生は探偵に向かない」ホリー・ジャクソン【著】読了。シリーズ2作目。前作同様、ページをめくる手が止まらないほどの

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読書沼 2023.11.12

読書沼 2023.11.12

最近読んだ本の感想です。

「星降り山荘の殺人」倉知淳【著】読了。雪の山荘で起こる連続殺人事件。各章毎に作者からのヒントがあるというユニークな構成。登場人物のキャラクターのクセが強くて面白い。終盤ではある人物の意外な一面が明かされて笑ってしまった。

「噂」荻原浩【著】読了。今から20年前の物語だがSNSが普及した現代でもあり得るかもしれない事件。真相が気になり一気読み。そしてラスト一行に「ええ!

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読書沼 2023.10.14

読書沼 2023.10.14

読書熱が再燃してしまい、沼から抜け出せません。
ということで、最近読んだ本の感想を書いていこうと思います。
ミステリーが多めです。

「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光【著】
紙の書籍でしか出来ない仕掛け。気付いた時まさかとページを遡り驚愕です。最後の1ページも素敵。本当に透きとおってました。作者のアイデアや努力に脱帽です。

「わたしが消える」佐野広実【著】
江戸川乱歩賞受賞作。認知障害の

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今日もボンネットを開けてしまう【日記】

今日もボンネットを開けてしまう【日記】

 旅行記というものを初めて読んだ。「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」である。お笑い芸人の若林正恭さんがキューバ、モンゴル、アイスランドに一人旅へ行った際のお話が、面白おかしく、時に哲学的な話も交えながら綴られていた。
 若林さんがお笑いのセンスがあることは充分知っているけれど、優れたエッセイストでもあるのだなぁと、感心してしまった。
 どの国のお話も興味深く読ませてもらったのだが、僕が一

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スイートデビルと呼ばれている【日記】

スイートデビルと呼ばれている【日記】

 最近、職場で「スイートデビル」と呼ばれている。
 僕は、周囲から「いい人」に見られがちだ。だから、好印象を持たれることもあるし、舐められる事もある。
 実際の僕は「いい人」だろうか。そんなことはない。ズルい考えを持つこともあるし、薄情なところもあるし、毒づくこともある。ただ、「いい人」の振りをするのが上手いだけだ。別に無理していい人ぶっているわけではない。無意識でそうしてしまう。
 しかし、「い

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僕はきっと文通は出来ない【日記】

僕はきっと文通は出来ない【日記】

 唐突にどこかの知らない誰かと文通をしたい気持ちが湧いてきた。インターネットが普及した現代では、文通は逆に新鮮で面白い気がする。文房具店で便箋や封筒を選んだり、どんなペンを使えばいいのか考えたり、きれいな文字を書こうと気を使ったり、切手を買ったり、ポストに投函するために遠回りしたり、いつくるかわからない返事を待ったり、どれももどかしいけれど、素敵な時間なのではないだろうか。けれど、落ち着いて考えて

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4000週間

4000週間

 80歳まで生きるとしたら4000週間。
 一週間がとても速く過ぎて行く。年々速く過ぎて行く。
 僕に残された時間はあとどれくらいなのか。そう考えると少し焦る。焦る?どうしてだろう。僕には何か目標でもあったっけ。何か成し遂げたいことでもあったっけ。夢なんてあったっけ。
 何かを目指していた過去もあったかもしれない。でも、辿り着けなかった。間違った選択をしていたかもしれないし、間違った努力をしていた

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悲しみの置き場

悲しみの置き場

 友人の訃報が届いた。
 あまりにも突然すぎて、理解が出来なかった。理解は出来ないのに、涙が溢れそうになって、とにかく、その訃報を受け取ったのは、仕事の休み時間だった。仕事に支障を来したくなかった。だから、僕は悲しみを、心の隅っこに無理やり押し込む。そして、何事もなかったかのように、仕事に取り組んだ。だけど、ふとしたときに、悲しみが湧いてきそうになって、無理やり抑え込んで、その繰り返しを重ねて、よ

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気配を失くしたい

気配を失くしたい

 落ち葉を踏む。靴底で湿ったポテトチップスが割れるような音が鳴る。覇気のない音でも僕がここにいる証明になる。
 誰かに傷つけられたり、誰かを傷つけたり、その度に僕は消えたくなる。だけど、僕は消えない。歩くだけでも音が鳴ってしまう。
 すっかり木の葉を落とした木々。骸骨のような枝を寒空に突き刺している。一時期落ち葉で溢れていた公園だったが、誰かが毎日掃除をしてくれているおかげで、今はほとんど何も落ち

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いじけた老人にはなりたくない

いじけた老人にはなりたくない

 最近、仕事が忙しい。休みの日は疲れた身体を休ませる事を優先しているので、創作する余裕がない。それは、僕にとってあまりいいことではないようだ。身体を休ませていても、つい頭の中で仕事の事を考えているから。夢にまで出てくる。つまりアクセルをずっと踏んでいる状態なのである。この状況が長く続けば、いつか息切れをしてしまうだろう。経験上わかる。僕はそんなにタフじゃない。
 気分転換が必要だ。久しぶりに一人で

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僕の中に「藤岡弘、」がいる

僕の中に「藤岡弘、」がいる

 僕は占いには興味がない。スピリチュアルな話も苦手。科学的にとか、統計的にとか、そういった説明をされる方が納得する。
 占いでも科学的でもない、その中間あたりに位置している心理テスト的なモノもある。それなら、たまに診断してしまうことがある。
 結果、僕とは正反対の人物像が現れる。
「あなたは社交的で情熱的でパワフルでエネルギーに満ち溢れています。リーダーシップがあり、誰からも好かれる魅力的な人物で

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トンビはずっと飛んでいた

トンビはずっと飛んでいた

 近所の河川敷を歩くと、気持ちよさそうに天空を舞うトンビを目にすることが出来る。彼らの鳴き声が朝から響いていた。
 河川の西側には北アルプス。東側には美ヶ原高原。
 そんな河川沿いに暮らす僕の住まいは標高620メートル。スカイツリーと同じくらいの高さ。だけど、それほど山の中ってわけでもない。徒歩圏内にショッピングモールはあるし、頑張ってもう少し歩けば中心市街地。自然豊かな地方都市だ。
 ピーヒョロ

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今日も雨音を選んでいる

今日も雨音を選んでいる

聴きたい音楽は、その日の精神状態による。
余裕のある時は、割とどんなジャンルの音楽も聴ける方だけれど、逆にない時は、好きなアーティストの音楽でさえしんどい。
しかし、無音だと色々な事を考えすぎて疲れる。
そんな時、僕はYouTubeで自然音を探してBGM代わりにしている。
川のせせらぎ、虫の声、焚き火の音、様々ある。
その時の気分に応じて選んでいるのだけれど、最近もっぱら聞いているのは雨の音である

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映画「テロ、ライブ」

映画「テロ、ライブ」

この映画を観る前に、面白いと評判のある映画を観ていたのですが、退屈のあまり途中で眠ってしまったのです。
何とか目を覚まして、最後まで観たのですが、消化不良で何となくこの映画を視聴。
結果、最後まで目が離せませんでした。
冒頭から緊迫感があり、展開が速く、ストーリーもわかりやすいです。
利己的でずる賢い主人公が追い込まれて行く様も面白いですし、犯人には同情も湧いてきます。
正しい人は誰なんだろう、正

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