谷 俊彦

小説家;執筆活動再開しました。 「木村家の人びと(小説新潮新人賞⇒映画化)」「東京都大…

谷 俊彦

小説家;執筆活動再開しました。 「木村家の人びと(小説新潮新人賞⇒映画化)」「東京都大学の人びと(映画化)」など。 有料記事も無料領域がかなり長めですので気軽に覗いてやってください。 まずは江戸期にいた、とてつもなく弱い力士の物語から……。

マガジン

  • ヒミツの図書館/創作棚

    小説、マンガ、イラストレーションなど、感銘を受けたオリジナル創作をまとめました。

  • ぼちぼちエッセイ

    ぼちぼちと、日々の暮らしを描いたり、過去の引き出しをさぐったり。

  • エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ

    エレクトロニック・ショート・サーキット(ESC)社は、今日もトンデモ商品を開発して世に送り出し、社会に幸福と混乱を巻き起こします。 かつて月刊誌に連載し、単行本化もされた近未来SF短編小説を、note用に加筆修正した作品、さらに新たな作を加え、有料マガジン化しました。 週1ぐらいの頻度で作品を挙げ、最終的に30作以上が読み放題となります。 お楽しみください。

  • 呑み書きスル晩

    旅の愉しみのひとつは地酒やクラフトビールを呑むことです。土産のほとんどは、実は自分向け。旅の景色を振り返りながら酒を呑む、そろそろとやって来る晩年を思う。

  • 読書の時間

    物心ついた頃から最近まで、必ずしも一般的ではなく、個人的に好みの偏った、マンガを含む書籍を紹介し、「愛」を垂れ流します。

最近の記事

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ジブリパークのある街・長久手

昨日の記事に、ジブリパークのある街・長久手についてまったく触れなかったので少々: 長久手市は大都市・名古屋とクルマの街・豊田市にはさまれた、地政学的に(というのはオーバーにしても)重要な位置を占めています。 この位置関係が重要で、唯一の欠点・公共交通機関不在問題は愛知万博と連動して建設されたリニアモーターカー(リニモ)が名古屋と豊田を結び、東名高速道路の支線も長久手に延び、利便性が増してからは毎年人口が増えています。 この長久手市、愛知県内では『すみごこちNo.1』を連

    • 本棚紹介;日常の隣にある『怪』『妖』を描く note 創作

      『ヒミツの図書館/創作棚』からの紹介シリーズです。 さて、この人は、 note の森の中で見つけた作家 と私がひとり勝手に思い込んでいる……ええ、実は、密かに自慢にさえ思っているのです。 4年近く前に始めた別のアカウントでもこうした書棚を持っていましたが、この作家の初期(たぶん)作品をいくつも納めています。 今回紹介させていただく中でこちらの書棚に入れていない作品があるのに気付き、急遽2作を配架しました。 この記事の最後に、一番好きな作品を紹介していますので、どうかそこま

      • ポケットにいつも君を(SS;2,100文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

         アラブ富豪とのきわめて難しい商談を終えた後、車に乗り込むとほとんど同時に、彼は背広の内ポケットに手を入れた。取り出した手の中には、身長10センチほどの人形があった。 「ああ、カズミ、今日は参ったよ。手強い相手でさ、本当に疲れた。キミはどうしてた? 日本は今、夜だね? もうお風呂には入ったかい? 」  呟きながら、彼は両の掌に人形を横たえ、身体のあちこちを指でつまんだり押したりする。人形は毛糸で作った栗色の髪を肩まで垂らしている。しかし、ドレスではなく、黒いボディースーツのよ

        ¥100〜
        • 絶叫型ですが、何か?

          リタイアした後、講師として数年間英語論文の書き方と口頭発表のコツを講義していた大学の懇親会に久しぶりにオヨバレし、かつての同僚や学生さんたちと会いました。 共同研究歴のある企業からのゲスト参加者も多く、各地から銘酒の持ち込みも多種類におよび、けっこう吞み過ぎてしまったのですが、それはそれとして……。 「いやあ……コロナになってからカラオケに行っていないような気がするな」 そう呟くと、 「じゃ、この後で行きましょうか?」 という話になった。 主催の先生も加わり、事務方と技術

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        ジブリパークのある街・長久手

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        • ぼちぼちエッセイ
          317本
        • ヒミツの図書館/創作棚
          88本
        • エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ
          21本
          ¥500
        • 呑み書きスル晩
          57本
        • 読書の時間
          14本
        • ヒミツの図書館/ノンフィクション棚
          48本

