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自分が童話になった男 -太宰治の不思議さ【エッセイ#53】
太宰治は、現在、日本の文学史上最も人気のある作家の一人ですが、改めて読むと、意外と複雑というか、捉えどころのない作家だと思っています。
太宰の作品の特徴は、一言で言うと、「どんな題材でも童話になってしまう」ことです。
ここで言う童話とは、子供向けの教訓話という意味ではありません(流石に子供に読ませるのを躊躇う内容でしょう)。リアルからほんのちょっと浮いた、自分を投影できる世界のフォーマット
黒歴史が、大切な思い出に変わった瞬間
人生のどん底を味わったのは、16歳の頃。
高校一年生の春。キラキラした高校生活の幕開けかと思っていたが現実はというと、ぷち不登校気味。一人くらーい洞窟の中で出口がどこかもわからず、ただただ体育座りをしているような。毎日がそんな感覚だったのを覚えている。人生終わった、と本気で思っていた。
そんな心身ズタボロだった頃、ずっとずーっと支え続けてくれた人に先日、12年越しに会ってきた。
あの頃の自分
【ご報告】本を出しました!!
ついに!
ついに!!
ついに!!!
Kindle で本を発売しました!
やった〜〜〜!!!
まさか自分の文章が本になる日が来るなんて・・・!
夢にも思いませんでした。
はじめてのKindle出版なので、わからないことだらけでした。
正直、「え!?知らなかった!」と後悔したこともありました。笑
でも、とにかく、それでも自分のKindleを出せたこと、それが嬉しくて嬉しくて!
——
優しい言葉は、優しく返ってくる
日曜日の昼下がり、仕事場へ向かう電車。
買い物客や部活へ行く学生もまばらになってきた。
ロングシートの車内。
何となくむかえ合わせに座るのは、気が重い。
おっさんと目が合うと、そらすタイミングに気を使う。
女性と向かい合った時には、緊張する。
二つ目の駅で乗ってきたのは、家族連れ。
子供を抱いているお母さんが座り、
お父さんがベビーカーを畳んで座る
お父さん、お母さんの間にちょこんと三歳くらいの
『あの光景があったから』
街の樹達は葉を落とし、その流麗な枝ぶりをあらわにしています。月桃の花は散り、閑散とした街並みを眺めていると、どことなくタルコフスキー映画のようです。関東でも冬が始まりを見せているのですね。パウルクレーのあの色彩のように。
その文章の先に続く手紙を書き終えポストに投函するとしばらくたったある日、家のポストを開けるとその青い洋封筒に入った一通の手紙がそこに入っていたのだった。ささやかな(いや、正直に
絶滅じぃじがくれたもの
5歳の息子がばぁばの家に一人でお泊りした。
朝起きて泣いたという。
ママが恋しかったわけではない。
「じぃじが出てこなかった~~!」
前の晩、寝る前に夢でじぃじに会えたらいいね、という話をしていたのだ。
義父は息子が生まれる前に病気で亡くなった。
息子にはじぃじがいない。
わたしの実父も3年前に亡くなった。
最近、恐竜に詳しくなってきた息子は
「じぃじは絶滅した」
と言う。
義母も実母も爆笑し
ひとつ、星を捕まえた気がした【台本】
この星空を切り取って君に見せたい
隣で同じ世界を共有したい
空に浮かぶ
あの淡く光る粒子達を掻き集めて
これが僕の想いなのだと見せる事が出来たら
君にこの想いは届くのだろうか
目に見える形に出来たら
僕がどんなに君の事を想っているか伝わるのに
一番輝く星に向けて手を伸ばす
包み込むように壊れないように
ゆっくりと握る
ひとつ、星を捕まえた気がした
【詩】触るとケガするぜ
若い頃はとんがって
ナイフみたいと言われてた俺
なんだか気が立って
なかなか寝つけない夜
妻が大丈夫だよとなだめ
肩と足を揉んでくれると
ものの数分でウトウトして
いつの間にか夢のかなた
温かくてやさしい
妻の手にかかれば
俺なんて丸くなって
イチコロみたい