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読書沼 2023.10.14

読書熱が再燃してしまい、沼から抜け出せません。
ということで、最近読んだ本の感想を書いていこうと思います。
ミステリーが多めです。

「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光【著】
紙の書籍でしか出来ない仕掛け。気付いた時まさかとページを遡り驚愕です。最後の1ページも素敵。本当に透きとおってました。作者のアイデアや努力に脱帽です。

「わたしが消える」佐野広実【著】
江戸川乱歩賞受賞作。認知障害の宣告を受けた元刑事が介護施設に保護されている認知症の老人の身元を調査する物語。老人の正体が気になって一気に読んでしまいました。ハードボイルドで面白かったです。主人公と娘さんの関係も素敵でした。

「AX」伊坂幸太郎【著】
殺し屋だけど恐妻家の兜の言動が笑えました。殺し屋シリーズの中でも一番家族愛に溢れた作品だったと思います。聞き覚えのある殺し屋の名前も出てきたり。さすが安定の面白さ。伊坂ワールド好き過ぎて語りきれません。

「ホテルメドゥーサ」尾崎英子【著】
フィンランドの森にあるホテルには、異次元の世界へ行ける扉がある。そんな噂のあるホテルに導かれるように集まった日本人4人。不思議なお話だけれど静かで包み込むような柔らかさがありました。疲れた時に陽だまりでお茶でも飲みながらのんびり読みたい作品です。

「完全なる首長竜の日」乾緑郎【著】
自殺未遂で意識不明となった弟と「センシング」という技術で対話をするお話。夢と現実の境目が曖昧になる不思議な読書体験。自分も夢の中で夢から覚め、途中で違和感に気づき、慌てて起きた経験がありますが、この現実が夢ではないと証明出来る自信はありません。

「七回死んだ男」西澤保彦【著】
タイムリープ体質の主人公が祖父の死を回避しようと奔走するSFミステリー。コミカルな内容で軽快に楽しめました。伏線回収も見事でスッキリ。タイムリープ体質の為、高校生なのに妙に大人びてしまった主人公のキャラクターがいいです。今後の彼の人生も応援したくなりました。

「聖母」秋吉理香子【著】
「ラスト25ページ、世界は一変する」という帯通りでした。先入観を持たないように気をつけて読み進めていたものの、やはり騙されてしまいました。見事なタイトル回収。ラストに驚愕するまでは怖くて怖くて、早く事件が解決して欲しいという一心で一気読みでした。

「楽園のカンヴァス」原田マハ【著】
ルソーとは、どういう画家なのか、作風なのか、この作品で初めて知りました。画家の情熱、研究者の情熱、そして愛に溢れていました。ルソーの絵を実際に見てみたいです。それから、ラストシーンが素敵過ぎます。しばらく余韻に浸っていたい気持ち。

「ジェリーフィッシュは凍らない」市川憂人【著】
クローズドサークル系本格ミステリー。80年代アメリカのような世界観。3つの時間軸。様々な要素が盛り込まれ、とても読み応えがありました。一体犯人はどこにいるのやら全く見当がつかず、最後まで楽しめました。タイトルかっこいい。

「到達不能極」斉藤詠一【著】
南極大陸を舞台に、現代と第二次世界大戦時、2つの時間軸の物語。南極という未知の大陸。そして、到達不能極と呼ばれる地。どちらも聞いただけでワクワクしてしまいます。SF、アクション、純愛、様々な要素が盛り込まれており、読み応え十分。大冒険を楽しめました。

「クローズドサスペンスヘブン」五条紀夫【著】
登場人物がすでに全員死んでいるミステリー。天国?を舞台に記憶をなくした登場人物達が事件の真相を暴いていきます。彼らのキャラクターや会話が面白く、少しずつ仲良くなっていく過程が微笑ましかったです。ラストは美しく切ない気持ちになりました。

読書の秋ですので、よかったら参考にしてみてください。
僕はまだ読書沼から抜け出せそうにありませんので、また読み終わった本の感想をまとめて書きたいと思います。



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