谷 俊彦

小説家;執筆活動再開しました。 「木村家の人びと(小説新潮新人賞⇒映画化)」「東京都大…

谷 俊彦

小説家;執筆活動再開しました。 「木村家の人びと(小説新潮新人賞⇒映画化)」「東京都大学の人びと(映画化)」など。 有料記事も無料領域がかなり長めですので気軽に覗いてやってください。 まずは江戸期にいた、とてつもなく弱い力士の物語から……。

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  • ぼちぼちエッセイ

    ぼちぼちと、日々の暮らしを描いたり、過去の引き出しをさぐったり。

  • 創作の時間

    他の小説シリーズに収まらない創作です。一部、関連エッセイを含みます。

  • 呑み書きスル晩

    旅の愉しみのひとつは地酒やクラフトビールを呑むことです。土産のほとんどは、実は自分向け。旅の景色を振り返りながら酒を呑む、そろそろとやって来る晩年を思う。

  • ヒミツの図書館/創作棚

    小説、マンガ、イラストレーションなど、感銘を受けたオリジナル創作をまとめました。

  • 新・再勉生活

    日本で学校を卒業してから8年後、アメリカの田舎町で再び勉強する機会を得ました。妻と幼い娘二人を連れての異文化珍道中を描きます。 (「採便」じゃないよ!)

最近の記事

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再勉生活! 半地下に住む《魔女姉妹》に箒で小突かれ続ける日々から脱出するため、「あ・うん」に期待することをやめた

夏学期。私が英語クラスを受講する一方、英語がカタコトの妻、まったく話せない娘たちは苦労しながら大学町のコミュニティーに入っていきました。 床下、即床上浸水の家族寮を出た一家は、3階建ての建物が6棟ほどもある大きな木造アパートに住みつきました。 ここでは別の《試練》が待ち受けていました。 アパートの管理人室には50代ぐらいの女性マネージャーがいて、20代の女性を使っていました。 大学までバスで15分ほどの町はずれに位置し、スーパーマーケットやデイケア(保育園)にも便利だった

    • Beatlesが流れる居心地の良い喫茶店

      個人経営の食料品店がどんどん減っています: レストランや喫茶店も、気がつけばチェーン店ばかりになっていますね。 いずれも、仕入れなどのコストと効率など《量》の効果が大きいのでしょう。 あとは、チェーン店なら期待どうりの同じサービスが受けられるので『失敗がない』── だから、リスク回避の時代に好まれるからなのかもしれない。 名古屋は、かつては喫茶店の多い街でした。繁華街はもちろんのこと、住宅街にも、それこそ、ひとつのブロックに1軒の喫茶店があるほどでした。 1970年代まで

      • 夫業のコツ

        1.愚痴は最後まで辛抱強く聴く 「それでね、……だからね、……そうしたらね、……なのよ、ひどいと思わない?」 「……」 「ちょっと、聴いてた? ひどい話でしょ?」 「……(表情の変化を見てとり、耳スイッチ再ON)ああ、そうだね、ひどいよね」 「ちゃんと聴いてた?」 「聴いてたよ」 「ずっと聴いてた?」 「も、もちろんです!」 「じゃ、何話してた?」 「えーと、……ひどい話だった」 (話の途中でうっかり欠伸をしたり、トイレに行ったり、スマホに視線を移したりしてはいけません)

        • 成績を上げるために

          『今年やりたい10のこと』を年初に宣言した3か月後、成績表を(自分から、ではありますが)受け取りました: この成績表: 5:1科目 4:3科目 3:3科目 2:1科目 1:2科目 のうち、最低点《1》を付けられたのは、 ③ 月1で料理担当 ⑥ 書斎の片づけ完了 でした。 ⑥はなんとかなる(or どうしようもない)として、③は関係者(監視役?)がいるわけです。 「アンタ、今年は月イチで料理するって正月に言ってたのに、1回もやってないじゃないの!」 「いやいや……2月に1回、

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          天才だ!

