見出し画像

転がる胡椒の実

自分は手で何かを持ってコントロールするという機能に障害があるんじゃないかとよく思う。

何か物を持って操るということがとにかく苦手なのだ。
体育の時間はとにかく球技全般が苦手で(走ることやダンスなどは平気)ボールを思ったようにキャッチしたり投げたりすることが、まずできない。

それに加えて、日常生活ではよく物を落とす。

学生時代、ジャム屋でバイトをしていたときは、瓶を毎週のように落として割って、流石に迷惑だからもう辞めよう…となりました。
そこからアパレルのバイトしかしていないのですが、アパレルでも服を畳んでいるとよく落とす。(服って落としても壊れなくて本当によかった)

他にも、流石にそれは…というようなエピソードがいくつもある。

ある日、雨の日にバッグを持って中目黒を歩いてたら、左手で傘を持つことに集中しすぎて、右手でバッグを持っていたことを忘れてしまった。

無意識に手を離してしまい、雨で濡れた道路に落とされるバッグ。
それなのに、私は落としたことに気づかずにそのまま歩き進んでいってしまったのだ。
友人が「CHIKOちゃん落としてるよ!」と驚いたように、バッグを拾ってくれた。

まだまだある。
大学時代、友人の家でペットボトルの飲み物を飲んでいたところ、友人に「小指立ってるよ」と指摘された。
小指を立たせている実感がなかったので「え?うそ?」と言いながら、そのまま口を離して小指を見てしまい、真っ逆さまのペットボトルから飲み物が全部出てしまった。
ズボンもパンツもビショビショになり、ドライヤーで乾かしました…

こ、これってやばいよね。
思い出すたびに自分でも震える。

おととい、彼とファミレスに行ったときの話もなかなか。

そのファミレスで、私はいつも同じメニューを注文するのだけど、今日は違うものに挑戦してみようと思い、ビーフシチューを注文した。
食べてみると、思ったより甘くて、いつものやつにすればよかった!と、すぐに後悔。
そこで、私は胡椒を入れてみることにした。
ファミレスに置かれている胡椒の瓶は、黒い胡椒の実が入っていて、蓋部分をゴリゴリと回して削り、振りかけるというタイプだった。

さっそくビーフシチューに振りかけてみる。
ゴリゴリ。ゴリゴリ。

あまり出なかった。

もっと振りかけたい!と思い、力強く、ゴリゴリ。

すると、突然、蓋が外れてしまった。
その中から、大量の胡椒の実が溢れ出る。
ビーフシチューの上に、大量の胡椒の実がぶちこまれ、テーブルの上にもバラバラと、ビーズのように広がって転がっていった。

ぎゃーっと騒ぎ、店員さんを呼ぶと、お皿をくれて「テーブルに散らばった実はこの中に入れましょう!」ということになった。
彼と慌てて、胡椒の実をコロコロ集めて、皿に入れていく。
すると、その最中に、彼はコップを倒してしまい、水と氷がテーブルの上にバァーっと流れて広がっていった。
水浸し&胡椒の実だらけのテーブル。

やばいよね。
この話を職場の先輩にしたら、「あははー、CHIKOちゃんやりそうだね」と笑われた。
別に職場では、私ってそんなことないのかな、という自己評価だったけれど、そう言われると職場でもそんなエピソードはいくつか頭に浮かんでくるのだった。
(みんなで使っている鏡を3回連続で落として壊したりとか…)

私は手の存在をあまり気にかけていないのかもしれない。
手は、当たり前に生えているものという感じで、意識して動かしたことがないような気がする。

今度からは手の存在に意識を集中してみたいと思う。
そうしたらハンドパワーでも使えるようになるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?