        記事

          衆議院議員選挙結果関連で「本末転倒では?」と思ったこと

          先週末の衆議院議員選挙で現職の閣僚がふたり落選しました。 当初、下記のような会見があったため、 「落選したのに大臣続けるのはおかしいだろ!」 と世論から批判もあったようです。 その後、牧原法務大臣は、現時点では辞任は申し出ず、後任人事が決まるまで現職にとどまる意向を明らかにしました。 もうひとりの小里農林水産大臣は、 「議員としての身分を失った以上は、閣僚としての役割を果たすことはできない」 と辞任の意向を明らかにしました。 うーん。私は、 「議員選挙に落ちたなら大臣辞

          衆議院議員選挙結果関連で「本末転倒では?」と思ったこと

          本棚紹介;『負の魅力』を描く note 創作

          個人的コレクションが並んだ『ヒミツの図書館』からnoterさんの創作を紹介させていただきます。まずは、小説、マンガ、絵画などが並ぶ『創作棚』から。 この『ヒミツの図書館/創作棚』のマガジン表紙写真は、ポルトガルのアザンブジャ(Azambuja)近郊の村で宿泊したホテルのレストランです。 こんな空間で朝食をとるのも悪くない: レストランだけでなく、ホテル全体が図書館のようになっており、例えば廊下から階段に至る部分の壁面はこんな感じ: さて、私はnoteでは、主に短編創作小

          本棚紹介;『負の魅力』を描く note 創作

          《反省》の日々(SS;3,200文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

          「今世紀における我が国最大の問題は、犯罪の増加です」  私はキックオフ会議の冒頭でそう切り出した。法務省の課長職から、いきなり国家プロジェクト《犯罪撲滅システム開発》のプロジェクト・リーダーに抜擢されたのだ。 「少年犯罪については、政府は抑止効果を狙って厳罰化を図りましたが、一向に減少していません」警察庁からの出向メンバーが言った。 「高齢者の犯罪も増加の一途をたどっています。再犯率も高い」 「きわめて深刻な事態が生じています」私は厳しい口調で続けた。 「年々増加する受刑者

          ¥100〜

          《反省》の日々(SS;3,200文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

          ¥100〜

          月イチCooking……といっても牛スネ肉のカレーなんスけど……

          さて、 「もう10月も半ば過ぎたんだけど……一向にやらないわねえ」 「確かに……」 前回は難易度の高いラム唐揚げに挑戦しましたが…… その日の夕メシは私が担当することだけが決まり、かつ、同居人のリクエストは『イワシの梅しそ巻き焼き』という難易度の高い代物。 しかし、幸か不幸か、前日は海が荒れたようで(ニュースを見てたら、各地で船が転覆していた)、2店回ったけれど、イワシ君は見当たらず。 ぶらぶら歩くと、いい色をした牛スネ肉があったので買ってしまい、こいつの煮込み系にしよう

          月イチCooking……といっても牛スネ肉のカレーなんスけど……

          創作の評論はできないけれど、紹介ならば

          小説など、創作物の『評論』を行う人たちがいて、文芸評論家と呼ばれている。 高校の現代国語教科書に引用された評論作品は、小林秀雄ぐらいだったでしょうか。創作に比べると、掲載数は少ない。 本格的に小説を読むようになった高校時代には小林サンの名前は既に文芸誌で見かけなくなっており、代わりに江藤淳がたいてい何か書いていた。 当時の私は ── 実は今も ── 創作物の鑑賞はきわめて個人的なプロセスであり、従って印象も感想も多様であって、『プロによる評論』の必要性を疑問に感じていまし

          創作の評論はできないけれど、紹介ならば

          レストランの配膳タイミングはどちらがいい?

          久しぶりに高倉町珈琲で朝食をとった。 私はエッグスラットモーニング+ほうれん草とキウィのスムージー、同居人はリコッタパンケーキ+ホットコーヒー、前回より値上げしていたが、コーヒー豆もキウィも高騰しているので仕方がないのだろう。 ── それはともかく。 ウェイトレスは、 「リコッタパンケーキは少し時間がかかりますが、お飲み物は先に持ってきていいですか?」 と尋ね、間もなくして飲み物が2つ届いた。 こんな経緯から、 (おそらく、私の『エッグスラットモーニング』が先に配膳され

          レストランの配膳タイミングはどちらがいい?

