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【エッセイ】聖護院かぶの変わり煮物[本日のご馳走](1474文字)

聖護院かぶ(しょうごいんかぶ)を初めて購入して、煮物にしました。

とはいっても、変わり煮物。

我が家では、体のために、砂糖と味醂を使っていません。

代わりに、オリゴ糖を使っています。

煮物は、オリゴ糖と、かめびし薄口醤油、1:1で味付けしています。

やはり、味醂を使ったほうが味は良いですが、我が家では健康優先です。

かぶは、アブラナ科アブラナ属の越年草の根菜の一つで、アフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系があり、別名はカブラ・カブナ・カブラナ・スズナ(鈴菜・菘)・ホウサイ(豊菜)・ダイトウナ(大頭菜)等と多く、春の七草の一つ。

肥大化した根の部分・茎・葉を食用にします。

聖護院かぶは、かぶの一品種で、京野菜・京の伝統野菜・ブランド京野菜。

根径15cm・高さ12cmほど、大きいものだと2〜5kgにもなる、日本最大級のかぶです。

根が腰高偏円形で、葉付き部にくぼみがあります。

根の表皮は、白く滑らかで艶があり、肉質は、緻密で柔らか、味は、上品で甘味が多いとのこと。

早生種は、根の葉付き部のくぼみが深く、偏円形で、品質も優秀、晩生種はくぼみが小さく、横づち型で、京都の名産の千枚漬け用に重宝されているようです。

聖護院かぶは、享保年間(1716~1736)に、現在の京都府京都市左京区聖護院に住む農家が、現在の滋賀県大津市堅田の近江かぶの種子を持ち帰って栽培したものを改良したものだそうです。

千枚漬けは、天保年間(1830~1844)に、聖護院かぶを原料として、漬物に加工したものだそうです。

聖護院かぶは、千枚漬けの材料の他には、かぶら蒸し・鯛かぶら・ふろふきに使われ、煮物・汁物・酢の物・漬物・サラダにも合うようです。

さて、調理です。

聖護院かぶ2個を一口大サイズのサイコロ状に切りました。

まず、まな板の上に置いて、半分に切り、それを寝かせて、縦に横に、一口大サイズのサイコロ状に切っていきました。

以前、聖護院大根を切った時に、丸くて、大きくて、硬くて、切るのが大変だったので、聖護院かぶを切るのにも恐れをなしていましたが、聖護院かぶのほうは、聖護院大根ほど硬くなくて、切ったら、すんなり包丁の刃が通って、聖護院大根よりもラクでした。

ちょっとだけついている茎も、聖護院かぶの一口大サイズに合わせたサイズに切りました。

こちらは、購入時から折れている部分が数箇所あって、それらを取り除くのが、少々面倒でした。

切った聖護院かぶの根を下に、茎を上に、クッチーナの大きな鍋に入れて、オリゴ糖を5まわし、かめびし薄口醤油を5まわし、かけました。

鍋の蓋を斜めにして、中火で沸騰するまで煮てから、一度冷まして味を染み込ませ、再加熱して、できあがり。

お味は。

とても美味しかったです!

煮汁の浸った聖護院かぶが、じんわり口の中に広がりました。

普通のかぶよりも、繊維は少しだけ粗く感じましたが、味にコクがありました。

噛み終わると、旨味が残りました。

普通のかぶよりも硬く、煮えても形がしっかりしていました。

皮のないものの食感は、皮のない分、柔らかめでしたが、皮のついたものは、歯応えがありました。

茎も歯応えがあって、シャクシャクしていました。

かぶ独特の良い香りは、普通のかぶのほうがあるようでした。

聖護院かぶは、普通のかぶとは別の食べ物ですね。

比較するなら、私は普通のかぶの緻密さや香りを好きなので、普通のかぶのほうが好きですが、聖護院かぶも別物として気に入りました。

聖護院かぶの変わり煮物、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!

天野マユミ

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