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日常

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#日常

日々は簡単に過ぎていく

日々は簡単に過ぎていく

寝て起きて、仕事に行って、帰ってご飯を作って、お風呂に入って寝て起きて、を平日は繰り返し、

休日は、寝て起きて、化粧をして友達とでかけ、家に帰ってご飯を作って、お風呂に入って寝て、
次の日は遅く起きて、ランチを外に食べに行って、帰って掃除をして適当に動画などを見てだらだら過ごしていたら、あっという間に夜、そしてまた平日が始まる。

時間が過ぎることは本当に簡単だ。何もしていなくてもそうやって日々

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チューハイでも飲んで、待つ、夏

チューハイでも飲んで、待つ、夏

会社で、花火大会で余った缶チューハイをあげるから持って帰ってね、と社長に言われた。

仕事帰りに予定があることが多かったので、数日は持って帰れず金曜日になってしまい、さすがに持って帰らないと!と冷蔵庫に向かった。
すると、社長が冷蔵庫の前で何やらごそごそとやっていて、あー!すみません、と叫ぶ私。
社長は、私にくれる4本の缶チューハイをビニール袋に入れて、その上から紙袋に入れてくれていた。

「これ

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六月の終わり

梅雨に入ってしばらくたったけど、雨は降ったり降らなかったり中途半端だ。

昨日も、しとしととした雨。気温は寒くも暑くもなく、しっとりと湿気を含む空気。

紫陽花は枯れ始めて、もうすぐ七月が始まる。

そんな六月の末、彼と散歩に出かけた。

東京の下町情緒の残る街、谷中・根津・千駄木、傘をさして散歩した。

傘をささなくてもいいくらいの小雨だけど、ささなければささなかったで顔に当たる雨が鬱陶しい。

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すっと受け入れて噛みしめる

すっと受け入れて噛みしめる

環境がガラリと変わって、毎日疲れている。

毎日正しく頑張っても、うまくいかないときはあるもので、
最近は、朝起きた瞬間から、頭蓋骨が苦悩の縄で締め付けられている。

思考が正常に働かなくて、眉間にぎゅっと皺を寄せてうつむくだけ。

彼の前で弱音を吐いて泣いたり、大好きだった男友達との戻らない二年間を思い出してしまったり(その二年間は、宝石箱の中をそっと覗くと、痺れるような輝きを私に見せつける

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ビタミンを生成する

ビタミンを生成する

GINZAという雑誌のSNSをフォローしているのだけど、何ヶ月か前に、知り合いの女の子が出ていた。

あ、と思い、タップしてサイトの記事に飛んでみると、彼女のメイク道具の写真と、美の三ヶ条という文章が載っていた。
「きれいな人のポーチの中身」というコーナーだった。

美の三ヶ条となると、普通だったら「保湿をする」とか「早く寝る」そんなことを書くのだろうけど、その子の書いているものを読んでみると、

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家に着くまでの三時間

家に着くまでの三時間

職場から家に帰ろうと電車に乗っていると、自宅最寄り駅まで後二駅というところで、急に電車が止まってしまった。スマホから顔を上げて、キョロキョロとしてみる。

……まあ、よくある遅延かと思いながら、帰宅ラッシュの満員電車の中、スマホに視線を戻し、Kindleで電子書籍を読んでいた。

どれだけ電子書籍のページを横にめくっても、一向に電車は動き出そうとせず、十分くらいが優に過ぎていった。遅延の原因は、線

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おまじないに頼ってみる

平日の夜、仕事が終わって家に帰り、夕食を食べて部屋に戻り、ごろごろ。

ベッドに座りながらスマホをいじっていると、画面一瞬暗くなり、どきり。
突然の着信画面に切り替わる。あれって結構びっくりするよね。

彼からの電話だった。

出てみると、とてつもなく申し訳なさそうな元気のない声。

「本当に謝らなきゃいけないことがあるんだけど……」

といった具合の出だしだったので、え、なになになに、と頭の中は

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シュークリームハウスに住みたい

シュークリームハウスに住みたい

予定のない日曜日、10時に起きる。

彼が起きた瞬間に、カツを食べたいと隣で言っているけど、起きたばかりで重い私の胃は、そんな気分じゃない。
起きた瞬間からお腹空いてるなんて、凄いね、なんて言いながら部屋の冷気を感じて、布団にくるまる。暖房のスイッチを押す。

ごろごろだらだらとしているうちにまた眠ってしまい、目を覚ますと13時。

重かった私の胃も、なんだか少し軽くなっている。
何か食べたいと彼

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転がる胡椒の実

転がる胡椒の実

自分は手で何かを持ってコントロールするという機能に障害があるんじゃないかとよく思う。

何か物を持って操るということがとにかく苦手なのだ。
体育の時間はとにかく球技全般が苦手で(走ることやダンスなどは平気)ボールを思ったようにキャッチしたり投げたりすることが、まずできない。

それに加えて、日常生活ではよく物を落とす。

学生時代、ジャム屋でバイトをしていたときは、瓶を毎週のように落として割

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春に浸る

春に浸る

桜も散って、もうすっかり春ですね、暖かい。

今年は三週連続で花見をした。

一週目は彼と彼の知り合いのカップルと。二週目は高校の友人たちと。三週目は親友の女の子たちと。それぞれ上野、代々木、千鳥ヶ淵で。

どの場所も溢れんばかりに美しく咲き誇る桜たちに、圧倒された。毎度晴天で眩しくて、目を細めながら桜の木を見上げる。照り付ける太陽が私の黒いスキニージーンズから肌をじりじりと焼いた。

時がくると

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