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雑記帳

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2018年8月の記事一覧

「このままでいいのか」という不安は、定期便のようにやってくる。

全く厄介だなと思う。
昔は、一度そいつに絡め取られると動悸がして、本当に苦しさで泣きそうになっていた気がする。本当に、ついこの間まで。
祖母の一件があってから自分は随分変わったな、という確実な手応えが、こんなところからも感じられる。あんなに、くよくよしていたのに。
ひどい時期は夜になると「一日が終わる、無駄にしてしまった」と焦り、朝になれば「ああまた一日が始まってしまった・・・」と絶望した。一日中

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ナトリウムランプが流れて

AmazonMusicの期間限定価格に惹かれてアサインしたのが先月のこと。
あれには様々なプレイリストが用意されている。年代別ジャズミュージックであるとか、ポップス、10年代J-PoPというワードにはちょっとした感動を覚えた。そうか、平成最後の年とメディアがやたら騒いでいるうちに、2010年代も後少しなのかと。
作業をしている時、カフェジャズのプレイリストを細くかけるのもなかなか楽しい。けれど私は

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私と弟とこのせかい

「オレは、あの家じゃ日陰の存在だった」とよく弟は言っていた。
あの家、とは父親の実家のことだ。私は昔から学校の成績はよかった。
受験もまぁ成功した方に入るだろう。それを口々にみんなが褒める。弟は、あまり勉強は得意な方ではなかったため、言外に「それに引き換え弟くんはねぇ」という空気を感じていたのかもしれない。そんなこと思っていない、と本人たちはいうに違いないが、意識してるかそうでないかの違いだけだ。

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一人暮らしと恋人と

「ねえ、一人暮らしはしないの?」
これは、この前辞めた職場で私を特に可愛がってくださった女上司さんから事あるごとに言われた事。
彼女は私が、『親や伯母が手を回せないから、義務感で一緒に暮らしている』と思っているらしい。まあ当初はそんな言い訳もしたような気はするが、一応、「自分で望んで今の場所にいます」とは何度も言っている。
けれど、会うたびに言われる。「一人暮らし、しないの」
それからもう一つ。

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最高の作品

『思い出補正』という言葉は、いずれ広辞苑には載るんだろうか。流石に、それはないだろうか。類似した言葉で『懐古厨』というのもある。
大概人気のシリーズものでそういう現場を垣間見る。AKBは初代神セブンがいた頃が最高だとか、平成ライダーはシリアスなオダギリジョーのクウガがよかったとか、そういうのである。

私の思春期時代、男子女子問わず人気を博していた作品の一つが『鋼の錬金術師』だ。女子校だったけれど

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暇だからできること

一応、現在職を失った身分ではあるのだが、なぜか仕事をしていた時より一日中あくせく働いている。

今日はちょっと寝坊してしまったが8時前には起きて、洗濯物を干し、ご飯を食べて洗い物をし、昨日祖母に頼まれていた物置部屋の一角の整理に取り掛かる。何年開けずに放置されているのか最早誰にもわからない箱が、四畳半に山と積まれていた。これでも、祖母が病気になる前はダンボールのグランドキャニオンだったのが少しずつ

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コンクリートのゆりかごに揺られて

夏の夜空は冬のそれと違って、青が強い気がする。
冬の夜空が漆黒、あるいは限りなく黒に近い濃紺ならば、今夜の夜空はまさしく紺碧の空だった。そこに小さなガラスビーズをひと粒ふた粒落としたかのように、白銀にちらちら光る星が、何とも言えずきれいだな、と思った。
そして南東の空の少し低いところに、赤銅色というよりは琥珀色に一際目立つ一つ星。そう言えば火星が接近しているんだっけと思い出す。
夏の夜空は湿気のた

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