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【読書感想文】見城徹「読書という荒野」

こんばんは!
読書好きのバイブルについて書こう。小栗義樹です。

本日は読書感想文を書かせて頂きます。
僕が好きな本・影響を受けた本を題材に感想文を書き、その本の魅力を読んでくださる皆様にお伝えできれば嬉しいなという試みです。

本日の題材は、

見城徹「読書という荒野」

です。

幻冬舎の社長である見城徹さんが執筆し、それを幻冬舎の社員である箕輪厚介さんが編集した本です。NewsPicks Bookというレーベルのために作られた本ですね。他動力とかと同じシリーズに該当します。

今更説明する必要はないでしょうが、今から5~6年前、ビジネスパーソンの間でNewsPicks Bookの本がバイブルとなっていた時期がありました。今やれ、すぐ動け、行動しろの3原則に従い、多くのマッチョなビジネスマンが誕生した時代の話です。

当時は、革命のファンファーレ・メモの魔力・死ぬこと以外かすり傷などの過激かつ斬新なタイトルのビジネス書が一世を風靡していました。

この読書という荒野もそんな本の1冊なのですが、この本は、前述した本たちとは少し違ったアプローチを取っているように思います。

テーマは「読書という行動から多くの人生を追体験し、自分にしか操れない血肉化された言葉を身につけろ」です。この教えを根底とした上で「極端になれ・社会で戦うための武器を手に入れろ」などと言った、生き抜くために必要な考え方がまとまっています。

実践的なビジネスに基づく戦略的な打ち手の話ではなく「まずは自身の体を鍛えろ、話はそれからだ」と言われているような気がします。当時のビジネスパーソンからすると、後頭部を鈍器で殴られたような気分だったのではないでしょうか?

だからだと思うのですが、読書という荒野を議題に議論しているビジネスパーソンってほとんどいませんよね。その意図が分かっていないのか、痛いところを突かれたと思っているのかは分かりませんが、すでに成功している人の間でしか、この本の凄さは語られていません。

NewsPicks Book・箕輪さんと聞くと、ビジネス書のイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、読書という荒野はビジネス書ではありません。僕が思うにこの本は、見城徹という超人・革命児を作りだした軌跡をまとめた伝記です。もっと言えば、超人・革命児を作り出すためのプロセスを抽出した究極の育成本なのです。まぁ見方によっては、この時代に流行っているビジネス書のアンチテーゼともいえるかなと思います。箕輪さんは、自分で作り上げたムーブメントに対して、そのムーブメント中にアンチテーゼをかましたわけです。なかなか思いつかないことだと思いますし、そもそもそれをやってのける勇気がすごいとも思います。

まさに、極端になれという見城さんの教えを実践されている人だと言えるわけです。

さて、この読書という荒野ですが、基本的には2つの話が流れています。見城徹の生い立ちとその中にあるターニングポイントと、そのきっかけをくれた本たちの紹介です。

本から得た言葉・考え方・強烈な気持ち・思想などが起点となり、革命児:見城徹が完成していく姿を読むことが出来ます。学生運動における挫折から、自分は資本主義社会の中でのし上がるしかないと思ったという話は、僕にはその時代を想像することしかできないのにも関わらず震えました。果たして僕は、それだけの覚悟を持つことができるだろうか?また、その覚悟と意地を貫き通すことが出来るだろうか?と考え、無理だと仮定して落としどころを見つけようと、本を読んでいる最中に思ってしまったくらいです。

この本は、見城さんが呼吸するように努力を続けられるのは、それほどまでに強固なバックボーンがあったのかという事を理解できる本になっています。この本が教えてくれる最大のメッセージは「確固たるバックボーン(意志)を持て」です。これだけは譲れないというもの・その意識があれば、お前の体には自然と努力筋肉が付く。逆にそれがなければ、いくら色々な方法論・成功法を知っていたとしても、それを完遂することも、その道中に起こるであろうイレギュラーにも対応することが出来ない。こころが育っていない頭だけの人間は、結局何をやったって半端に手放して終わるんだということを痛烈に突き付けてくれます。

そうです。動け・やれ・行動しろ、その中で心身を鍛えろという3原則に新たに普遍的な教えが、この本によって追加されたのです。

あのビジネス書ブームに乗っかった人たちの多くは成功できなかったと思います。成功者が1%でも表れていれば、日本社会はもう少しよくなったはずです。では、なぜ成功できなかったのかというと、多くのマッチョなビジネスパーソンが読書という荒野の教えを踏まえなかったから、この教えを根付かせるのがとても難しい状況にあったからだと思います。みんな「成功」したかったんです。そこに意識がいってしまったんです。この本がNewsPicks Bookの最初を飾っていれば、もしかしたら状況は変わっていたのかもしれません。しかし残念ながら、そうはならなかった。そういうことだと思います。

単純なインプットだけではどう頑張っても成功しません。インプットした後に咀嚼をし、その咀嚼したものを仕事に活かし続けなければ、何者かにはなれなかった。読書という荒野はタイパとインプット絶対主義に待ったをかけた本であり、それは、今でも生き残っている、何者かになれた人間だけが痛感した事なのだと思います。エリートではなく革命児を目指さなければいけなかったのに、多くの人がエリートを目指してしまったというのが、この本を読み、あのムーブメントを体験した僕が感じた、あの現象の正体です。

この本には、素晴らしい作家が書いた素晴らしい作品が多数出てきます。その本から見城さんが学んだ多くの事も書かれています。この本の面白いところは、読書という一見すると行動しろというそれまでのメッセージとは真逆の行為に見える行動を支持しながらも、最終的に読書こそが努力し行動する身体と心、そして大きな成功をもたらしてくれると言っている点です。

絶対読んで損はしないと思います。それこそ、7つの習慣やファクトフルネス、孫子の兵法といった、時代を超え、いつまでも読むことが出来る普遍的な教え、大切な教えが詰まった本です。

ぜひ一度手に取って読んでみてください。刺激や驚きよりも、こうした知恵袋のような教えの方がいざという時、絶対に役に立ちますから。

というわけで、本日はこの辺で失礼いたします。
また明日の記事でお会いしましょう!
さようなら~





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