          きわめて個人的な嗜好に従い、noteで出会った傑作(小説、マンガ、イラストなどオリジナル創作)を仮想本棚に納めています: 自分は『書く』人で、『描く』人ではないため、優れた作品を『描く』人には憧れを感じます。 (一方で、『書く人』には、時に嫉妬を感じたり、表題はこの方が、など密かに批判的になったり……小さいですね) また、『書く』人のうちでも自分が『エンタメ系』のため、『エンタメ系』には比較的厳しく、『文学系』(という表現はあまり好きではなく、『描写系』と捉えていたりする

          天才だ!

          再勉生活! 円安からの急変で『給料がどんどん減っていく』

          昨年の終わり頃には、日銀の政策変更で円安が収まるのでは、というような予測記事も見られたけれど、それどころかNISAでも海外投信を買う人が多かったり、米国FRBも利下げに踏み切らないなどで、円売りドル買いの勢いが衰えず、34年ぶりという『歴史的円安』になっています。 本日は1ドル=154.75円までイキました。 では、その34年前(1990年春)は、どうだったのか? 下図は1990年代のドル円レートです。90年代前半は、1ドル=160円の円安から円高へと移行し続け、1995年

          再勉生活! 円安からの急変で『給料がどんどん減っていく』

          枝垂れ桜の魅力

          昨日、岐阜県の御嵩町に出かけ、その途中、前回鼠志野のぐい吞みを買った『道の駅 志野・織部』に立ち寄りました。 道の駅と駐車場の間に、満開の枝垂れ桜がありました。 ソメイヨシノもヤマザクラも美しいですが、どれか選べと言われれば、枝垂れ桜(の中でも何種もあるようですが)のファンです。 ソメイヨシノなど他の桜がいかにも植物らしいのに対し、枝を垂らした桜には擬人的な特徴を感じます。 例えれば、振り袖姿で踊る娘道成寺のように ── 見えませんかね? ところで、なぜ枝が垂れるのか

          枝垂れ桜の魅力

          買い物カゴと町内市場の時代

          父が単身赴任、母は教師としてフルタイムで働き、祖母が高齢だったため、小学校低学年の頃からたびたび町内の市場へ買い物のお使いをさせられました。子供には大きなプラスチック・ストローで編んだ『買い物カゴ』を下げ、新聞広告の裏などに鉛筆で走り書きされた『リスト』に従って、野菜、肉、乾物などを買っていく。 この頃から『人間観察』が好きだったのでお使い自体はそれほど嫌ではなかったものの、この、いかにも『主婦用』の大きな買い物カゴを下げて歩くのが恥ずかしかった。 野菜は全てむき出しで、肉は

          買い物カゴと町内市場の時代

          誰もがハチ公(短編小説;2,500文字)

          「キミ、今日から?」 「はい、先週採用されたばかりで……」 「そうかあ……なるほど、……向いているかもしれないなあ」 「そうでしょうか?」 「ああ、顔つきがいい……特に目ね、……なんていうかな、どこも見ていないようで」 「え、それ……」 「いや、ホメてるんだよ。どこも見ていない、というのは、可視化できないほど遠方を見ているってことだ ── ご主人との楽しかった過去と、再会後の素晴らしい未来の両方をだ」 「ご主人って? よくわかりませんが……で、仕事は……この服を着て、ただじっ

          誰もがハチ公(短編小説;2,500文字)

          飯田橋から東京大神宮、千鳥ヶ淵夜桜へ;居酒屋での『刷り込み』カラー・ランドセルの話題からジェンダーレス・トイレについて発想が飛んだことなど

          先週末、東京に出かけたタイミングで桜満開となり、数か所で花見機会がありました。 初日は友人と飲むことになり、飯田橋に集まりました。 前回(昨年)この地で呑んだ時には神楽坂側でしたが、今回は逆方向です。 まずは、近くの『東京大神宮』に参拝しました。 境内はそれほど大きくないものの、伊勢神宮と強い繋がりがあり、『東京のお伊勢さま』という位置付けなんだとか。 郊外に広大な土地を持つ寺社とは違って、都心の一等地で貴重な境内を守るこうした神社は、四季折々の『賑やかし』(と表現す

