許せないものありますか? 自尊心に気づき自分の人生を歩む工夫(英雄の書に学ぶ)
「なかなかの衝撃。自尊心を大切に自分を肯定して生きて行こう」
これは今日ご紹介する本の私の読後感です。久しぶりにココロにぐさりと突き刺さりました。そして内なる熱いものがグツグツと煮えたぎるものを感じます。
テーマは「自尊心」。
もちろん知っている言葉ですが、真意を掴みきれていない言葉でした。改めて、この言葉の真意を掴み、「自分だけの人生」を歩んでいく上でのマインドセットとは何かを考えます。
「英雄の書」に学ぶ
今回ご紹介するのは「英雄の書」という書籍。人工知能の研究や感性マーケティングに長けた黒川伊保子さんの著書です。知人から、「何も聞かずに読んでみて」という謎の言葉を添えながらすすめられた一冊です。
「英雄の書」というとんでもなく壮大なタイトルで、ドラクエに出てきそうな名前ですが、中身は感性学や脳科学の観点から語られる人生の指南書。人生を冒険にたとえ、誰もが英雄として好奇心を発揮しながらオリジナルな人生を生きていくことを応援してくれる内容です。
この本では「英雄」をこう定義しています。
英雄:「異質な上質」を目指す人のこと
単なる上質ではなく唯一無二というオンリーワンの異質なニュアンスも含まれています。人でいうと例えばこんな人達。
・ココ・シャネル
・スティーブ・ジョブズ
・アインシュタイン
本書で紹介されているこれらの人たちは確かに異質を突き詰めて上質なオンリーワンを極めた人達ですね。
「でも、英雄って一部の異端な有名人のことでしょ」と思ってしまいますが、むしろ無名な英雄の方は世の中にたくさんいます。なぜなら「唯一無二の上質」は誰でも追求できることであり、つまりは誰でも英雄になれるチャンスがあるとも言えます。それは有名かどうかは関係ないということ。
本書では英雄を作る上での「脳の習慣」「失敗との向き合い方」「睡眠のとり方」「運動の取り入れ方」「瞑想の活用」など、マインドセットだけでなく具体的なアクションにまで触れています。詳しくは是非本書を手にとって一読いただけると良いのではないかと思います。
許せないこと=自尊心
本書で特にご紹介したいのが「第3章 自尊心の章」。みなさんに質問です。
Q あなたには許せないことがありますか?
友がそれをしたときに、友情をかけて友をいさめるほど、許せない何か
この問は、あなたの自尊心の源泉を探る問です。そもそも自尊心とは何でしょうか。言葉の意味はこちら。
【自尊心】
自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度。
「自己肯定感」、「プライド」も自尊心と近い言葉です。本書では「ゆるがない自我を自覚する感覚」と説明があります。そして「生きる方向性を決める大事なセンス」とも説明されています。
スティーブ・ジョブスは「醜いコンピューター」が許せなかった。そして自ら生み出したのが伝説の一体型コンピューターの「アップルⅡ」です。パソコンといういわゆるパーソナルコンピューターの歴史はここから始まります。
「こんな醜い箱を自分の部屋に置くのは許さない」
これはジョブズの語った言葉ですが、注目は「許さない」という表現。ここから自尊心を守るために、常識と戦い、ひっくり返す勇気と行動が生まれます。
何か新しい価値を創造したりイノベーションを起こすときには、「現状」や「当たり前」と戦う必要があります。「まあ、これでもいいかも…」と妥協ばかりしていては新しいものは生み出せません。その時に譲れない一線として自分をキープできるラインは「許せない」という感覚です。
スキを貫く
「許せないこと?そんなもん思い当たらないな…」と言う方もいるでしょう。そんな時は「好きなことを見つける」のも有効です。
好きなことを突き詰めるとその先に許せないことが出てきます。「これじゃなきゃダメ」という自分の中で譲れない価値観の輪郭がはっきりしてきます。それが自尊心や使命感につながっていきます。
誰しも「好きでしょうがない」「どうしても譲れない」ということが一つはあるのではないでしょうか。これが思い当たらない人は、他人を優先しすぎている可能性があります。
本書では「夢は語るな。使命まで腹落ちしてから語れ」という言葉も登場します。そして、使命とは他者を思うことからしか生まれないと断言しています。ここは読んでいて非常に痛快です。
自分の好きを貫くこと、そして人の役に立つ何かを持ち、そこから使命感を感じること、こうしたことから自尊心は高まっていくように思います。
孤高でいるための「孤独な時間」
英雄は常識とは違う、「異質な上質」を目指す人です。つまり孤高であるということ。場の空気を読まない、他人とつるまない人は、英雄のセンスありと言えます。みなさんはどうでしょうか。
英雄の人の脳は、創造力にあふれています。この創造力の源泉は体のどこに宿るのかというと無意識を担当する「右脳」です。
右脳を鍛えるには、右脳だけフルに働かせる時間があると良いそうです。「右脳だけをフル稼働」ということはつまり、左右の脳の連携を遮断するということ。これは日常の生活の中ではなかなか難しいです。それができるのが、「一人だけの時間」です。
人とのつながりはもちろん大事ですが、つながり過ぎるのも考えものです。今はコロナ禍で密を避ける社会的行動を誰もが意識していますが、実は我々の手にはスマホという無限に人と繋がれるドアが常にそばにいます。
まずはスマホ、特にSNSと距離を取ること。そして、一人の時間を意図的に持つこと。それが「異質な上質」を目指す上でとても重要な時間となります。
凡人か英雄か
ここまで読んで、「いやいや私は英雄なんてなりたくない。凡人でいいよ」と言う方もいるでしょう。その考え方も当然あります。
凡人か英雄、どちらの方が幸せなのか。これも断定できるものなどないでしょう。ただ私は「後悔しないか」が大切なのだと思います。英雄を目指す人は一度きりの人生を「自分の人生」として後悔しないように行動をとる人だと思います。
よく後悔は「やった後悔」と「やらなかった後悔」の2種があり、9割以上が「やらなかった後悔」だといいます。
自分の自尊心に従い、譲れないもの、許せないことを大切に持ちながら、後悔しない選択をする。これはリスクや障壁を伴うものが多いでしょう。
しかし、その人生は振り返って見た時に「後悔のない人生だった」と晴れ晴れとした気持ちで人生を全うできるのではないかと思います。
まとめ
本書は万人に向けた書籍ではありません。強くオススメするのは「戦っている人」だと思います。何かに制約を感じたり、自分の個性に自信が持てなかったり、息苦しさや生きにくさを感じている人にはきっと勇気と行動を与えてくれる一冊だと思います。
特に、この春に新生活や社会人のスタートを切った方には、人生の道標となる考え方がぎっしり詰まった一冊なので是非一読いただきたいです。
私は本書を読んで、自分をもっと信じようと思いました。それは本書の「おわりに ~闘う君へ」というあとがきの一節にヒントがあります。ご紹介します。
才能ある者の真実を、人々は、理解できない。
他者に備わっていない感性を、才能というのだから。
周りの人と比べて違う感覚を持ったとき、自分には常識がないのかもと不安になることがあります。自分の感覚を人に伝えて理解されなかったりするとショックだったりします。しかし、それらは「才能」の片鱗なのかもしれません。
他人に理解されない=無価値、ではなく「=才能」と捉えて、自分を信じて生きていく。その自尊心に沿った意思決定を続けた先に、自分にしか歩めなかった人生が待っているのだと思います。
改めて自分の内なる声に耳を傾けたいと思います。
自分と他人との違いを「価値」と捉えて、自分らしい人生を歩んでいけると良いですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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