          「ワールドシリーズ進出に王手!」に見る『将棋用語』

          この週末、将棋の最高峰『竜王戦七番勝負』第二局が福井県あわら温泉で開催され、藤井聡竜王と佐々木勇気八段が対局しています。 ABEMAでこのタイトル戦を見ているのですが、二日制の持ち時間各8時間のため、中盤の辺りは長考が続き、1時間越えも普通、時に2時間近くにもなる。 「ねえ、さっきから全然進んでいないじゃない、見たい番組あるから変えていいでしょ?」 「……はい」 素直に応じて、大画面ではなくノートPCで戦況を追います。 ところで一方、ワールドシリーズ進出をかけたMLBアメリ

          「ワールドシリーズ進出に王手!」に見る『将棋用語』

          もっと、もっと、ホメて! 推して!(SS;3,800文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ ✖ バイオテック・ショート・ショート・カタログ)

          このショートは、自作既発表『鏡よ、鏡』の2次創作です。 「これ、いいわ!」  新製品開発会議で、突然、大声を上げたのは、西村だった。  モニター画面から彼女の顔が消えた。手にはスマホを握っている。 「なんだあ、西村! オンラインだからって、会議中にさぼってんじゃねえぞ!」  中川課長が怒鳴った。 (……どうりで西村、さっきから下を向いてたと思ったよ。机の下で何か見てたな)  私も自戒した。 (俺も、うっかり立ち上がらないようにしなくっちゃな……)  上半身はワイシャツに上着

          ¥100〜

          もっと、もっと、ホメて! 推して!(SS;3,800文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ ✖ バイオテック・ショート・ショート・カタログ)

          ¥100〜

          ベンジャロンにビールを注いで秋を味わう

          ベンジャロンのビアグラスを買ったバンコクのタイイセキュウから、お店に大鷹正人駐タイ日本大使が来訪し、絵付け体験をされた、というニュースと写真が送られてきた。 私も絵付けにはトライしたかったけれど、何せ滞在日程が限られており、絵付けの後の焼成工程は数週間ごとのバッチ処理なので諦めた……けれど、最近のHPを見ると、焼成後に海外に送ってもらうことも可能になった模様。 我が家のベンジャロンビアグラスは、オーナーが粗忽者のため、本人も家族も警戒し、なかなか食卓への登板機会がない。

          ベンジャロンにビールを注いで秋を味わう

          鏡よ、鏡(SS;2,300文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

          「おい、もう出ないと間に合わないぞ! 一体、何時間かかってるんだ」  しびれを切らした私は、鏡台の前から動かない妻に怒鳴った。 「だってえ、髪がうまくまとまらないんだもーん。服だって、どれにするか迷っちゃうし」 「何い? まだ、そんな事言ってるのか」 「ねえ、口紅の色、ちょっと濃すぎるかしら?」 「それでいいんじゃないか。さっさとしろよ。開演まで30分だぞ」 「いい加減な返事しないでよ。このワンピースの色、どう? 少し派手かしらねえ」 「いーや、よく似合ってる、似合ってる」

          ¥100〜

          鏡よ、鏡(SS;2,300文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

          ¥100〜

          『危険な暑さ』余波で『ギックリ』

          夏の間、『危険な暑さ』が続いた当地では、とても今年の目標『⑨1日5,000歩』が達成できず、成績は、4⤵3⤵1に: おそらく(ゴルフを除き)歩いていないせいでしょう、先週末に植木鉢の椿を植え替えた後、『ぎっくり腰』の症状が現れました。最初は甘く考えていましたが……ひどくなるばかり。 思えば、サラリーマン時代の後半、この『ギクッ』を年に数回は必ずやりました。特に多いのが2月から3月にかけて。 やはり、冬の間の運動不足のせいでしょう。 廊下をヨロヨロ歩いていると、後輩が、 「

          『危険な暑さ』余波で『ギックリ』

          久々の手巻きで一杯

          精米歩合90%で、原料が《ほぼ玄米》のせいかほんのりブラウンに色の着いた酒『にいだしぜんしゅ(大限定っ‼)』がまだ残っていたので、魚系がいいな、と思いつつ、魚屋をうろついていました。 三連休の初日、魚屋で本マグロの赤身と中トロの柵がセットで売られていました。連休は2日目以降はいい魚が入りにくくなることがあります。 「うーん……」 私は本鮪赤身が大好物だけれども、トロはそうでもない。 ただし、この2本柵セットは比較的お買い得ではあり、 「このコンビ、魚屋としては、主役は赤身と

          久々の手巻きで一杯