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美味しいものたちとの出逢い

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美味しいレストランの逸品たち、市場で瑞々しく輝く食材、採れたての魚など、さまざまな美味しさとの邂逅について、忘れずに心にとどめるための備忘録です。
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#創作大賞2023

パセリは美味しい名脇役。

パセリは美味しい名脇役。

日毎に勢いを増す陽射しに、たびたびの恵みの雨を得て、新しい芽がぐんぐん育ち伸びる頃。

隔週宅配の野菜の箱にも大根の抜き菜がこんもり届き、
そして先日、パセリ農家さんが、間引き菜を段ボール二箱分ぎっしり詰めて送ってくださいました。
友人の依頼でパセリの利用法をざっくりご紹介させて頂いただけなので、恐縮しきりです。

若々しく柔らかい葉は、そのままで香り高く美味しく、間引きなんてもったいないほど。

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筍と木の芽の塩釜焼き

筍と木の芽の塩釜焼き

今年の桜の饗宴も、春の雨とともに締めくくりを迎え、
すこし寂しくなりました。

けれど、気づけばずいぶんと日も長くなり、
ひと雨ごとにあたりは暖かくなって、
散歩にはうってつけの心地の良さ。

なかなかゆっくり歩く余裕がないけれど
このやわらかな季節、
大きく手を振ってからだごと楽しみたくなってきました。

4月に入ってからずっと
上ばかりを向いて春を探していた気がしますが、
見れば足元にも。

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無花果の花

無花果の花

 夏がやってくると、
たちまちいちじくが恋しくなります。
店頭に並んでいたら、けして素通りできない果実の一つなのです。

夏果と秋果があり、
暑いのはイヤだけれど、
西瓜より桃よりなによりも、いちじくを秋まで味わい愉しめる季節が来たのが嬉しくてなりません。

こんなに大好きないちじく、
実は子供の頃、なんだか苦手でした。

りんごやみかんとは明らかに違う
どこか神秘的な佇まいや、
切ったら突如現れ

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コンフィ♪コンフィ🎶

コンフィ♪コンフィ🎶

市場の魚屋さんで、 
壱岐で獲れた目鯛に出会いました。
閉店前に行ったら、
儲け度外視で普段は手が出ないような魚を
鮮度抜群なのにずいぶん安く出してくれていましたのです。

魚を愛してやまない魚屋さんと話をしていると、
いつも時間を忘れそうになります。

目鯛はとても大きく食べ応えがあって、
そのまま塩焼きにし、おぼろ昆布で巻いていただきました。

食べきれずに、かまの部分が残りましたが
せっかく

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サラダをきもち、丁寧に。

サラダをきもち、丁寧に。

いつもは添え物や副菜に甘んじて頑張ってくれているレタス。
とびきり新しいのを見つけたら、
たまにはレタスを主役にしてみるのはどうでしょう。

カリカリにトーストした薄切りのライ麦パンの上に、レタスを櫛形に切ったままのせて、生ハムやトマト、玉ねぎや葉野菜を添えてみました。
チーズ入りのドレッシングにフォークとナイフで頂くシーザーサラダにしたら、
なんだか食べる楽しさが何倍にも。

サラダはあまりに身

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レモンの愉しみ🍋〜くだものの葉

レモンの愉しみ🍋〜くだものの葉

我が家の小さな庭の左端に、レモンの木が植わっています。

苗木を植えてから6年めでやっとひとつ。
それからはどんどん増えて、毎年の収穫が楽しみになりました。

初めてできたそのレモンは、もう嬉しくてもったいなくて、
家人にいつ食べる?と聞かれても、なかなかもぐ気にならず、
眺めてはニヤニヤほくそ笑んでいたのですが、
そうやってぼやぼやしている隙に、
その尊いレモンがある日忽然と、
姿を消してしまい

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「いちばん訪れたい国、日本」の食風景

「いちばん訪れたい国、日本」の食風景

ここへ来て、マスク着用や海外渡航の制限もぐんと緩んできた、6月。
早いものです。

嬉しいながら、拭いきれない恐さも些か残りつつ、
ずっと会いたかった人との再会を果たしに、
ずっと行きたかった場所へ足を運びに。
この夏は、
そんな我慢を乗り越えた旅に向かう人たちで、
各地、賑わいを取り戻すのでしょう。

実際にすぐに腰を上げるわけではなくても、
「(なんの制限もなくどこでも行けるとしたら)最初にど

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横浜コリアンタウン

横浜コリアンタウン

遠い昔、黒船が大挙して来航した港や、山手の外国人居留地、中華街など、
街の随所に異国情緒が漂うことで知られる、横浜。
あまり知られていませんが、
韓国の店が多く並ぶコリアンタウンもあるのです。
しかも二つも。

一つはせんべろ楽しい野毛の隣りの福富町。
もう一つは横浜橋商店街です。
東京の新大久保や川崎のように観光地化されていないのであまり知られていないのと、特に福富町は、(風俗色強めの)かなりデ

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