          飯田橋から東京大神宮、千鳥ヶ淵夜桜へ;居酒屋での『刷り込み』カラー・ランドセルの話題からジェンダーレス・トイレについて発想が飛んだことなど

          熊本のヒーロー・加藤清正

          3月半ば、所用で熊本に行きました。 名古屋―熊本便は1日3往復もあるけれど、FDA機はほぼ満席で、TSMCプラント建設に端を発したビジネス客需要が旺盛なことをうかがわせる。 その話ではなく ── 宿泊したホテルの近くに熊本市役所と熊本城があるので、少し辺りを歩いてみた。 市役所前に何か銅像めいたオブジェがある。 これは、特徴的な『長烏帽子兜』を被った加藤清正の彫刻だということで、その視線の先に熊本城を見据えているとか。 佐々成政の失政後に、秀吉から肥後国北半分を治めるよ

          熊本のヒーロー・加藤清正

          『夢を実現』するのではなく(短編小説;5000文字)

          「……御社を志望したのは、ネットに出ていた人材募集のコピーに感銘を受けたからです」  採用担当 ── だと思う、面接に立ち会っているのだから ── は数ミリほど、体を乗り出したように見えた。 「ほう……どの部分でしょう?」 「大きく掲げていましたよね ── 『理想の夢を実現する会社です』って。あれを読んで、これだ、と思ったんです」 「ええーと、申し訳ないですが、助詞を2字、読み間違えておられる。……おそらく、この画面を言っておられる?」  採用担当はPC画面をこちらに向けた。

          『夢を実現』するのではなく(短編小説;5000文字)

          ハラペーニョも載せて!

          昨日のランチは、同居人の希望でモスバーガーに行きました。 注文はいつもほぼ同じ、彼女がモスバーガー(¥440)、私がスパイシーモスバーガー(¥480)です。 両者の違いは、青唐辛子のピクルス(ハラペーニョ)輪切りが数枚載っているかどうかだけ、それが¥40 の価格差となっています。 これを一般的な米国人が知ったら驚くかもしれません。 これはちょうど、カレー屋でテーブルに置いてある福神漬けを皿にとったら課金されちまった、というようなイメージでしょうか。 「世知辛い世の中になったも

          ハラペーニョも載せて!

          第1四半期の成績表

          今年の元旦に『今年やりたい10のこと』を書きました。 元々は2つ書くつもりで始めたので、最初2の項目と残り8つとはかなり重みが異なります。 こうして公開せずとも、自宅トイレにでも貼りだして確認すればいいことではありますが: 今年の2大テーマは: ① ひとり旅 ② 長編執筆 残り8項目は: ③ 月1で料理担当 ④ 仕事は1週間以内に完了 ⑤ 週1のノンアル日 ⑥ 書斎の片づけ完了 ⑦ 転ばない ⑧ 月1で劇場映画 ⑨ 1日5,000歩 ⑩ ゴルフのスコア-10 でした。 こ

          第1四半期の成績表

          エイプリル・フールに《結婚動機》について想う

          今年もこの日がやってきた。 これほど憶え易いのも珍しいが、今年はそうと気付かず、昼メシの時に指摘された ── 結婚記念日であーる。 といっても当時は学生だったこともあり、家族の一部で式だけ挙げ、披露宴はやらず、ハネムーンなども行かず、『ぷりんとごっこ』で手書きの連絡はがきを作り、親類や友人に送っただけという簡素なものだった。 (もちろん私側の友人は、日付と送り主の日頃の行いを鑑みて、誰も信じなかった) この時学習したのは、いわゆる『お日柄』が良くてもエイプリル・フールに式

          エイプリル・フールに《結婚動機》について想う

          応援消費Ⅲ;富山氷見港産の『ウマヅラハギ』に石川の地ビール『能登塩セゾン』&富山『満寿泉』

          前回は石川の魚と富山の酒、という組み合わせでしたが…… 今回は富山氷見港産の『ウマヅラハギ』の刺身に石川の地ビール『能登塩セゾン』です。 ウマヅラハギ ── カワハギの仲間です。 確かに目と口の間に距離があり馬の顔に似ていますが、顔が長めの人に『おい、ウマヅラ!』と呼んだとしたら、決して喜ばれることはないでしょう。さばかれた後の刺身まで『ウマヅラ』扱いとは、ご本人にはかなり不快なことかもしれない。 刺身は脂がほとんどなく、あっさりしています。新鮮な肝はとろけるように美

          応援消費Ⅲ;富山氷見港産の『ウマヅラハギ』に石川の地ビール『能登塩セゾン』&富山『満寿泉』