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重なる記事たち

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自分の経験と重なって、感じるところが多かった記事たちを集めたもの。
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#エッセイ

「多様性」はどうしてこんなに憎いのか。言葉が創り出す枠組みと新たな排除の構図について考える

「多様性」はどうしてこんなに憎いのか。言葉が創り出す枠組みと新たな排除の構図について考える

「郷に入っては郷に従え」という言葉があります。

もし、「郷」に元々いた人々が違う世界から来た人々にこの言葉を告げたとしたら、それはきっと外部文化の否定と見なされ、非常に強い暴力性のある言葉に聞こえますよね。

では、違う世界から来た人々が同じく違う世界から来た人々にそう告げたらどうでしょうか。

「ここは日本だ。自国の文化が押し通せないことに文句を言うな。『When in Rome, do as

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諦点観測の毎日も、きっと悪くない。

諦点観測の毎日も、きっと悪くない。

「諦めが悪い」の対義語として、「諦めがよくなった」という物の言い方は存在するのだろうか。
もしくは「往生際が悪い」の対極として、「去り際が美しい」。もしそのような相反関係が成り立つとしたら、僕の近況は実に諦めがよくなったし、手前味噌ではあるが去り際も美しい方なのかもしれない。

最近、「諦める」という言葉が頭の中をぐるぐる回っている。
以前校正を勉強していたこともあり、私室の机上にちょうど広辞苑

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いつだって、ふたつ。ううん、みっつ。本当はもっと、もっとだといい

いつだって、ふたつ。ううん、みっつ。本当はもっと、もっとだといい

いつもぼくらは、『何か』を正しいと思っている。

仕事を楽しんでいること。お金をいっぱい持っていること。

やりたいことを見つけることだったり、夢を叶えることでもあるかもしれない。

いつも前向きなことをいいと思ったり、悩んでいない人を羨ましいと思う。

好きな人に愛されることを願う人もきっとたくさんいる。

正解をひとつにしてしまっている、と言い換えたほうがいいのかもしれない。

まず、ふたつ持

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恋愛感情ではないが友情でもない、これ

恋愛感情ではないが友情でもない、これ

恋愛感情はわかる。たとえば、目の前に立つとどきどきしたり、体温が1℃くらい上がってしまったり、あれこれ悩んでしまったり。うまく言葉にはできないが、恋愛感情だ。動物的本能で感じ、ホルモンが反応してしまう厄介で美しいあれだ。

友情はどうだ。友情は、血の繋がらない誰かに対し、一緒にいると楽しい、気分がいい、落ち着く、と感じるあの心の繋がりだ。浅い友情もあれば深い友情もある。趣味限定の友情もあるし、互い

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嫉妬と向き合う

嫉妬と向き合う

【エッセイ】嫉妬の正体とは

嫉妬はするのも、されるのもイヤな気分です。誰かや何かに嫉妬しているとき、

その人は
「ない」にフォーカスしています。

自分はそうなれない。
自分にはそれがない。
自分にはその経験がない。
自分には叶えられない。
と思っている(思い込んでいる)

「ない!→ ズルい!→ 返せ!」

というメカニズムです。

そして嫉妬(妬み)とは、自分への失望を
他人への怒りに転嫁

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