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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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#戦国時代

気になるジーサン《平手政秀》 [2/2] 「合理性」と「社会性」

気になるジーサン《平手政秀》 [2/2] 「合理性」と「社会性」

散歩中に偶然見かけた神社(名古屋市北区の綿神社)の由緒書に、以前から気になっていた平手政秀が「信長の奇行平癒」を祈願して自ら彫ったこま犬1対を奉納した、との記述を見つけ、政秀の邸宅跡地・志賀公園まで足を伸ばしました。

数日後、政秀の首塚がある、市内西区の東雲寺を訪れました。平手町/志賀公園から西北西に2 kmあまり、ざっくり、清州城(当時は尾張守護代・織田大和守家の居城)と那古野城の、ほぼ中央あ

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気になるジーサン《平手政秀》 [1/2] 「奇行平癒」に狛犬奉納

気になるジーサン《平手政秀》 [1/2] 「奇行平癒」に狛犬奉納

ご近所に、ずっと気になっているジーサンがいます。

歴史上の人物なので生まれた時からジーサンだったわけではないでしょうが、歴史ドラマにたまにチョイ役として顔を出す時は必ず、既にジーサンになっているので、私たちがこの人で脳裏に想い浮かべるのは当然、ジーサン顔です。

名古屋市北区の地下鉄黒川駅から北方向に、散歩と称して徘徊中、とある神社入口の立て札に、ふと目が止まりました。
「綿神社」とあります。

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〈ポートフォリオ更新のお知らせ〉
ポートフォリオにて新しい記事を更新しました!

〈その他の歴史まとめ:社会史〉
戦国時代を生きた女性の悲惨な人生!逸話や残酷な出来事も紹介
https://rekisiru.com/25321

戦国時代の女性たちの生き様に関して紹介しています!

今さら二階堂氏

今さら二階堂氏

とっくにNHKの大河ドラマは「どうする家康」に移ろうとしていますが、やっとのことで、「鎌倉殿の13人」の総集編を視聴しました。
いやー、伊豆の純朴な青年がダークサイドに落ちていく様は、なかなか見応えがありました。
ですが、今回取り上げようというのは、「二階堂氏」。鎌倉殿の13人でも評議衆の一員であり、義時の3番目の妻の実家として紹介されていました。

二階堂行政元の名は、白尾三郎行政。祖先を辿ると

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フロイスが見た日本のクリスマス

フロイスが見た日本のクリスマス

早いもので、もうクリスマスの時期となりました。

まずはm.Aさんの記事を紹介させていただきます。

彼女は主に西洋史関連の記事を書かれていて、サバサバした文体で無駄な言葉は一切なく、端的で解りやすい記事なのです。
日本史しか知らない私にとって、いつも興味深い学びがあり、見識が広まります。

本日の学びは「ビーダーマイヤー時代=わびさび時代」でした!
詳しくは是非とも記事を読んでくださいね。

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駒姫と畜生塚(その3 全3回)

駒姫と畜生塚(その3 全3回)

それから、みなで大石をどかしてね、大きな穴に投げ込まれた女の人たちを、ひとりひとり丁寧にお寺の脇のお墓に移してあげていったんだって。きれいなお着物は泥まみれになっていたけれど、大切にきれいにしてとっておいたんだ。

「お、これは袖の中から手紙ではないか」

朱色の着物の袖の中から錦の布に包まれた手紙のような物が出てきたんだ。

「罪なき身も世のくもりにさえられて
ともにめいどにおもむくは 

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駒姫と畜生塚(その2 全3回)

駒姫と畜生塚(その2 全3回)

そうじゃ。忘れはせぬ。8月二日の事じゃった。良く晴れた日でな。暑い日じゃったよ。朝早くから町の中をな。あちこちへとな。車に乗せられた姫さんたちが、おいおい泣きながら何台も通って行ったんじゃ。抱かれた赤子もいた。まだ二つか三つくらいの子もいた。最後の車にはな、泣きもせずにこちらを見ている姫さんがいてな。色白の美しゅう姫であった。それが遠く最上からつい来たばかりの駒姫じゃった。もうひと月、ゆっくりして

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駒姫と畜生塚(その1 全3回)

駒姫と畜生塚(その1 全3回)

今日はね、『畜生塚』のお話だよ。山形城に生まれた駒姫15歳が眠っていたお墓だったんだ。
ポンと昔。江戸時代になってすぐのことさ。
京都の鴨川にかかる三条大橋のそばに慈舟山瑞泉寺があるよ。その近くに高瀬川を工事していた時のことさ。
底には『畜生塚』と呼ばれている大きな石があったんだ。畜生とは獣のことだよ。人間より劣っているという意味もあるんだ。
工事の休憩のお昼時になって人夫たちがお寺の日陰へと集っ

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小弓公方足利義明の御所とは!? 千葉市の北小弓城

小弓公方足利義明の御所とは!? 千葉市の北小弓城

「足利ヨシアキ」という人物をご存じでしょうか?

一昨年の大河ドラマ『麒麟がくる』をご覧になっていた人であれば、室町幕府最後の将軍である足利義昭をすぐに思い浮かべるかもしれません。『麒麟がくる』では、滝藤賢一さんが義昭を演じていました。

しかし、足利ヨシアキはもう一人存在します。戦国時代の関東で「小弓公方」を称して古河公方に対抗し、第一次国府台合戦に散った足利義明です。

今回はその足利義明が居

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日本での初クリスマスは戦国時代だった

日本での初クリスマスは戦国時代だった

クリスマスイブとか言っても、息子たちも成人した今は、それぞれに予定があって忙しいので、我が家では特に何の行事もありません。

昔はクリスマスといえば、プレゼントを用意するために、売り切れを予想して11月中には買ってたものです。

イルミネーションを見に行ったりもしました。
そうそう。大阪城のプロジェクションマッピングも見に行ったのも良い思い出です。

ところで、日本でのクリスマスという行事はいつか

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鶴姫(つるひめ)と常山城(つねやまじょう)落城 その3(全3回)

鶴姫は、「駆け破れ、ものども!」
と大勢に声高く駆けあうと、鶴姫と34人の女房たちと83人の家僕たちは、毛利の先陣、浦兵部宗勝(うらのひょうぶむねかつ)たち700騎の真っただ中へと切り込んでいったんだ。女たちの叫び声が、そこここであがる。敵の数十人が倒れていく。鶴姫は馬上に目当ての宗勝(むねかつ)を見つけると、
「我と一勝負つかまつらん」
とただ一文字に切りかかった。これを宗勝はかわすと、
「御身

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小机城址② 鶴見川遺跡紀行(5)

小机城址② 鶴見川遺跡紀行(5)

小机城と狼煙のネットワーク?

前回の続き

小机城の重要性長尾景春の乱から数十年後、北条氏勢力下に入った小机城は改修され、現在の形になったそうです。北条氏綱(2代目)は、その城主に重臣の笠原信為を配置。その後、小机城の重要性が高まったのか、北条氏が城主として入城し、笠原氏は城代として南武蔵一帯の防衛を担います。

まずは、小机城の重要性をまとめました。

将棋で例えるなら、前線の歩が取られないよ

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