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#日記
One Morning
2014年11月15日の明け方に、僕はひとりで散歩に出かけた。僕は19歳だった。
朝まで眠らずにドラマを見たあと(若い女性が自殺する話だった)、しばらく使っていなかった水筒を棚から出して、散歩に持っていくための温かいココアを淹れた。ボーイロンドンのパーカーを着て、赤と紺のマフラーを巻いて、ベージュのスニーカーを履いて家を出た。
まだ外は暗かった。街灯の小さな灯りが遠くにぽつぽつと並んでいた。空
悲しみのなかにある笑い
なんかもうムチャクチャな話だった。飲んだくれの私立探偵ニック・ビレーンが、行く先々で暴言を吐き散らし、女のケツを押さえようと追いかけ回し、ムカつく男がいればそいつのケツも蹴り飛ばす…。チャールズ・ブコウスキーの遺作、「パルプ」。
主人公ですら、「こんなダメな奴にケツの一蹴り以外何かを手にする資格があるのか?」と自問するくらい下品な話。それなのに不思議と、作品全体に哀愁を誘う雰囲気が漂っている。