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きむちの創作

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私のきまぐれな創作をあつめたものです。
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いめーじ絵

いめーじ絵

今書いてる長編のイメージイラスト第1弾。

少しでも自分の中のイメージを開かせたいのと、色や形で沢山イメージをしておきたくて描いた。

どっちにしても画力が小学生の頃から進化してないので、適当に書くくらいでいいのよ。
真ん中の丸は石です。

石のインクルージョンの写真を本で見て、素敵だなと。そこから着想を得た物語であり、若さと迷いと可能性が、夢が、他にもいろいろが?混ぜこまれた物語であり、正直まだ

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今日のお絵かき 「この星」

今日のお絵かき 「この星」

朝起きてから、このようなイメージが頭を離れなかったので描きました。
8割方イメージが表現できたような気がします。

パッとみて何を感じるでしょうか。

意味を持って描いたところと、そうでないところがあります。

以下は私なりの意図です。

まず最初に浮かんだイメージは、直線や曲線の「道」のイメージ。
それは、人生の波のイメージ。

色んな波がある。穏やかな道もある。細い道に、太い道。

その波であ

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こんばんはラベンダーハニー

こんばんはラベンダーハニー

今日はラベンダーハニーの香り
いつにも増して艶々と芳しい君の髪

慣れないフェイスマスクに硬直する表情
残り液を首から鎖骨に流すそのしなやかな動き

裸の爪にはとっておきのオイルを
それをたっぷりふくらはぎにも馴染ませて

マッサージを始めた真剣な眼
ゆっくりとした手つき
時に力強く
時に細やかに

君はそのままでも美しいのに
その努力がまた美しい

鏡に向かうとびきりの笑顔
ふと我に返る真顔

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短編過去作子供向け「ゆめづくり」

短編過去作子供向け「ゆめづくり」

とある夏の日の夕暮(ゆうぐ)れ時、ゲコゲコゲコとカエル達の鳴き声が聞こえます。カサコソカサコソと音を立てて草むらから緑色の小さな丸い生き物が現われました。夜行性(やこうせい)の虫たちがやっと動き出す時間のようです。

<コガネムシくん>
そう、辺(あた)りが暗くなると僕はようやく動き出すよ。今日は沢山お昼寝をしたから、すこし身体(からだ)がなまっているみたいだ。僕の身体は光る緑色をしていて、丸っこ

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短編過去作「桃色のチューリップ」④

短編過去作「桃色のチューリップ」④

 それから数ヶ月、私達はそれぞれ変わらず忙しい日常を過ごした。彼女は顧客の対応で前より忙しくなり、休憩時間をずらすことも多かったけど、お互い時間が合う時には必ず一緒にお昼ご飯を食べた。

私はプライベートの時間も充実させ、なんだかんだずっと引きずっていた元彼への未練を思い出として浄化することにも成功した。例えば、趣味である読書にとことんのめり込んだ。それから色々な美術館に出向いて沢山の芸術に触れた

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短編過去作「桃色のチューリップ」③

短編過去作「桃色のチューリップ」③

忙しい毎日を送っている間に季節は過ぎ、あっという間にライブ前日の金曜日がやってきた。私は、ウキウキとした気分で出勤し、今日のタスクを確認する。今日は、まず昨日終わらなかったバグ修正を午前中までに終わらせて、新しく任せられたテスト作業に取りかかり始めよう。午前中はいつもより頭がすっきりしていて、集中できた。12時のお昼休憩を知らせるメロディが鳴り始める。

 「おつかれ~」

いつもちょこちょこと歩

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短編過去作「桃色のチューリップ」②

短編過去作「桃色のチューリップ」②

後日、職場のお手洗いで偶然彼女と鉢合わせた。今日は桃色のブラウスだ。チューリップみたいな彼女によく似合っている。私は早速、重要情報について聞きだそうと話しかける。

 「おつかれ。あ、ねえ、どうだった?当落」
 「それがさ~、私全落ちだった。宮田さんは?」
 「私もー。まあ、人気の証だよね。今回は仕方ないね」

二人でちょっと落ち込んだ気分になりながらお手洗いを出た。

 「じゃ、切り替えてこの後

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短編過去作「桃色のチューリップ」①

短編過去作「桃色のチューリップ」①

 「宮田さん~、おつかれさま。今日も一緒にご飯食べれる~?」
 「あ、うん。これだけやったら休憩室行くね。先に行っててー」
 「おっけ~」

彼女と私の毎日のやりとり。今年から新卒でIT企業に同期入社した私達は、唯一拠点が同じである同期仲間ということもあり、毎日のように一緒に昼食をとる。

彼女は、今日もなんだかふわふわと天然な空気を放っていて、仕事で張り詰めていた私はふっと癒やされる。私とは部署

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短編過去作子供向け「おちゃの妖精」

短編過去作子供向け「おちゃの妖精」

とある田舎の町に住む少女マチルダは、その真冬の肌寒い日、一人でお留守番(るすばん)をしていました。窓の外では、雪がしんしんと降り積もり、木立こだちを覆(おお)い隠(かく)しています。一面(いちめん)の銀世界。

一緒に暮らしているお母さんとおばあちゃんはマチルダをおいて、この大雪の中どこかへ出かけてしまったのです。

「私を連れて行ってくれてもいいのに」

そう言うマチルダにお母さんは、今日は寒い

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「ま、人生どう転んでも」 創作

「ま、人生どう転んでも」 創作

「じゃ、俺が帰国したら住処提供してよ」
「は、どういうこと?」
「家賃半分払うから、一緒に住まわせて」
「ぬぬ。家賃はんぶん・・・それは大きいかも」
「ま、前向きに検討でよろしく」

 高校の時に付き合っていた元彼であり、ダチ。
お互い恋人がいない時には、たまに電話をしたり、ご飯に行ったりしている。ぶっ飛んだ話もできるし、何気ない悩みも吐き出せるから都合がいい。お互いに恋愛感情はないけど、ないから

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プレゼント

プレゼント

その子は、レジ横にある玩具が詰め込まれた段ボールのてっぺんから、僕を見つめていた。これから店内に陳列されるであろうウサギのぬいぐるみ。悩み顔のうさぎが、赤ちゃんみたいなパンツを履いている。そのうるうるとした瞳が僕を離さない。

よく見ると可愛い、というより気持ち悪いキャラクターだなとも思う。

どこかの家の子供が腕に抱いていた、あるいは枕元に置いていたであろうぬいぐるみ。あるいは、僕みたいなイケオ

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宇宙の子がいるよ

宇宙の子がいるよ

コンクリートの壁に押し込まれた卵。

宇宙柄の卵です。

質感は、マットと艶の間くらいで、

殻の表面にいる惑星たちは、なぜか透き通って見えます。

卵を割ると、銀色の粉と群青色の水が溢れ出ます。

真ん中には黄身ではなくて、白く閃光を放つ小さな星が一ついます。

その星の直径は3ミリ程です。

白い星を握り潰そうとすると、アメンボのように宙を飛んで逃げます。

まるで生きているかのよう。

どこ

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ひとびと (創作)

ひとびと (創作)


待合室

「失礼します。こんにちは~」
シャランとした柄物の羽織をまとった小太りの中年女性が診察室へ入っていく。

心療内科の待合室は、ピアノのゆったりとした音楽の波が満たされている。

オフィスにいるはずの平日のど真ん中にこの場所にいることは、私をどこか浮世離れした気分にさせてくれる。

会社というピリピリした檻の中から引っ張り出されて、心を調整するためのあたたかい空間にちょこんと置かれたみた

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